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優良な不動産会社か見極めるためには、まず宅建業の「免許番号」に注目してみましょう。免許番号とは、国に認められて営業している不動産会社の証。この番号を見れば、不動産会社の成り立ちや歴史が読み解けるのです。
本記事では、不動産会社を選ぶ重要性とともに信頼できる不動産会社を見分ける方法について解説していきます。
マンションを売却する方法の1つとして、自身で買い主を探し、個人間で取引することもできます。しかし、そもそも買主探しには大掛かりな広告活動が必要であり、不動産取引には専門知識も求められます。このため、マンションの売却は不動産会社に仲介してもらうのが一般的です。
依頼する不動産会社を慎重に選ぶことで、マンション売却を有利に進めることができます。ここで言うところの「有利」とは、自分の理想通りの売却に近づくということ。高く売りたい場合は少しでも高く売れるように、早く売りたい場合はできる限り早く売れるように不動産会社を選ぶ必要があるのです。
有利に取引を進める前提となるのは、不動産会社に騙されないようにすることです。
たとえば、不動産会社の中には物件情報を他社に開示しない会社も見られます。これは「囲い込み」といわれる不動産業界の悪しき慣習です。
もちろん全ての不動産会社が物件情報を囲い込むわけではありませんが、売主だけでなく買主からも仲介手数料を受領するため、意図的に囲い込みをする不動産会社も少なからずあります。
マンションを売却する上では、不動産会社の選び方が極めて重要になってきます。信頼できる不動産会社を選ぶためにはどうすれば良いでしょうか?
それは、宅建業免許番号を確認することから始まります。宅建業免許番号は、不動産会社が宅地建物取引業の免許を受けたときに割り振られる番号。免許を取得した不動産会社を管理するためのID番号のようなものです。
この免許番号がないということは、無許可で営業している業者です。マンションの売却をお願いすることは絶対にしないように注意してください。
免許を受ける宅建業者の事業所が複数の都道府県にまたがっている場合は国土交通大臣が免許発行の主体となるので「国土交通大臣免許(10)○○号」と記載されます。
カッコ内の数字は免許の更新回数であり、数字が大きいほど歴史ある業者であることが分かります。免許更新は5年に一度です。よって、開業6年目の場合は(2)、11年目の場合は(3)になります。
ただし、1996年までは3年に1回の更新だったため、5回以上更新している不動産会社の免許番号を見るときは注意しましょう。
一方、事業所が一つの都道府県に収まっている場合は都道府県知事が免許発行の主体となるので「東京都知事免許(10)○○号」のように記載されます。
免許番号は、基本的に不動産会社の歴史の長さを表します。しかし、必ずしも不動産業務歴と同一というわけではないため注意が必要です。ケースごとに事例を見ていきましょう。
たとえば、千葉で宅地建物取引業の免許を受けた不動産会社が、売り上げも上がってきたので神奈川県でも不動産会社の事務所・店舗を出すことになったとします。
前述の通り、千葉県だけで不動産会社を営む場合は千葉県知事の免許ですが、他県でも不動産会社を営む場合は国土交通大臣の免許が必要です。つまり、この会社は、千葉県知事免許から国土交通大臣免許に切り替わることになります。
この不動産会社が国土交通大臣免許を受けると宅建免許番号は(1)に戻ってしまい、千葉県での業務歴は反映されません。
個人事業者として宅建業免許を受けている不動産会社があるとします。※不動産業は個人事業者としての登録も可能です。
この会社が個人事業者から法人化して宅地建物取引業の免許を受けた場合も免許証番号は(1)から再スタートとなります。
