居住用・投資用問わずマンションの売却・購入を考えている方にとって、タイミングを判断するのに重要なのが、現在のマンション売却相場と推移の傾向でしょう。
そこで、本記事では不動産会社が売却物件データを登録するレインズ(不動産流通標準情報システム)のデータと当社独自データを基に、大阪府各エリアのマンション売却相場について具体的に解説します。

大阪府マンション市場の最新動向
マンションの売却相場は「現時点の価格」だけが分かれば良いというものではありません。全体の動向や時系列での変化、エリアごとの傾向について大まかに把握することで、売買のタイミングやマンション購入のエリア選定にも役立ちます。
そこで、まずは大阪府のマンションについて、現在の動向や傾向について解説します。
成約件数×単価から見る大阪府マンション市場の動向
大阪府の中古マンション市場は、上昇幅を広げながら価格上昇が続くとともに、成約件数もおおむね安定して伸び続けています。
| 年 | レインズ成約件数(件) | レインズ成約平米単価(万円/平米) | マンションナビ平均売買平米単価(万円/平米) |
|---|---|---|---|
| 2016 | 8,230 | 31.44 | 30.07 |
| 2017 | 8,451 | 32.59 | 32.54 |
| 2018 | 8,810 | 34.67 | 34.18 |
| 2019 | 9,030 | 36.51 | 36.22 |
| 2020 | 8,512 | 36.71 | 38.21 |
| 2021 | 9,019 | 39.41 | 39.98 |
| 2022 | 9,084 | 42.50 | 41.68 |
| 2023 | 8,961 | 45.92 | 43.30 |
| 2024 | 9,619 | 49.71 | 45.42 |
過去9年間でレインズ成約平米単価は31.44万円/平米から49.71万円/平米へ約1.58倍に上昇、マンションナビ単価も45.42万円/平米と9年間で約1.5倍となり、9年連続で価格上昇が続いています。
また、2023年を除き成約件数もおおむね安定して増え続けており、市場の底堅さを示しているといえるでしょう。
9年間の傾向から見る大阪府マンション市場の動向

