譲渡所得税とは?計算方法や支払うタイミングを解説!

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「譲渡所得税」とは、マンションなどの不動産を売却した際の利益に対して課される税金です。譲渡所得税の税率は、最大39.63%。100万円の譲渡所得が出れば、最大約40万円が課される計算です。

マンションを売却する際には、かかる税金に対して「なんて高額なんだ」と嘆くだけでなく、損しないためにも、自分がどのようなものを支払っているのかを把握しておくことが大切です。本記事では、譲渡所得税の計算方法や支払うタイミングについて解説します。

目次

譲渡所得税とは

マンションを売却にかかる税金とは?
マンションを売却にかかる税金・譲渡所得税について紹介します。

マンションを売却する際に発生する利益。この利益は資産の所有権を他人に譲渡して得ているため、「譲渡所得」といいます。

ここで注意しなければならないのは「譲渡所得」には税金がかかるということです

その税金のことを一般的に譲渡所得税と呼びますが、その内容は所得税と住民税です。
全体のおおよそ15%が所得税で、5%が住民税と覚えておくとよいでしょう。

所得税とは個人の一年間の所得に対してかかる税金のことです。

そして住民税は地域社会のために納める税金で、これは住んでいる地域と所得によって金額が変動します。したがって、譲渡所得税はどのくらい譲渡所得を得たかで金額が変わってきます。

ただし、マンションなどの不動産の売却で得た譲渡所得については、給与所得など他の所得とは分けて計算する「分離課税」が適用されます。

マンションを売却する際にかかる税金は、譲渡所得税以外にも「印紙税」や「登録免許税」などが存在しますが、節税対策においては「譲渡所得税」が特に重要です。

譲渡所得税の計算方法

せっかくマンションを高額で売却できても、多額の譲渡所得税を支払わなければならないのは悲しいですよね。

しかし、譲渡所得税の納税は免れることのできないものです。

そこで、実際に支払うタイミングになってから「こんなに高額納税しないといけないのか」とあわててしまわないよう、事前にどれくらい必要になるのかを把握できるようにしておきましょう。

また、譲渡所得税は不動産の所有期間によっても金額が変わるので、譲渡所得税が下がるタイミングも知っておくべきポイントです。

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譲渡所得の計算方法

譲渡所得を算出するには、マンションを売却した際の金額である「収入金額」、過去にそのマンションを購入した際にかかった費用である「所得費」、そのマンションを売却した際にかかった費用である「譲渡費用」の3つが必要です。

譲渡所得税の金額は下記のように算出します。

譲渡所得税の計算式

譲渡所得税の計算式

譲渡所得税 = 譲渡所得金額 × 税率

譲渡所得税は、譲渡所得金額に税率をかけて求めます。税率について後に紹介していきますが、ここで、譲渡所得金額について説明します。

譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用

譲渡所得金額とは、譲渡収入金額(売ったときの値段)から売ったときにかかった費用(譲渡費用)とマンションを買った時にかかった費用(取得費用)を引いて計算します。

取得費の計算式は次の通りです。

取得費の計算式

取得費=不動産の取得費用+取得にかかった経費-減価償却費相当額

減価償却とは、マンションなどの資産が、経年ごとに減少していく資産価値を費用計上する手続きのことをいいます。

たとえば、5,000万円で購入したマンションは、会計上ずっと5,000万円の価値を保つことはありません。そこで「減価償却」という考え方を用いて、経年による価値の低下分を加味するのです。減価償却費相当額の算出方法は、以下の通りです。

減価償却費の計算式

減価償却費(定額法)=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

償却率は、次の通りです。

建物構造非事業用事業用
木造0.0310.046
木骨モルタル造0.0340.050
金属造(骨格材の肉厚4mm超)0.0200.030
金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)0.0250.038
金属造(骨格材の肉厚3mm以下)0.0360.053
鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造0.0150.022
(引用:国税庁

つまり、マンションの売却時に売り上がった金額が譲渡所得ではありません。

さらに譲渡所得税は、上記で説明した譲渡所得金額に税率をかけることで求められます。譲渡所得金額にかかる税金は、マンションの売却タイミングで変わりますので、詳しく説明していきます。

