中古マンションの相場を知る方法｜売却価格の目安と調べ方を徹底解説

中古マンションの売却や購入を検討する際、適正な価格で取引を行うためには相場の把握が欠かせません。

本記事では、中古マンションの相場を効率的に調べる方法と、相場を知ることで得られるメリットについて詳しく解説します。

中古マンションの相場を知ることの重要性

中古マンションを売却・購入するにあたり、相場価格を知っておくことは大変重要です。

相場を知っていると、不動産会社との交渉や売却戦略を立てるときにも役立ちます。

また、近隣エリアの価格動向を把握することで、納得のいく取引を進めるための判断材料になります。

中古マンション相場の調べ方

不動産情報サイトでの比較

中古マンションの相場を知るもう一つの有効な方法は、SUUMOやHOME’Sといった不動産情報サイトでの比較です。これらのサイトでは、現在販売中の物件の価格を簡単に調べることができ、同じエリアや条件の物件と比較することで市場の動向をつかむことができます。

例えば、売却を考えているマンションのあるエリアにおいて、同じような築年数や間取り、階数の物件を検索すれば、類似物件が現在いくらで販売されているのかを確認できます。

この「販売価格」は、成約前の価格であるため実際の成約価格とは異なるものの、購入希望者が目にする価格帯として重要な目安となります。

不動産情報サイトで相場を調べる際は、「築年数」「間取り」「広さ」などの条件をできるだけ自分の物件と合わせることがポイントです。条件を揃えることで、価格帯が自分の物件に近いかどうかの目安をつかみやすくなります。

また、検索結果には過去の取引価格や市場動向を反映したグラフが表示されることもあるため、現在の市場トレンドを視覚的に理解することも可能です。

このように、不動産情報サイトを活用することで、エリアごとの中古マンションの価格帯を把握でき、売却時の価格設定や購入希望価格の参考になります。

不動産会社に無料査定を依頼する

中古マンションの売却を検討する際、最も具体的で信頼できる価格の目安を得る方法の一つが、不動産会社に無料査定を依頼することです。不動産会社の査定では、プロの視点から物件の特徴を細かく評価し、実際の売却価格に近い査定額を提示してもらえます。

無料査定では、物件の立地や築年数、間取りといった基本的な情報に加え、建物の状態や周辺環境、同エリアの過去の取引実績なども反映されるため、より精度の高い相場価格が算出されます。不動産会社の査定では、特に以下のような点が考慮されます。

物件の立地条件	交通アクセスや周辺の生活利便性が評価に影響します。
建物の状態	築年数のほか、リフォームの有無や設備の状態も価格に反映されます。
市場動向	近隣エリアの過去の取引実績や最近の市場の需要と供給バランスを考慮して査定します。

無料査定は通常、1社だけでなく複数の不動産会社に依頼するのが効果的です。複数の査定結果を比較することで、各社が提示する価格のばらつきや傾向を確認でき、価格設定や売却戦略の参考にできます。また、異なる会社の意見を聞くことで、自分の物件が持つ強みや改善点も見つけやすくなります。

不動産会社の無料査定は、オンラインや電話で簡単に申し込めることが多く、忙しい人でも手軽に利用可能です。複数社からの査定を活用し、売却に向けた適正価格を把握し、計画的に売却活動を進めるための第一歩として役立てましょう。

レインズ・マーケット・インフォメーションの活用

中古マンションの相場を調べる際に非常に役立つのが、国土交通省が提供する「レインズ・マーケット・インフォメーション」（通称：レインズ）です。
このデータベースは、実際の取引価格をもとにエリアや物件の条件別に検索でき、信頼性の高い相場情報を入手できます。

しかし、レインズは不動産会社だけが登録、閲覧できるため、売主として直接レインズを閲覧する場合は不動産会社と専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶ必要があります。

レインズでは、近隣の似た条件の物件の過去の売買価格を調べられるため、売却を検討しているマンションの適正価格をより正確に把握できます。例えば、「東京都内」「築10年以内」「3LDK」といった条件で絞り込み検索をすることで、類似物件の価格帯がすぐにわかります。

また、レインズは他の情報サイトと異なり、実際の成約価格を提供しているため、他の不動産サイトの「販売価格」よりもリアルな価格情報として信頼できます。このデータをもとに、自分の物件がいくらで売れる可能性があるのか、または購入を検討している物件が相場と比較して妥当かどうかを判断する際にも役立つでしょう。

