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首都圏の新築マンションの価格が過去最高に近づいている。不動産経済研究所(東京・新宿)は、1~10月の平均価格が前年同期より4.2%高い6089万円になったと発表した。(日経新聞)
近年、マンションを中心に新築物件の価格が高騰しています。高騰のきっかけや理由は、1つではありません。
・東京オリンピック開催決定に伴う不動産投資熱の向上
・東京オリンピック関連施設建設に伴う建築費高騰
・東日本大震災後の災害復興による建設需要の高まり
・住宅ローン金利水準の低下
新築マンションの価格水準は、もはやバブル期並み。一般的なサラリーマンにはなかなか手が届きません。
そこで今、人気が高まっているのが中古住宅です。「新築が買えない」という理由以外にも、中古住宅人気が高まっている理由はいくつか考えられます。
中古物件で気になる、古さや劣化。とくに1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震性も気になるところでしょう。ただ、汚れや劣化、耐震性は、リフォームやリノベーションで大きく改善できます。
最近は、価格が安い中古住宅を購入して、リノベーションにお金をかけて自分たち好みの住まいに改修する人が多くいます。
中古住宅は「安い」だけでなく、選択肢が広いことも大きな魅力の1つです。
「この駅で新築マンションが買いたい!」と思っても、希望に叶うマンションはせいぜい数棟。立地や時期によっては、新築物件が全く見つからないこともあるでしょう。
一方、中古マンションなら選択肢は一気に広がります。「学区内」「職場の近く」「親の家の近く」などの細かい条件を加えたとしても、希望を満たす複数の物件が見つかるでしょう。
首都圏における2019年4~10月の新築マンション価格の平均が6,000万円を超える中、2019年10月度の中古マンションの平均成約価格は3,461万円。(東日本レインズ調べ)マンション1室を全面リノベーションしたとしても、かかる費用は高くても1,000万円ほどでしょう。
・全面リフォームしても新築に比べはるかに安い
・自分たちの好きな立地が選べる
・自分たちの好きなようにリフォームできる
これらの理由から、「中古住宅+リフォーム・リノベーション」を選択する人が増えているのです。
「リノベーションマンション」とは、自分で購入した部屋を自分の好みにリノベーションしたマンションではなく、マンション1棟全てをリノベーションしたもの。共用施設のリノベーションやエレベーターなどの設備の新設、耐震改修などマンション丸ごと一新させるのでまるで新築マンションのように生まれ変わります。
新築でもなく、中古でもない。そんな新しい選択肢が、リノベーションマンションです。
空き家が増加し、人口が減少する中、国は既存の住宅の流通や活用を活性化すべく、住まいのリフォームに対して支援をおこなっています。
たとえば、耐震性や劣化対策、省エネ性等を向上させるリフォームには最大100万円、長期優良住宅化するリフォームには200万円など。さらに、独自の補助金制度を設けている自治体も多くあります。
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リノベーションによって見た目や耐震性が改善するとはいえ、やはりそこは新築物件とは違います。基礎や全ての配管まで改修することはできないので、購入前に「中古ならではの不安」の全てを取り除くことはできません。ただその“不安”を緩和するための制度が、近年、見直され始めています。
ホームインスペクションとは、「住宅診断」のことです。住まいを売買する前に第三者の専門家に住宅を診断してもらうことで、売主も買主も安心して取引できます。中古住宅流通がさかんなアメリカなどでは一般的なものですが、日本では2018年に、仲介業者による説明が義務化されました。
ホームインスペクションで見る項目は、以下のような点です。
既存住宅瑕疵保険とは、国土交通大臣が指定した機関のみが扱っている住まいの保険制度です。
新築物件は、法律に基づき、売主である事業者が10年間の瑕疵担保責任を負っています。中古住宅についても売主の瑕疵担保責任はありますが、2~3カ月などの期間限定にするのが一般的です。中には、売主の瑕疵担保責任を免責とする契約もあります。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは?
売買後に住宅に瑕疵(かし=欠陥・不具合)が見つかった場合、売主が負う修繕などの責任。
既存住宅瑕疵保険は、売主に代わって保険会社が一定期間、売買後に発覚した瑕疵の責任を負うものです。買主の大きな安心になることはもちろん、売主にとっても「売れやすくなる」「大きな責任を負わなくていい」などのメリットがあります。
中古住宅の人気が高まっている理由には、新築物件の高騰があげられます。しかし理由はそれだけでなく、中古住宅流通の活性化を国が後押ししていることも背景にあるでしょう。
人口が減り、空き家が増加する中、今後ますます中古住宅を流通・活用させる取り組みは活性化するものと見られています。これから不動産を売買する人は、ただ売るだけ、買うだけではなく、「どうやって“安心”を付帯するのか」「どうやって自分たち好みの住まいを手に入れるのか」考えてみましょう。
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