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ワンルームマンションの売却時期にお悩みではありませんか?2013年頃から全国的に不動産価格は高騰傾向にあり、ワンルームマンションについても例外ではありません。しかし、収益物件の売り時を判断するためには、税金や経営状況などさまざまなことを踏まえて考える必要があります。
そこで本記事では、最新のワンルームマンションの売却相場価格と売却時の注意点を解説します。
調査期間:2017年1月~2024年5月
調査対象:40㎡以下の区分オーナーチェンジ物件
調査エリア:東京(千代田区・港区・中央区・渋谷区・新宿区) 大阪市(阿倍野区・西区・中央区・天王寺区・福島区・北区) 福岡市(城南区・西区・早良区・中央区・東区・南区・博多区) 名古屋市(昭和区・瑞穂区・西区・千種区・中区・東区・熱田区・名東区)
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上記グラフは、40㎡以下の投資マンションの平均成約坪単価の推移です。どの築年帯のマンションも高騰傾向にありますが、特に都心5区ではコロナ禍以降、その動きが加速しています。
マンション価格が高騰傾向にある背景には、金融緩和政策による金利低下があります。政府は、第二次安倍政権発足の2013年から金融緩和政策を実施しており、ローン金利は史上最低ともいえる水準まで下がっています。コロナ禍でも大規模な同政策は継続しており、不動産価格高騰の大きな要因となりました。
しかし、日本銀行は2024年3月、マイナス金利政策の解除を発表。さらに、7月には利上げを決定しました。これを受け、これまで長らく下がり続けてきた変動金利の引き上げを発表した金融機関も少なからず見られます。2024年末時点の引き上げ幅は最低水準から0.1〜0.2%程度のものですが、0.5%、1%……引き上げられるとなるとマンション価格にも影響してくる可能性があります。
コロナ禍以降の価格高騰の加速は、インフレが影響しているものと考えられます。コロナ禍では世界的にマネーの総量が増え、原材料価格や輸入コストなどが高騰しています。
加えて日本では人材不足も深刻化していることから、人件費も上昇傾向にあります。インフレは、新築マンションの価格上昇、そして中古マンション価格の上昇に直結します。
昨今では、不動産投資が一種の“ブーム”になっています。老後資金不足問題やコロナによる収入源、将来への不安……これらのことから「自身で資産を形成していかなければならない」と考える人は増加しています。
とくにワンルームマンション投資は、比較的、取得費用が安く始めやすいことから、投資用ワンルームマンション人気に火がついているものと考えられます。
ワンルームマンション価格が高騰している今は「売り時」ともいえますが、実は必ずしもそうとは限りません。ワンルームマンションの売却に際しては、次の7つの点に注意しましょう。
投資用ワンルームマンション売却で「利益」が出た場合、所得税と住民税が課されます。不動産売却における利益は「譲渡所得」とされ、次の計算式で算出します。
譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用
内容 | |
譲渡収入金額 | マンションの売却価格+固定資産税・都市計画税の清算金 |
譲渡費用 | マンション売却の諸費用(仲介手数料・印紙税・登録免許税) |
取得費用 | マンションの購入代金+購入時の仲介手数料+設備費から減価償却累計費を差し引いた金額 |
譲渡所得金額がプラスになれば所得税・住民税が課税されますが、このときの税率はマンションを所有していた期間によって次のように異なります。
所有期間 | 区分 | 税率 |
5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.630%(所得税30%+住民税9%+特別復興所得税0.63%) |
5年超 | 長期譲渡所得 | 20.315%(所得税15%+住民税5%+特別復興所得税0.315%) |
投資用ワンルームマンション売却時の課税額は「所有期間5年」が大きな分かれ目になります。
たとえば、500万円の譲渡所得が出た場合、所有期間5年以下なら課税額は「198万1,500円」ですが、所有期間が5年を超えていれば「101万5,750円」と1/2近くに軽減します。
そのため、売却価格が高騰しているからといって税金のことを考えずに売却してしまえば、相対的な利益は損なわれる可能性があります。
投資用マンションの適切な売り時を判断するのは容易ではありません。そこで重要になるのが、不動産会社による客観的な助言です。
ただし、不動産会社によってマンションの査定額は異なります。そのため、ワンルームマンションの売却をお考えの場合はまず、複数の不動産会社に査定依頼をすることが重要となります。相対的な利益を考えて売り時を判断しなければならないとはいえ、やはり「いくらで売れるか」は売り時を判断するうえで非常に重要な指標です。