(2025年11月時点)(すみかうる)
※平均売買平米価格とはマンションナビの売買価格相場を基に算出
続いて、近年の推移についても見てみましょう。
上の図は、先ほどの表をグラフで表したものです。
レインズデータの成約平米単価は、2022年にマンションナビデータの平均売買平米単価を上回って以来、年々その価格差が広がっています。
このことから可能性として考えられるのが、「マンションナビを介する間もなく決まっている高単価物件が増えている」「投資目的のプロ投資家や業者間での高額物件の取引が平均単価を押し上げている」の2点です。
いずれにしろ、好条件の希少物件のプレミアム化が進んでいる市場環境といえます。
上位・下位5区から見る大阪市のマンション市場の動向
続いて、上位・下位5区の平米単価について見てみましょう。
| 順位 | 上位5区 | 平米単価(万円) | 下位5区 | 平米単価(万円) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市北区 | 105 | 大阪市東淀川区 | 39 |
| 2 | 大阪市中央区 | 89 | 大阪市旭区 | 37 |
| 3 | 大阪市西区 | 79 | 大阪市生野区 | 33 |
| 4 | 大阪市福島区 | 78 | 大阪市平野区 | 31 |
| 5 | 大阪市天王寺区 | 72 | 大阪市住之江区 | 30 |
大阪府内平米単価の上位5区が価格帯の水準を上げ続け、下位5区と上位5区では2倍弱〜3倍以上もの価格差が付いています。
しかし、下位5区でも堅調に価格水準を挙げており、府内全域でマンション価格の底上げが続いています。
大阪府マンション価格の上昇要因
大阪市全域でマンション価格が上昇を続けている背景には、以下の3つの要因が挙げられます。
- 金利動向:長期金利の上昇局面にあるものの、実質金利は依然として低水準。住宅ローン需要を支えている。
- 人口動態:単身・DINKS世帯の増加により、市内中心部および駅近物件へのニーズが継続。
- 再開発・交通網の拡充:梅田・難波エリアの大規模再開発が進む一方、なにわ筋線の開業や大阪メトロ中央線延伸などで大阪南部をはじめとした府内のアクセスが向上し、今後の資産価値向上が期待される。
大阪エリアは2025年に開催された大阪・関西万博や、着工が始まった統合型リゾート(IR)開発プロジェクト、2045年開業予定のリニア中央新幹線大阪延伸※に向けて、うめきたプロジェクトに代表されるような再開発や整備が府内各所で続けられてきました。
※財政投融資を活用し最大8年間の前倒しが決定(参考:大阪市リニア中央新幹線・北陸新幹線の早期全線開業の実現に向けて)
大阪府マンション市場は成約価格の上昇・市内中心部の高値安定を背景に、大阪万博のレガシー効果や今後のうめきた2期開業などにより、今後も資産価値向上への強い期待から価格上昇が続くと見込まれます。
大阪市の地域別マンション売却相場
大阪府全体におけるマンション売却の現状の次は、マンションナビ独自のデータから大阪市内各区のマンション売買価格相場について見てみましょう。
ここでは、3年前からの上昇率の高い順に各区をランキング化しています。
| 順位 | 区名 | 平均売買価格(万円) | 平均平米単価 | 平均築年数(年) | 3年前からの上昇率(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市北区 | 7,159〜7,559 | 102.3〜108.0 | 2002 | 54.5 |
| 2 | 大阪市中央区 | 6,015〜6,415 | 86.0〜91.7 | 2001 | 41.4 |
| 3 | 大阪市西区 | 5,299〜5,699 | 75.7〜81.5 | 1999 | 36.0 |
| 4 | 大阪市福島区 | 5,227〜5,627 | 74.7〜80.4 | 2001 | 28.1 |
| 5 | 大阪市天王寺区 | 4,840〜5,240 | 69.2〜74.9 | 1998 | 27.6 |
| 6 | 大阪市阿倍野区 | 4,053〜4,353 | 57.9〜62.2 | 1997 | 20.0 |
| 7 | 大阪市浪速区 | 4,827〜5,227 | 69.0〜74.7 | 2005 | 19.0 |
| 8 | 大阪市生野区 | 2,230〜2,430 | 31.9〜34.8 | 1988 | 17.9 |
| 9 | 大阪市西成区 | 2,636〜2,836 | 37.7〜40.6 | 1991 | 17.3 |
| 10 | 大阪市鶴見区 | 2,876〜3,176 | 41.1〜45.4 | 1994 | 16.1 |
| 11 | 大阪市東成区 | 3,876〜4,176 | 55.4〜59.7 | 2000 | 15.2 |
| 12 | 大阪市都島区 | 3,513〜3,813 | 50.2〜54.5 | 1995 | 13.6 |
| 13 | 大阪市港区 | 3,343〜3,643 | 47.8〜52.1 | 1997 | 12.5 |
| 14 | 大阪市東住吉区 | 2,733〜2,933 | 39.1〜41.9 | 1994 | 12.5 |
| 15 | 大阪市住之江区 | 1,980〜2,180 | 28.3〜31.2 | 1990 | 11.0 |
| 16 | 大阪市大正区 | 2,815〜3,015 | 40.3〜43.1 | 1994 | 9.4 |
| 17 | 大阪市此花区 | 2,741〜2,941 | 39.0〜42.1 | 2001 | 9.2 |
| 18 | 大阪市淀川区 | 2,940〜3,240 | 42.0〜46.3 | 1990 | 9.0 |
| 19 | 大阪市住吉区 | 2,705〜2,905 | 38.7〜41.5 | 1993 | 8.8 |
| 20 | 大阪市東淀川区 | 2,621〜2,821 | 37.5〜40.3 | 1990 | 8.6 |
| 21 | 大阪市城東区 | 2,968〜3,268 | 42.4〜46.7 | 1991 | 8.2 |
| 22 | 大阪市西淀川区 | 2,696〜2,896 | 38.6〜41.4 | 1995 | 6.6 |
| 23 | 大阪市旭区 | 2,466〜2,666 | 35.2〜38.1 | 1987 | 4.7 |
| 24 | 大阪市平野区 | 2,091〜2,291 | 29.9〜32.8 | 1992 | 2.9 |
※2025年12月時点
大阪市内の平均売買価格は最も高い大阪市北区で7,000万円台、最も低い大阪市住之江区で2,000万円前後と3倍以上の差がついています。
同様に上昇率にも大きな差があり、最も高い大阪市北区では3年前から50%を超える高い水準なのに対し、最も低い大阪市平野区では3%弱です。
データからは、同じ大阪市内でも大きな開きがあることが見て取れます。
ただし程度に差こそあれ、すべての区で価格は上昇しており市内全域での需要の高さを示しています。