譲渡所得税の計算はマンションの売却のタイミングで変わる

譲渡所得税は、譲渡する不動産の所有期間によっても変動します

所有していた期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」5年超であれば「長期譲渡所得」となり、かかってくる税率が大幅に変わるので、不動産の売却のタイミングの見極めは重要です。

ただし、所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年が経過しているかどうかで計算します。そのため、購入して5年目の不動産は「短期譲渡所得」となることに注意しましょう。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率の違い

前述の通り、譲渡所得税の税率は「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」で大きく異なります。

短期譲渡所得であれば譲渡所得×39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)、長期譲渡所得であれば譲渡所得×20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が譲渡所得税の税率です。

今すぐに譲渡しなければならないという条件がない限り、「長期譲渡所得」として売却した方が、税率が半分近くにまで下がるため税金を抑えられます

さらに、所有期間10年を超えたマイホームの売却では、軽減税率の特例が適用となります。

所有期間5年以下所有期間5年超所有期間10年超
自己居住用物件の税率39.63%20.315%①課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%
②課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%
上記以外の税率39.63%20.315%20.315%

購入から5年目くらいのタイミングでの売却を考えているのであれば、もう1年売却の時期を遅らせてみても良いかもしれません。逆に、5年を超えると譲渡所得税の税率は変わらないため、市況を見て、より譲渡所得=利益が大きくなるタイミングでの売却をおすすめします。

マイホームの売却で使える「3000万円特別控除」とは?

譲渡所得税の税率は、最大39.63%と非常に高いものです。しかし、マイホームの売却においては、上記で挙げた軽減税率の特例とともに「3000万円特別控除」が使えます。

同特例は、譲渡所得を最大3,000万円まで控除できるもの。そこまで多額な譲渡所得が出ることは稀なため、マイホームの売却では多くの場合、譲渡所得税を非課税とできます。

同特例の主な適用要件は、次のとおりです。

  • 自分が住んでいる建物または建物とともに敷地や借地権を売却する
  • 以前に住んでいた住宅の場合、住まなくなった日から3年目が経過する日が属する年の12月31日までに売却する
  • 住宅を売却した年の前年と前々年に3,000万円特別控除や「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていない
  • 売却した年やその前年、前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていない
  • 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でない

【ケース別】譲渡所得税のシミュレーション

ここからは、所有期間6年のマンションを売却したケース、所有期間12年のマンションを売却したケース、2つのケースの譲渡所得税を計算してみます。

ケース1.所有期間6年自己居住用マンションを売却した場合

モデルケース
  • 所有期間6年
  • 譲渡収入金額(売却金額):2,000万円
  • 譲渡費用(売却時にかかった費用):80万円
  • 購入金額:1,500万円
  • 購入時にかかった費用:100万円
  • 構造:鉄骨鉄筋コンクリート
  • 3,000万円特別控除の要件:満たす
STEP
減価償却費相当額を算出
減価償却費の計算式(再掲)

減価償却費(定額法)=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

このマンションは鉄骨鉄筋コンクリート造のため、償却率は「0.015」です。計算式に当てはめると、減価償却費相当額が算出できます。

1,500万円×0.9×0.015×6=121.5万円

STEP
取得費を算出
取得費の計算式(再掲)

取得費=不動産の取得費用+取得にかかった経費-減価償却費相当額

減価償却費相当額が算出できたところで、続いて取得費を算出します。

1,500万円+100万円−121.5万円=1478.5万円

STEP
譲渡所得を算出
譲渡所得の計算式(再掲)

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用

続いて、譲渡所得を算出します。

2,000万円-80万円-1478.5万円=601.5万円

STEP
譲渡所得税を算出

譲渡所得が「601.5万円」と算出できましたが、このマンション売却は3,000万円特別控除の要件を満たしているため譲渡所得はゼロに。課税額もゼロとなります。

ちなみに、3,000万円特別控除が適用にならなかった場合は、譲渡所得に所有期間6年のマンションを売却したときの税率20.315%をかけて譲渡所得税を算出します。

601.5万円×20.315%=122.19万円

ケース2.所有期間12年自己居住用マンションを売却した場合

モデルケース
  • 所有期間12年
  • 譲渡収入金額(売却金額):17,000万円
  • 譲渡費用(売却時にかかった費用):680万円
  • 購入金額:12,000万円
  • 購入時にかかった費用:720万円
  • 構造:鉄骨鉄筋コンクリート
  • 3,000万円特別控除の要件:満たす
STEP
減価償却費相当額を算出
減価償却費の計算式(再掲)

