買い替え・住み替えを検討する際のメリット・デメリットとは？購入と売却の優先順位を解説！

不動産を買い替える、もしくは住み替える際に持っている不動産を先に売却するか、新しく住む不動産を先に購入するか、どちらを先にすれば良いのか迷う方は多いでしょう。売却と購入、どちらを先にしておく方が良いのでしょうか。先に売却するにも、購入するにも、どちらにもメリットとデメリットがあります。どのようなメリットやデメリットがあるのかを紹介していきます。

買い替え・住み替えとは？どちらを優先すべきか

不動産の「買い替え」と「住み替え」は一見似ていますが、実は異なる概念です。

買い換え	現在の不動産を売却し、新たな不動産を購入すること。所有権の移転を伴う
住み替え	居住する場所を変更すること。必ずしも所有権の変更を伴わない（賃貸から賃貸への移動など）

どちらを選ぶかは、個人の状況や目的によって大きく異なります。資金状況、ライフステージ、将来計画、そして不動産市場の動向などが主な判断材料として挙げられるでしょう。たとえば、子育て世帯で持ち家志向が強い場合は買い替えを検討するケースが多く見受けられます。他方で単身者や若年層で、ライフスタイルの変化に柔軟に対応したい場合は、住み替えを選択するケースが多くなります。

購入を先にするか？売却を先にするか？

購入と売却の優先順位を決める際のポイントは以下の通りです。

自分の状況に合わせて、以下のメリット・デメリットを考慮し判断しましょう。

購入を先にする場合のメリット

購入を先に行うことで、時間的な余裕が生まれ、理想の物件を逃さずに手に入れられる可能性が高まります。具体的なメリットを見ていきましょう。

メリット①スムーズな住み替えが可能になる

新居を先に購入することで、住み替えの流れがよりスムーズになります。現在の住居に住みながら、新居への引っ越しの準備を余裕を持って進められます。たとえば、新居のリフォームや内装の変更、必要な家具の購入など、時間をかけて計画的に進めることができるでしょう。

また、引っ越し業者の手配も早めに行えるため、繁忙期を避けて割安な料金で依頼できる可能性も高まります。さらに、仮住まいの必要がないため、二度の引っ越しによる手間や費用を節約できます。このように、購入を先に行うことで、ストレスの少ない効率的な住み替えを実現できるはずです。

メリット②新居選びにじっくり時間をかけられる

購入を先に行うことで、新居選びに十分な時間をかけることができます。これは、長期的な満足度を高める上で非常に重要です。気に入った物件があれば、じっくりと検討し、何度も内見を行うことができるでしょう。また、周辺環境や将来の開発計画なども詳しく調査する時間的余裕が生まれます。

さらに、複数の物件を比較検討することで、より自分たちのニーズに合った最適な選択ができるかもしれません。このように、焦らずに新居を選ぶことで、後悔のない住宅購入が可能になるだけでなく、長期的な生活の質の向上にもつながるでしょう。

購入が先のデメリット

一方で、購入を先に行う場合には以下のようなデメリットも考えられます。

デメリット①売却がスムーズに進まないリスク

新居を購入した後、既存の物件の売却が思ったように進まないリスクがあります。不動産市場の状況によっては、売却に予想以上の時間がかかるケースも少なくありません。たとえば、買主が見つからない場合や、希望価格での売却が難しい場合などが考えられます。

また、急ぐあまり、市場価格を大きく下回る金額で売却せざるを得なくなるケースもあるでしょう。このような状況に陥ると、新居購入のための資金計画に狂いが生じ、財政的な困難に直面する恐れがあります。購入を先行させる場合は、既存物件の売却可能性や市場価値を事前にしっかりと調査しておくことが大切です。

デメリット②二重ローンのリスク

新居を購入した後、既存の住宅ローンが残っている場合、二重ローンの状態に陥るリスクがあります。これは、家計に大きな負担をかける恐れがあります。たとえば、月々の返済額が大幅に増加し、生活費を圧迫するケースなどが考えられるでしょう。また、長期間二重ローンの状態が続くと、他の借入れ（車のローンや教育ローンなど）が困難になる可能性もあります。

このリスクを軽減するためには、既存の住宅の売却見込みをしっかりと評価し、必要に応じて一時的なブリッジローンの利用を検討するなどの対策が必要です。また、新居購入前に、最悪のケースを想定した資金計画を立てておくことも重要です。

売却を先にする場合のメリット・デメリット

売却を先に進める場合、資金繰りがスムーズになり、余裕を持った購入ができるという大きな利点があります。具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

売却を先にする場合のメリット

メリット①資金計画が立てやすくなる

売却を先に行うことで、手元に確実な資金が入るため、資金計画が立てやすくなります。これにより、新居購入時のローン金額を抑えることができ、月々の返済負担を軽減できる可能性が高まるでしょう。また、頭金として大きな金額を用意できることから、金利面でも有利な条件でローンを組める可能性があるほか、売却金額が確定すれば予算の見通しが明確になり、将来の家計計画が立てやすくなります。

メリット②予算に合わせた現実的な物件探しができる

売却金額が確定することで、新居購入の予算を明確に設定できます。これにより、自分たちの経済状況に合った現実的な物件探しが行えるほか、予算内で最大限の条件を満たす物件を見つけやすくなるでしょう。予算オーバーの物件に惹かれて無理な購入を検討するリスクも避け、長期的に安定した生活を送るための適切な選択を心掛けることが大切です。

売却が先のデメリット

一方で、売却を先に行う場合には以下のようなデメリットも考えられます。

デメリット①仮住まいの費用が発生する

売却後、次の住居が決まっていない場合、一時的な仮住まいが必要になることも少なくありません。この場合、賃貸住宅やウィークリーマンションなどの費用が発生し、予想外の出費となる恐れがあります。たとえば、月額10万円の賃貸住宅に3ヶ月住む場合、30万円の追加費用が必要になってしまうでしょう。さらに、引っ越し費用も2回分かかることになり、経済的な負担が増加します。また、仮住まいでの生活は不便を伴う可能性もあり、精神的なストレスにもなり得ることから、仮住まいの期間や費用を最小限に抑えるための慎重な計画が必要となります。

デメリット②焦って物件を購入してしまうリスクがある

売却後に新居を探す場合、時間的なプレッシャーから焦って物件を購入してしまうリスクがあります。十分な検討や比較ができないまま決断を下すと、あとで後悔することになるかもしれません。たとえば、立地や間取り、設備などの重要な要素を見落としたり、市場価格よりも高い金額で購入してしまったりする恐れがあります。また、急いで決めることで、将来のライフスタイルの変化に対応できない物件を選んでしまうリスクもあるでしょう。このような後悔を避けるためにも、売却前から新居の候補を絞り込んでおくなど、計画的な準備が大切です。

まとめ

住み替え時に不動産売却を先にするのか、購入を先にするのかは、人それぞれの状況によって最適な選択が異なります。新居購入のための資金を十分にまとめられるのであれば、先に不動産購入を検討するのもよいでしょう。一方、資金面での余裕がなく、計画的に進めたい場合は売却を先に行うのが適しているかもしれません。

重要なのは、自身の財務状況、ライフスタイル、将来の計画などを総合的に考慮し、慎重に判断することです。必要に応じて不動産の専門家やファイナンシャルプランナーにも相談し、最適な選択をすることをおすすめします。自身の状況に応じて最適な方法を選び、理想の住まいでの新生活をスムーズにスタートさせましょう。