マンション価格への影響が高い注目駅をピックアップ
大阪府内すべてのエリアでマンション価格は上昇傾向にあるものの、上昇率には大きな違いがあることが分かります。
次に、大阪市内の平均売買価格の上昇率が高かった区を中心に、注目駅をピックアップしてご紹介します。
【大阪市北区】大阪駅・梅田駅周辺エリア
言わずと知れた大阪の玄関口であり、中心地でもある大阪駅・梅田駅は、マンション価格上昇率1位(3年前比+54.5%)となった大阪市北区の中心駅です。
地下鉄やJRを中心とした交通網に加え、高層ビルや商業施設が集積した大阪駅・梅田駅周辺エリアでは、旧梅田貨物駅跡地を活用した大規模再開発「うめきたプロジェクト」が行われてきました。
先行開発区域として2013年に開業した大規模複合商業施設「グランフロント大阪」では、ショップやレストランだけでなく水と緑の憩い空間である「うめきた広場」が周辺住民や観光客を惹き付けています。
また、現在進行中の第2期「グラングリーン大阪」では、すでに大阪駅地下ホームやホテル・商業施設が入る北館が開業し、2027(令和9)年度の全体まちびらきに向けて工事が進んでいます。

現在もビジネス・観光・ショッピングの中枢でありながら、一層「世界都市としての大阪の中核」を意識した街づくりが進む大阪駅・梅田駅周辺は、今後も居住・投資どちらの観点からも注目のエリアです。
【大阪市中央区・西区】本町駅周辺エリア
御堂筋線、中央線、四つ橋線の3線が乗り入れる本町駅は、官庁街・ビジネス街として有名です。
区境にほど近く、周辺エリアはマンション価格上昇率2位(3年前比+41.4%)となった大阪市中央区、3位(3年前比+36%)の大阪市西区双方にまたがっています。
ビジネス街ゆえの利便性の高さと落ち着いた雰囲気を持ちながら、3線利用可能かつ繁華街である梅田や難波に電車1本でいける交通アクセスの良さから、近年はマンション購入の人気エリアにもなっています。
また、現在期待が寄せられているのが2031年開業予定の「なにわ筋線」です。
本町駅にほど近い「西本町」駅が新設予定で、市内南北方面のアクセス強化により、エリア一帯の交通利便性が向上する見込みです。
参考元:
ライフルホームズ|大阪市「本町駅」周辺の住みやすさは?住民が街の魅力を紹介
ダイヤモンド不動産研究所|大阪市の「新築マンション人気ランキング」本町、南森町、阿倍野、北浜、谷町、梅田など、注目エリアのおすすめ物件は?
船場経済新聞|阿波座の「なにわ筋線」新駅 着工から半年、住民から地域発展に期待の声も
【大阪市福島区】福島駅周辺エリア
マンション価格上昇率4位(3年前比+28.1%)となった大阪市福島区の中心駅にあたるのが福島駅です。
福島駅周辺は、JR・阪神本線の3駅利用可かつ大阪駅・梅田駅まで徒歩圏内という利便性の高さの割に、下町の雰囲気が残っており生活しやすい点からも人気が高いエリアです。
駅周辺には地上45階建ての高級タワーマンション「大阪福島タワー」などをはじめとした分譲マンションも多く、生活利便施設もそろった福島駅周辺はうめきたプロジェクトの影響の波及から今後も注目が集まります。
参考元:土地価格相場が分かる土地代データ|大阪市福島区基準地価
三井のリハウス|大阪福島タワー
【大阪市天王寺区】大阪上本町駅周辺エリア
マンション価格上昇率5位(3年前比27.6%)となったのが、「あべのハルカス」で知られる天王寺区です。
中心駅である天王寺駅周辺は、梅田駅・難波駅に続く「大阪第3のターミナル駅」として40年以上にわたり再開発が続けられ、天王寺区全体の街としての価値と魅力を上げ続けてきました。
この天王寺区で、現在注目されているのが「大阪上本町駅」周辺エリアです。
2030年以降に、近鉄グループによる「総額1300億円超の再開発構想」が報じられたためです。
再開発では、近鉄百貨店の建替えやシェラトン都ホテル大阪の刷新など周辺一帯の再開発が行われます。
周辺エリアでは、旧ゆうちょ銀行大阪貯金事務センター跡地のタワーマンション計画をはじめとした新築マンション建設も進んでおり、今後のマンション価格上昇が期待されます。
参考元:
楽待|40年かけた再開発で2000億円の赤字、それでも天王寺が「住みたい街」として選ばれる理由、1300億円の再開発が進む「近鉄の聖地」上本町、タワマン続々建設で激変するか
日本経済新聞|近鉄GHD、創業地の大阪上本町を再開発 1300億円超で2030年以降
近鉄グループホールディングス株式会社|新「近鉄グループ経営計画」
【大阪市浪速区】難波駅・なんば駅周辺エリア
上位5区からは外れたものの、マンション価格上昇率7位(3年前比+19%)に入る難波駅周辺も、今後マンション価格への影響があると見込まれる注目のエリアです。
もともと複数路線が乗り入れるターミナル駅として大阪市内はもちろん府南部や関西各地へのアクセス良好な難波駅ですが、2031年開通予定のなにわ筋線で利便性のさらなる向上が期待されます。
なにわ筋線の開通後を視野に入れ、2050年の実現に向けて、南海グループが推進してきたのが、なんば駅周辺一帯の約80haを開発するプロジェクト「グレーターなんば構想」です。
「出かける」場所としての価値向上を「くらす」場所としての価値向上につなげ、定住人口の増加を図ることを目的とした同構想の下で開発が進む難波駅周辺は、住環境と資産価値の両面でさらなるポテンシャルを秘めています。
参考元:南海電気鉄道株式会社|南海グループ経営ビジョン2027、ニュース記事
楽待|大阪における大規模プロジェクト
【守口市】守口市・守口駅周辺エリア
大阪市以外のエリアで注目したいのが、守口市・守口駅周辺エリアです。
マンションナビデータによると守口市の売買価格相場は2,715万円〜2,915万円、平米単価38.8〜41.7万円、3年前比+15.3%と大阪府区内と比較し比較的高い上昇率となっています。
また、国土交通省の令和7年地価公示では、守口市の地価は約5%プラスと前年より大きく上昇しています。
そのため国土交通省では、守口市・門真市などの京阪沿線の利便性良好な地域は割安感から地価上昇が見られると述べています。
価格上昇が続く大阪市内、特に中心部から隣接区への地価上昇の波及が見られており、守口市の地価上昇も同様の影響と考えられます。
守口市の中心である守口市・守口駅周辺は、京阪本線と谷町線のダブルアクセスが可能な利便性と周辺に必要な店舗・施設がそろう住みやすさから、今後もマンション価格が上昇する可能性が高いエリアです。
体験談から見る「早く」「高く」売れるマンションの傾向
「すみかうる」に寄せられたマンション売却体験談を見ると、平均より早く・高く売れる物件には以下のような特徴がありました。
- 人気のエリア
- 築浅(~築10年以内)
- ブランド・タワーマンション
- 居住用でも投資用でも需要が高い好立地
例えば以下のケースでは、都心プレミアムエリアの築15年のブランドマンションが売り出しからわずか数日で、しかも購入時よりも高く売却できています。

