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マンションの売却を前に、リフォームや補修をすべきか否か……とお悩みではありませんか?
リフォームを検討しているということは、なにか目立つキズや汚れ、欠陥があるからこそ。本記事では、マンション売却前にリフォームや補修を実施したほうがいいケース・しなくてもいいケースを具体例を交えながら解説していきます。
では早速、マンション売却前にリフォームが必要なケース・必要ないケースを見ていきましょう。
基本的にマンションの売却前にリフォームが必要なのは、生活に支障をきたしたり、普通に生活しているだけでは付かない汚れや劣化が見られたりするケースに限られます。
床がきしむ
床のキズが目立つ
この程度の劣化では、基本的にリフォームの必要はありません。
しかし、たとえばなにか重たいものを落として、生活を送る上では危険な「穴」が空いているようなケースでは補修が必要でしょう。
「窓が閉まる」ということは、室内の温度に保ち、プライバシーを確保するための最低限の住まいのスペックだといえます。
窓ガラスにヒビや破損箇所があれば、それは補修するべきでしょう。
自然についた汚れではなく、意図的についた汚れは落としておいたほうが賢明です。
いくら子どもの仕業とはいえ、落書きがある壁紙の居室に住みたいと思う人はいません。
意外と見落とされがちですが、「臭い」も物件の印象を大きく左右するものです。
「室内でタバコを吸っていてあまりに臭いがひどい」あるいは「水回りから下水の臭いが立ち込めている」という状況であれば、壁紙の張替えや臭いを発している部分の修繕が必要です。
水回りがあまりにも汚いと、「不潔」という印象を与えてしまいます。
・お風呂場が長年使っておらずカビだらけ
・トイレの清掃をしておらず臭いも汚れもひどい
このような状況にあれば、ハウスクリーニングを検討されたほうがいいかもしれません。
ここまで挙げてきた「リフォームが必要なケース」であっても、買主がリフォーム前提で購入する場合には、リフォーム・補修は不要です。
また、自然についたキズ・汚れに関しても、基本的にはリフォーム・補修の必要はありません。
生活している上で自然についたキズ・汚れに関しては、基本的に修繕やリフォームは不要だと考えて問題ありません。
築20年なら築20年なりの、築40年ならそれなりの経年劣化が見られることは、買い手側もよくわかっているものです。
一般消費者ではなく、買取業者に対して売却する際には、基本的にどんな汚れも傷みも修繕する必要はありません。
買取業者は、買い取ったマンションをリフォームして再販します。キズや傷みが買取価格に影響することもないため、現状のまま買取査定に臨んで問題ありません。
最近では、一般消費者でもリフォーム前提で中古住宅を購入する人が増えています。中には数百万円かけてフルリフォームする人もいるため、そのような買主に売るとすれば修繕やリフォームにかけた費用は無駄になってしまいます。
よって、可能性として買取業者やリフォーム前提の一般消費者が購入する見込みがあれば、どんな状況だとしても独断で費用をかけてリフォームや修繕をすることは避けたがほうがいいといえます。
結果として最低限の修繕やリフォームを実施することになるかもしれませんが、まずは現状のまま不動産会社に相談し、査定してもらいましょう。
査定依頼にあたっての注意点は、必ず複数社に対して依頼するということです。お部屋の状況によっては、不動産会社によって「リフォームするべきです」「いや、リフォームは不要なので現状のまま売り出してみましょう」と見解が異なる可能性があります。
どちらがいいかという判断は一概にはいえませんが、ご自身が納得できる見解や査定額を示してくれる不動産会社に売却を任せるためには、複数社に査定依頼した上で各社を比較する必要があるのです。
マンションナビでは、完全無料で複数の不動産会社に対して一括で査定依頼が可能です。リフォームの必要性とともに、「適正価格」を知ることはマンション売却を成功させるための第一歩。ぜひご活用ください。
マンション売却の前にリフォームや補修する場合には、あらかじめ費用の相場を確認し、できる限り負担を抑えましょう。
またマンションの売却で利益(≒譲渡所得)が出た際には、リフォーム費用を計上して節税できる可能性があります。
出典:国土交通省
国土交通省が工務店やリフォーム会社等40社に対して行ったアンケートを基に、マンション売却前に行うことが多いリフォーム費用の参考値の目安をお伝えしていきます。
畳から畳の交換は、6万~12万円ほど。畳からフローリングへの変更は、広さによりますが15万~60万円が目安です。
クロスの張替えは、範囲によりますが6万~30万円が目安です。クロスから珪藻土に変える場合には、18万~30万円が目安となります。
温水便座のみの交換・設置であれば、10万円前後です。トイレ全体を改装するとなると、グレードによって20万~100万円の費用を見ておきましょう。
マンションの売却で「譲渡所得≒売却益」が出た場合、所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得を算出する計算式は、次の通りです。
譲渡所得 = 譲渡収入金額 - 取得費 - 譲渡費用
マンションを売った費用(譲渡収入金額)から、マンション購入にかかった費用(取得費)と売却にかかった費用(譲渡費用)を引くことで譲渡所得を算出します。
売却前にリフォームした場合は、リフォーム費を「売却にかかった費用=譲渡費用」として認められることがあるため、結果として節税効果が見込める可能性があります。
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マンションの売却前にリフォームする上で、気になるのは「リフォームにかけた費用をマンションの価格に上乗せできるか?」という点だと思います。
結論からいえば、資産価値を向上させるためのリフォーム以外は、費用を上乗せできる可能性は低いと考えていたほうが賢明です。
・床や壁に穴が開いている
・窓ガラスが割れている
・経年劣化以上のキズ・汚れが目立つ
これらの点を修繕・リフォームするのは、「資産価値の向上」というよりは「原状回復」に近い施策です。よって、売却価格に上乗せすることはまずできないと考えていたほうがいいでしょう。
一方で、キッチンや浴室、トイレを新築当時より最新のモデルに入れ替えたり、壁紙・床材・建具などを一新させたりするリフォームでは、売却価格に上乗せすることも可能だと考えられます。
ただこの場合にも、たとえばリフォームに300万円かけて300万円上乗せできるかといえば、そうとは限りません。リフォームや補修といった施策により、どれだけ需要が上がるのか、どれだけ買主がプラスの予算を組めるかは、非常に判断が難しいところです。
だからこそ、先述通り、独断でリフォームや補修を実施するのではなく、まずはどんな状況でも現状のままで不動産会社の査定を受けることをおすすめします。
・リフォームに300万円かけて、2,500万円で売れた
・リフォームなしで2,300万円で売れた
このような結果となれば、リフォームにかけた費用・時間・手間は無駄になってしまい、逆に損してしまうのです。状況によっては、そのまま売却したり、「買取」によって売却したほうが結果として売主の利益が高まる可能性があります。まずはマンションナビで、複数社に査定依頼することから始めてみましょう。
マンション売却前にリフォームが必要だと考えられるのは、経年劣化や自然に付いたキズ・汚れではなく、生活に支障をきたす損傷があるときです。
経年劣化によるキズや汚れに関しても、反響次第では売却期間中に「リフォームしたほうがいい」と判断されることもありますが、いずれにしても売却前に独断でリフォームの実施を決めずに、まずは現状のまま不動産会社に相談しましょう。
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大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
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