信頼できる不動産会社と媒介契約を結んだあとにはなりますが、適正な売出価格をつけるためにも是非参考にしてください。

中古マンション相場に影響を与える要因

中古マンションの相場は、さまざまな要因によって大きく変動します。
売却や購入を検討する際には、その点を理解することで、より適切な価格設定や購入判断が可能になります。
中古マンションの相場に特に影響を与える3つの主要な要因について、詳しく解説します。

エリアの特性

マンションの価格に最も大きな影響を与える要因の一つが「エリアの特性」です。
同じ間取りや広さの物件であっても、エリアによって相場は大きく異なります。
例えば、都心の主要エリアでは、交通の利便性や商業施設の充実度が評価され、相場は高めに設定される傾向があります。一方、郊外のエリアでは、広い間取りや自然環境が魅力ですが、都心に比べると価格は抑えられることが多いです。
さらに、エリアごとの需要と供給のバランスも価格に影響を与えます。
人気のエリアでは物件の競争率が高くなり、相場も上昇しやすい傾向があります。

築年数と物件の条件

物件の「築年数」も相場に大きく影響します。
一般的には、築年数が新しいほど価格が高くなる傾向がありますが、築年数が一定を超えると価格が安定しやすくなります。特に、築10年以内の物件は新築に近い状態とみなされ、人気が高いです。
また、リノベーション済みの物件や、設備が最新のものに更新されている物件は、築年数が古くても高値で取引されることがあります。逆に、修繕やメンテナンスが必要な物件は、価格が下がる要因となります。

周辺環境

物件の周辺環境も相場に大きく影響します。特に、以下のような点が重要視されます。

学区	特に人気のある学区内に位置するマンションは、ファミリー層の需要が高く、相場も高めになります。
交通アクセス	最寄り駅までの距離や、複数路線の利用が可能なエリアは、通勤・通学の利便性が高いため、価格が上昇する傾向があります。
商業施設や公共施設	ショッピングモールやスーパーマーケット、病院、公園といった生活利便施設が近くにある物件は、特に利便性を重視する購入者から高い評価を受けます。

これらの周辺環境要素は、購入者にとって日常生活の利便性や快適さに直結するため、物件の価格にも反映されやすいのです。

よくある質問

Q1. 相場価格と査定価格はどのように違うのですか？

相場価格とは、過去の取引実績や周辺の類似物件の販売価格をもとに算出される価格帯のことです。

一方、査定価格は、不動産会社が個別の物件の特徴（立地、築年数、間取り、設備など）や市場動向を考慮して算出する、売却の目安となる価格です。
相場価格は市場の一般的な価格を示すものであり、査定価格はその物件特有の条件を反映した、より具体的な金額です。

Q2. 売却価格は相場の何割程度が適正ですか？

売却価格の適正水準は、相場価格の95%～105%程度が一般的とされています。売却を急ぐ場合は相場価格より少し低めに設定することで、買い手の関心を集めやすくなります。

一方で、時間に余裕がある場合や物件の条件が良好である場合は、相場価格より高めに設定して交渉を進めることも可能です。

Q3. 相場が下がる前に売るべきですか？ 売却タイミングの見極め方は？

相場が下落傾向にある場合は、早めの売却が得策です。
不動産市場は景気や金利、地域の需要と供給などさまざまな要因に影響されます。
相場が下がる前に売却を完了させることで、より高い価格で取引ができる可能性が高まります。
下記のような季節ごとにも変動があるため、タイミングの見極めには不動産会社のアドバイスも合わせて、市場動向を定期的に確認しましょう。

需要が高まる時期（春・秋）：買い手が増えるため、売却価格の交渉が有利になりやすい。
閑散期（夏・冬）：競争相手が少ないため、目立ちやすいというメリットも。ただし、価格競争になる可能性も考慮が必要。

まとめ

中古マンションの売却を成功させるためには、相場価格を正確に把握し、これを基に戦略的な価格設定を行うことが大切です。また適切な売却タイミングや柔軟な価格調整の姿勢も、買主と良好に売買を進めるには重要になってくるでしょう。相場を味方に付けて、よりスムーズで満足度の高い取引を行いましょう。