減価償却費(定額法)=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

このマンションは鉄骨鉄筋コンクリート造のため、償却率は「0.015」です。計算式に当てはめると、減価償却費相当額が算出できます。

12,000万円×0.9×0.015×12=1,296万円

STEP
取得費を算出
取得費の計算式(再掲)

取得費=不動産の取得費用+取得にかかった経費-減価償却費相当額

減価償却費相当額が算出できたところで、続いて取得費を算出します。

12,000万円+720万円−1,296万円=11,424万円

STEP
譲渡所得を算出
譲渡所得の計算式(再掲)

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用

続いて、譲渡所得を算出します。

17,000万円-680万円-11,424万円=4,896万円

STEP
譲渡所得税を算出

譲渡所得が「4,896万円」と算出できましたが、このマンション売却は3,000万円特別控除の要件を満たしているため3,000万円が控除されます。

4,896万円-3,000万円=1,896万円

3,000万円を控除してもなお譲渡所得が残っているため、所有期間10年超の軽減税率で税額を算出します。

1,896万円×14.21%=269.42万円

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譲渡所得税を支払うタイミング

「譲渡所得税」といっても、中身は「所得税」と「住民税」。そのため、これらの2つの税金を支払うタイミングは別々なので注意が必要です。

譲渡所得税(所得税)を支払うタイミング

所得税はマンションを売却した翌年の2月から3月の間に確定申告をして納税します。

銀行口座から直接振り込みを行う「振替納税」という方法を選ぶと、4月中旬に自動引き落としがされるので、自分で納税するよりも支払い期間に猶予があります。

譲渡所得税(住民税)を支払うタイミング

住民税は売却した翌年の6月(確定申告から3〜4ヶ月後)には支払いが必要になります。6月、8月、10月、1月の4回に分けての納税となります。

一括で納税もできますし、手続きをすれば給料からの天引きも可能です。

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 譲渡所得税についてよくある質問

①譲渡所得税の申告手続きはどうするの?

不動産を売却した翌年に確定申告をします。なお、譲渡所得が発生しなかった場合、確定申告は必須ではありません。ただし、控除特例を適用させる場合には確定申告が求められます。

②税務上の居住期間・所有期間・建築年数とはどの期間を指すの?

居住期間は、入居日から転居日までの日数。所有期間は、売却した年の1月1日時点の不動産の所有期間。建築年数は、登記簿上の建築年月日からの年数を指します。

所有期間による譲渡所得税率の違いは?

売却した年の1月1日時点の所有期間が5年以下の場合は「39.63%」。5年超の場合は「20.315%」となります。なお、所有期間10年超のマイホームで一定の要件を満たすものは、軽減税率の得税が適用となります。

譲渡所得税の計算まとめ

まとめ
  • マンションを売却した時には「譲渡所得税」がかかる
  • 譲渡所得税とは「所得税」と「住民税」
  • 所有期間が5年以上だと「長期譲渡所得」となり、税率が下がる
  • 所有期間10年を超えたマイホームの売却では、さらに軽減税率の特例と3000万円特別控除が適用され、多くの場合譲渡所得税が非課税となる
  • 所得税と住民税とでは支払うタイミングが違うので注意が必要

マンションの売却は大きな利益も生み出しますが、その分納税しなくてはならない金額も大きくなります。

なるべく損の無いように不動産を売却するためにも、譲渡所得についての仕組みや、節税の方法は理解しておきたいところですよね。

ただ、計算間違いや計上漏れなどのリスクを考えると、マンションを売却する時は信頼できる不動産会社や税理士のサポートを受ける方が確実でしょう。マンションの売却で信頼できる不動産会社を探すには、マンションナビをご活用ください。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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