事例①の会社は、千葉県で不動産会社を経営していて、神奈川県に新しい事務所・店舗を出すことにしました。しかし、神奈川県では経営がうまくいかず、神奈川県の店舗を閉鎖して千葉県だけの経営に戻すことに。この場合は、国土交通大臣免許から千葉県知事免許となり、免許番号も(1)となってしまいます。つまり、これまで千葉県で経営を続けてきた実績も免許番号として引き継ぐことはできないのです。
事例①の会社が、神奈川県で立ち行かなくなったことで、千葉県での経営にも陰りが見えてきたとします。その際、事情により会社ごと売却することにしました。この会社の購入者は不動産業務歴はありません。
購入者は免許権者に役員変更届出のみを行うだけで、免許番号は再スタートになるわけではなく、そのまま千葉県自治免許の番号を引き継げます。
以上で免許証番号の()内の数字=不動産業務歴だけではないということがお分かりいただけたかと思います。ただし、不動産会社の免許番号なんて気にしなくても、悪いことをしている不動産会社はつぶれていくだろうという考え方は禁物です。
もちろん、不動産会社を取り締まるために、国土交通省も不動産会社に対して、指示処分や業務停止処分を出すことがあります。しかし、免許取消処分はそう簡単に出るものではないのです。免許が取り消されない限り、免許証番号は増え続けます。
免許番号の大きさは信頼度の判断基準の一つですが、誤った認識を持たないように注意しましょう。
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国土交通省の各地方整備局や各都道府県の担当課では、売却したいマンションの地域に登録されている宅建業者を閲覧することができます。ここで知ることができる情報は、以下の通りです。
なお、国土交通省の検索システムを利用すると、オンラインで宅建業者の情報を閲覧できます。
たとえば「東京都」「本店」で検索すると以下のように表示されます。
検索結果から不動産会社を選択すると、以下のようになります。
最も注視する点は、やはり「行政処分履歴」でしょう。行政処分を受けたことがある不動産会社は避けるべきです。なお、行政処分履歴は「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」で検索できます。
このシステムを使うと、過去5年分の行政処分履歴を確認できますが、2022年現在、検索してみると2つの業者がヒットします。
こうしてみると、行政処分まで受ける宅建業者は少ないことが分かります。
とはいえ、現在でも事業を行なっている業者もいるため、万が一これらの業者と関わる際は、行政処分の内容を確認のうえ、現在は処分された問題は解消されているのかなど確認するようにすると良いでしょう。
Web上の情報だけで判断するのではなく、宅建業者の住所を頼りに事務所を訪ね、会社の雰囲気や担当者との相性を確認することもおすすめします。
同じ不動産会社でも、物件の種類によって得手不得手がありますので、事務所にある物件情報などを参考にすると、その業者の雰囲気をつかむことができます。
何はともあれ、一つの業者に飛び込んで依頼することは避けましょう。何カ所も実際に訪れて雰囲気をつかみ、相性の良さそうなところと仲介契約を結ぶのが大切。宅建業免許番号は、その出発点となる重要なものなのです。
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ここまでで、マンションを売却する際には不動産会社選びが重要であることや、不動産会社の選び方として宅建免許番号が参考になるということをお判りいただけましたでしょうか。ここからは宅建免許番号以外で、信頼できる不動産会社の選び方について紹介していきます。
マンションを売却するには、それを買ってくれる相手を探し、契約や引渡し時に様々な手続きをサポートしてくれる不動産仲介会社の存在が非常に重要です。
マンション等の不動産・住まいは大切な資産ですから、なるべく高く、納得できる売却活動にしたいと誰もが考えます。ただし、不動産会社にはそれぞれ専門領域がありますから、それを把握したうえで選択しなければなりません。
では、不動産会社の専門領域とは、どういうものがあるのでしょうか?