とはいえ、将来的な収益性や今の状況、査定額に鑑みて適切な助言をしてくれる不動産会社ばかりではありません。1社からではなく複数の不動産会社から売却時期の見解を聞くことが、適切な判断をするための大きな助けとなるはずです。
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どんなに市況が良くても、ローン残債を下回る金額でしか売れる見込みがないのであれば、手元資金から充当してローンを完済しなければなりません。
一方で、相場価格が下落局面にあっても、これまで収益を出せていて、売却したお金でローンを完済できる見込みであれば、利益確定の時期としては適していると考えられます。
マンションを少しでも高く売ろうと、修繕やリフォーム、ハウスクリーニングなどを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、マンションの売却前の過剰なリフォームをは避けましょう。
その理由は、リフォームに費用と時間をかけても、それを回収できるだけの価格アップが見込めるとは限らないからです。もちろん、入居者が生活できない不具合や設備の故障が見られるのであれば、修繕したほうがいいケースもあります。しかし、中にはリフォーム前提で投資用マンションの購入を検討している人もいます。こういった投資家は、リフォーム済みの物件より少しでも価格が安い物件を求めているものです。
リフォーム実施は独断でするのではなく、不動産会社に相談することをおすすめします。
マンションを売り出す際には、競合物件の有無や状況もチェックしましょう。たとえば、同じマンションの別の部屋が売り出されていれば、必ず購入検討者に比較されます。
また投資家は、1つのマンションにこだわるというより、利回りを重視して投資用物件を選びます。そのため、近隣で同様の条件の投資用マンションが売り出されていれば、必ずライバルとなります。
広さや階数、築年数なども考慮したうえで、競合物件と比較して条件が劣っていないか確認し、競合物件が多かったり、競合物件に条件面で劣っていたりする場合は、売出時期をずらすなどの工夫も必要です。
投資用ワンルームマンションの売却で最も大事なのが、不動産会社選びです。一口に不動産会社といっても、居住用マンションの売却に長けていることもあれば、土地・戸建の売買に強い不動産会社もあります。
投資用ワンルームマンションを売るなら、収益物件の売却実績が豊富で、その中でもコンパクトマンションを多く扱っている不動産会社に依頼しましょう。収益用コンパクトマンションを多く扱っている不動産会社は、買主候補となる顧客を多く抱えているものです。不動産会社の比較には、マンション専門の一括査定「マンションナビ」をご活用ください。
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投資用物件を売却するのに適した時期は、利益が最大化するときです。マクロな視点とミクロな視点を持ったうえで、ご自身にとって利益がもっとも高いと考えられるタイミングを見極めましょう。
投資用マンションの売り時を考える際には、相場価格や所有期間による税率などの外的要因だけでなく、ローン残債と査定額の差などの内的要因にも目を向けることが大切です。
先のとおり、ローン残債を下回る金額でしか売れる見込みがなければ、自己資金から不足分を補わなければなりません。それができなければ「任意売却」という特別な方法でマンションを売ることとなります。
査定額がローン残債を上回るタイミングは、売り時の1つ。ローン残債は基本的に減っていくものですが、マンションの価値は常に変動しているため、随時ご所有のマンションの価値を把握しておくようにしましょう。
投資用ワンルームマンションは、収益還元法で査定されます。
収益還元法は、賃貸することによって生み出されると予測される利益から、その不動産の適正な投資価格を算出する方法。空室期間が長かったり、現空室であったりすれば、売値が下がってしまう可能性があるのです。
そのため、周辺相場価格が高騰しているからといって、必ずしもあなたのマンションの売値が高くなるわけではありません。つまり、1つの物差しだけではなく、相対的なことから判断して最も利益がある時期が投資用マンションの売り時だと考えられます。
マンション価格は10年以上、高騰し続けています。しかし、これはあくまで平均価格であって、郊外や地方ではマンション価格が下落に転じているエリアも見られます。
2024年の利上げ発表以降、変動金利を引き上げる金融機関も出てきています。高騰傾向は維持しているものの、下落の要素がないとはいえない状況です。日本は2025年、団塊の世代のすべての方が後期高齢者になることで「大相続時代」を迎えるといわれています。これは、不動産価格にも影響しかねない「2025年問題」といわれる問題です。
