任意売却が失敗するのはどんなとき?成功のための秘訣を解説!

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住宅ローンの滞納が続いて支払いが困難になった場合、多くの人が選択して検討するのが任意売却です。

  • 市場価格に近い金額で売却できる
  • 債務を大幅に減らすことができる
  • 周囲に事情がバレない

このように多くのメリットがある任意売却ですが、必ず成功する保証はなく、中には失敗に終わってしまうケースもあります。つまり、任意売却も万能な解決方法ではないということです。

本記事では、任意売却が失敗するのはどんなときか、どうすれば失敗が回避できるのかわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

目次

任意売却に失敗するとどうなる?

何らかの理由により任意売却が失敗してしまったり、住宅ローン返済が滞ってもなにも手を打たなかったりした場合はどうなってしまうのでしょうか?

最終的には競売にかけられる

任意売却がうまくいかず、他の債務整理等の対策も取らなかった場合、最終的にはご自宅が競売にかけられることになります。

任意売却ができる期間は限られているので、タイムリミットまでに成立しなかった場合もまた、競売による売却へと進みます。

競売になってしまうまでの流れ

下記は、競売に移行するまでの一的な流れです。

  • 1~5ヶ月後:督促状や催告書による支払い催促が続く
  • 6ヶ月後:「期限の利益喪失」の通知が届いた時点で、分割で返済する権利を失い、債権者から住宅ローンの一括返済を求められる
  • 7ヶ月後:「代位弁済」の通知が届く。債務者の代理として保証会社から債権者にローンの一括返済が行われる
  • 8ヶ月後:裁判所に競売の申立てが行われ、「差押通知書」が届く
  • 9ヶ月後:競売の申立てを裁判所が受理し「競売開始決定書」が届く
  • 10ヶ月後:裁判所の執行官が不動産の現況を確認する「現況調査」の実施
  • 13~16カ月後:入札開始から終了までの期間が記載された「競売期間入札」の通知が届く。この通知が届いてしまったら、実際に競売が開始されるまで時間はほとんどありません

競売のデメリット

競売には以下のようなデメリットがあるため、できる限り避けたいものです。

  1. 売却(落札)金額が安い
  2. 競売にかけられた事実が周囲に知られてしまう
  3. 引越し代も捻出できず、強制退去を迫られる
  4. 残債務を一括返済しなければならないことも

それぞれのデメリットについて、詳しくみていきましょう。

デメリット1. 売却金額が安い

競売物件は、まず裁判所に委託された不動産鑑定士によって売却基準価格が決められます。この売却基準価格は、市場価格の5割~7割程度の設定となります。

最終的な金額は落札者によりますが、基本的に任意売却のように市場価格に近い金額での売却はかなり難しいといえます。

デメリット2.競売にかけられた事実が周囲に知られてしまう

自宅が競売にかけられると、「競売物件」である事実がインターネットや新聞に掲載されます。物件の外観や建物内の写真、住所も公開され、開札前には落札希望者が物件を下見に来ることも予想されます。

そのため、ご近所や親戚、会社の方にも、競売の事実が知れ渡ってしまうことも。お子さんがいじめにあうなど、大切なご家族が辛い思いをする可能性も否定できません。

デメリット3.引越し代も捻出できず強制退去を迫られる

任意売却であれば、引越し代金や売却にかかった費用を売却金額から捻出することも可能で、引っ越し時期についてもある程度、売主の意思が反映されます。

一方、競売では、落札金額は基本的に全て債権者への返済にあてられます。引越し日についても裁判所からの強制的な立ち退きの執行命令待ちとなるため、予定が立てられず新居探しにも苦労します。

デメリット4.残債務を一括返済しなければならないことも

競売は市場価格よりも大幅に低い価格で落札されるのが一般的であるため、債務が多く残る傾向にあります。残債については基本的に一括返済を求められるので、給与を差し押さえられたり、結果として自己破産してしまったりするケースも少なくありません。

任意売却であれば、無理のない範囲で分割返済に応じてもらえることが多いのですが、競売の場合、債権者に柔軟に対応してもらうことは難しいでしょう。

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任意売却が失敗する5つの理由と解決策

任意売却が失敗する理由は、大きくわけて次の5つです。

  1. 時間的に間に合わない
  2. 所有者や連帯保証人の意思確認ができない
  3. 債権者の承諾を得られず、交渉が決裂した
  4. 税金滞納により家が差し押さえられてしまった
  5. 買主が見つからない