たとえば、賃貸を主に扱っている会社があります。こうしたところに頼んでもマンションの買い手を見つけるのはなかなか難しいでしょう。こうした例と同じように、中古マンションの売却を、新築分譲マンションに特化した不動産会社や、土地から企画開発を手がける会社に頼むのは買い手のニーズとは合致しません。
中には、扱う顧客のほとんどが法人という会社もいます。頼むところを間違えるとスムーズにいかないことが多くなります。
このように、不動産会社は会社ごとに専門領域が異なります。不動産の流通の始めに位置するのは開発・分譲を担う、いわゆるディベロッパーと呼ばれる不動産会社です。さらに、その物件の販売を専門に担う販売代理店と呼ばれる不動産会社もあります。これらは大抵は大手の不動産会社が担っています。
そうした物件とは別に、個人を中心とした物件の仲介を行う媒介業者という不動産会社もあります。さらに引き渡された物件の管理を専門とする不動産会社も存在します。
このように、ひと口に不動産会社と言っても、その売買の流れの中でどの部分を担うかにより業態も違ってくるのです。
個人のマンション等の不動産売買契約を結ぶのは、媒介業者と呼ばれる不動産会社です。こうした媒介業者が、売主の希望に添った買い主を探してくるわけです。信頼できる業者ならば、より希望に近い金額で買主を見つけてきてくれるでしょう。
ところが、すべての媒介業者が、決して売主の希望に添ってくれるわけではありません。契約形態にもよりますが、一般媒介契約した場合にはあまり積極的に動いてくれないケースがあります。
複数の業者に売却を依頼できる一般媒介契約だと、他の不動産会社が先に買主を見つける可能性があり、そうなると不動産会社は、マンションの売買において唯一の収益である仲介手数料を受け取れないからです。
不動産会社の中には、物上げ業者と呼ばれる業者も存在します。物上げ業者とは、不動産を自社で仕入れて開発し、販売する業者のことです。マンションでいえば、中古マンションを買い上げてリフォームやリノベーションを実施して、再販する業者だと考えるとよいでしょう。
通常、マンションの売却は、不動産会社に個人の買主を見つけて貰うことで売買が成立します。一方、物上げ業者の場合は、不動産会社が直接マンションを買い取ります。このため、条件さえまとまればすぐに売買契約に進むことができ、また多くの場合は現金で買い取ってくれるため、短期間でお金を受け取ることが可能です。
ただし、物上げ業者も再販して利益を上げる必要があるため、相場より1~3割程度安い価格での買取となるのが一般的です。
不動産会社にも、さまざまな種類があることをお伝えしました。まずは、これらの不動産会社の中で、自分のマンションのタイプや、売却方針に合った不動産会社を見つけるようにしましょう。
そして、最後は親身になってくれる会社を見つけることが大切です。なお、こちらの希望に複数の業者が答える一括査定というサービスもあります。一括査定なら、希望に近い業者を選定できますし、その中からいくつかに絞って直接話を聞くこともできます。本当に信頼できる会社や担当者を効率よく見つけることができるといえるでしょう。
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大抵の不動産会社は、自社に仲介を一任してもらえる専任媒介契約をお願いしてきます。このとき、会社のことをあまり知らないうちに契約してしまうと大変な目に合うことがあります。契約が決まらず経過報告も芳しくなかったので、知り合いに聞いてみると、自社物件には強いがマンション売却には実績が乏しい会社だったなんてことが実際にあるものです。
たとえ、大手だから、名前が有名だからといっても、専門性が違っては元も子もありません。かえって、小さい不動産会社のほうが売主のニーズに合致してフットワークも軽いという場合もあります。
不動産を売却する時は、何より下調べが大切です。今はインターネットでその会社のことを簡単に調べられます。
下調べでは、これまでの実績を重点的に調べることがポイントです。手掛けてきた物件の傾向を探れば、その会社の得手・不得手も浮かび上がってきます。
そして、一社だけでなく、なるべく複数社を調べて比較・検討ことも非常に大切です。それにより、それぞれの特徴がより明確になります。情報を持っておけば、その後発生するやり取りでも優位に立って交渉できます。
マンションを売却する上では、不動産会社選びが最も重要となります。今回は、宅建免許番号から不動産会社を選ぶ方法について紹介しました。しかし、実際に会って、話をしてみないと信頼できる不動産会社かどうかはわかりません。
そのため、マンションを売却する際は複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。マンションナビでは、ご利用者様からのレビュー評価が低いなど、悪質な不動産会社を排除し、厳選した不動産会社を紹介しております。ぜひご利用ください。
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地方銀行勤務後、住宅会社へ転職。住宅会社では注文住宅や建売住宅の販売を担当し、営業部長として従事。それらの経験を活かし、住宅や不動産、金融を中心としたWebライターとして活動を始め2018年より独立。多数のメディアでコンテンツ作成に取り組んでいる。
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