2025年になった途端に不動産価格が暴落するということはないでしょうが、2025年は米国で新政権がスタートし、日本では建築基準法の改正も予定されています。変革期となることは確実視されるため、市況や相場価格を注視しながら売り時を検討することが大切です。場合によっては、マンション価格が高い内に売却するというのも一案になってくるでしょう。
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ここまでワンルームマンションの市況感や売り時について解説してきましたが、こうした「一般論」だけでなく「マンションが実際にいくらで売れるか」がわからなければ売却の判断はできません。本格的に売却を検討している方は、次のステップで売却価格や手残りを予測してみましょう。
まずは、ワンルームマンションの売却相場を確認しましょう。
相場を確認するときの注意点は、地域や物件種別が同じ相場価格を見ることです。たとえば、地域は同じであっても、自己居住用のマンション相場と投資用マンションの相場は異なります。
不動産流通機構などで毎月発表されるマンションの平均価格は、すべてのマンションの平均であり、専有面積の平均は60㎡台です。実需の物件も多く含まれていることから、ワンルームマンションの相場を確認する際には投資物件やマンション専門の情報メディアなどを活用しましょう。
マンションナビの「売却相場自動計算システム」は、マンション名を入力するだけで売却価格相場が確認できます。売却相場に加えて、売買価格の推移や販売価格履歴も無料でチェックできるため活用してみましょう。
自分で確認できる相場は、あくまで参考値にすぎません。市況は常に変動しており、一室一室、リフォーム状況や収益性なども異なることから、正確な売値を把握するには不動産会社に査定を依頼する必要があります。
また、マンションの売り方によっても価格は大きく変わってきます。売却に時間と手間がかけられて、なおかつ個人の投資家でも融資がおりる物件なら仲介で売却できますが、早く売りたいと考えている場合や担保評価が低い物件は不動産会社に買い取ってもらうのが適切かもしれません。
売り方の提案も含め、複数社の査定額を比較し、最も好条件で売れる方法と不動産会社を見つけましょう。マンションの査定依頼には、マンション専門の一括査定「マンションナビ」をご活用ください。
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査定額がわかったら、手元に残る資金をシミュレーションしてみましょう。
たとえばマンションが2,000万円で売れた場合、手元に2,000万円残るわけではありません。ローン残債があれば完済する必要があり、マンションの売却には諸費用も必要です。
ローン残債は、次の方法で確認できます。
マンションの売却にかかる諸費用の目安は、売値の4%程度です。2,000万円でマンションが売れたとすれば、80万円前後の諸費用がかかります。諸費用の内訳は以下のとおりです。
譲渡所得(≒売却益)が出た場合は別途、譲渡所得税が課されます。
アベノミクスや黒田バズーカといった政策が開始した2013年頃から、ほぼ一貫して高騰し続けています。とはいえ、エリアによっても市況は異なります。詳しくは『ワンルームマンションの売却相場』をご覧ください。
売却益が出た場合、税率はマンションを所有していた期間によって異なります。所有期間5年を境に税率が大きく変わってきますので注意が必要です。詳細やその他の注意点は『ワンルームマンション売却時の注意点』をご覧ください。
査定額がローン残債を上回っているときや入居率が高く収益が安定しているタイミングなどが挙げられますが、今後も高い収益性と資産性に期待できるのであればこの限りではありません。詳しくは『ワンルームマンションのおすすめ売却タイミング』をご覧ください。
ワンルームマンションの価格は高騰傾向にあります。その要因と考えられるのは、以下3つの点です。
上記要因は、一過性のものである可能性も否めません。とくに金利については、今後上がっていく可能性が高いといえるでしょう。
適切な売り時を判断するには、まずは査定額を知り、信頼できる不動産会社を見つける必要があります。このときには1社のみの見解を鵜呑みにするのではなく、必ず複数社を比較するようにしましょう。ワンルームマンションの査定には、6社に一括で査定依頼できるマンションナビをご活用ください。
不動産投資ブームの中で成功するための秘訣は、「不動産投資家の6割は普通の会社員。成功する人・失敗する人の共通点が判明」でも詳しく解説しています。
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大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
え?そんなに高く売れたの!?
今売ったらいくら?