ここからは失敗してしまう要因とともに、解決策についても詳しく解説いたします。

1.時間的に間に合わない

任意売却が可能なのは、「代位弁済」完了後から「競売開札」により落札者が決定されるまでの間です。

代位弁済とは

住宅ローンの支払いが滞り「期限の利益喪失」となった債務者に代わり、保証会社が債権者に住宅ローンを一括返済すること

代位弁済が行われると債権が保証会社に移行するため、保証会社から一括返済を求められ、最終的には競売にかけられます。

解決策

この限られた期間内に不動産会社などの担当者が債権者と交渉し、販売価格や分配比率などの承諾を得て売却まで完了させる必要があります。期間内に全ての工程が完了しなければ、任意売却は失敗となります。

2. 所有者や連帯保証人の意思確認ができない

行方不明などの理由により、物件の所有者や連帯保証人の本人確認ができず、売却の意思を確認できなければ、任意売却することはできません。 行方はわかっていても連帯保証人の同意が取れない場合もまた、任意売却は不可能です。

解決策

所有者や連帯保証人が行方不明の場合は、「不在者財産管理人」を選任することで任意売却できる可能性はありますが、財産管理人の選定を裁判所に申し立てるなど手続きに時間がかかるため容易ではありません。

また連帯保証人の同意が取れない場合には、基本的に「説得」するしかありません。説得する場合、当人同士よりも専門家から任意売却のメリット等の説明を受けた方が同意してくれる可能性は高まります。

いずれにせよ、所有者や連帯保証人の意思が確認できない場合においても自身の判断で売却を諦めるのではなく、専門家へ早期に相談するべきでしょう。

3. 債権者の承諾が得られず、交渉が決裂した

任意売却は、大前提として債権者の許可が必要です。

債権者の方針や売却見込み額、返済状況によっては、債権者の許可が取れない場合があります。この場合は、任意売却を諦めるしかありません。

解決策

任意売却において最重要ともいえるのが、債権者の許可取り。なんとしてでも許可してもらえるよう交渉する必要がありますが、交渉自体は不動産会社など任意売却を請け負ってくれる専門機関の役目です。

そのため、任意売却を任せる業者選定は最重要課題といえます。売却力とともに専門的な知識を持ち合わせ、債権者の許可を取れる交渉能力を見極めなければなりません。

4. 税金滞納により家が差し押さえられてしまった

固定資産税や住民税の滞納が続くと、自治体によって家を含めた資産が差し押さえられます

家が差し押さえられてしまうと、任意売却を含めた売却は不可能になります。

解決策

住宅ローンのみらならず、税金の滞納、またはマンションの管理費等の滞納でも、競売にかけられてしまうリスクはあります。家が差し押さえられてしまうと任意売却ができなくなりますから、延滞金を返済しなければなりません。

延滞金が多くなると「延滞税」が課税され、返済すべき金額はどんどん増えていきます。延滞金はなるべく早く返済するとともに、住宅ローンや税金、管理費を延滞する前に、苦しめている要因を根本的に解決するため、できるだけ早く任意売却を選択するべきです。

5. 買主が見つからない

任意売却によって売り出してはみたけど、「競売の開札」というタイムリミットまでに購入希望者があらわれず、売却できなければ競売を避けることはできません

解決策

任意売却は法律の知識も必要になるので、弁護士なども請け負ってくれます。しかしいくら法律面でサポートしてくれるとしても、実際に不動産を売るのは不動産会社です。

任意売却とはいえ、売り方は一般的な不動産売却と同様。売却力を見極めて不動産会社を選ぶことは、任意売却でも重要なことです。

まとめ

住宅ローンの返済が苦しい人にとって救世主ともいえる任意売却にも、失敗するリスクがあります。成功率が100%ではないからこそ、どこに相談するかが最も重要です。

任意売却は高い専門性が求められるため、不動産会社の全ての営業担当者が請け負えるわけではありません。任意売却が可能な不動産会社を探すには、マンションナビの一括査定をご活用ください。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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