しかし、このような条件がそろっていなくても、戦略や物件を高く評価してくれた不動産会社の販売活動により平均より早く・高く売れているケースも見られます。
300万円以上差がつくことも!?
査定は比較することが重要!
最短わずか60秒の無料一括査定で、あなたのマンションを高く評価してくれる不動産会社にまとめて査定依頼。


データから見る「高く売れやすいマンション」の条件
体験談の次は、データから客観的に高く売れやすいマンションの条件について見てみましょう。
条件1:駅徒歩10分以内

築年数別の平均成約価格を見てみると、2014年・2024年とも「駅徒歩10分以内」の価格が全体平均を上回っており、「高く売れる」条件の一つの目安です。
駅距離別価格差の比較※全体の平均価格を1とした場合
| 交通条件 | 2014年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 徒歩5分以内 | 1.16 | 1.23 |
| 6~10分以内 | 1.04 | 0.99 |
| 11~20分以内 | 0.86 | 0.75 |
| 21分以上 | 0.64 | 0.42 |
| バス便 | 0.65 | 0.48 |
特に、駅徒歩5分以内の物件は平均価格より1〜2割強高く売れているのに対し、駅徒歩20分を超えると平均価格の半分程度と価格が大きく下がっています。
さらに、2014年と2024年では徒歩5分以内とそれ以外の価格差が大きくなっており、駅近物件のプレミアム化が進んでいるといえるでしょう。

駅からの所要時間別の成約件数の割合から見ても、駅徒歩10分以内の物件の成約割合が高く、「駅近人気」が全体の平均価格を大きく押し上げています。
条件2:築10年以内

築年数別の平均成約価格を見てみると、2014では築15年以内、2014では築25年以内の価格が全体平均を上回っています。
築年数別価格差の比較※全体の平均価格を1とした場合
| 築年数 | 2014年 | 2024年 |
|---|---|---|
| ~5年 | 1.82 | 1.86 |
| 6~10年 | 1.56 | 1.74 |
| 11~15年 | 1.26 | 1.49 |
| 16~20年 | 0.90 | 1.28 |
| 21~25年 | 0.73 | 1.05 |
| 26~30年 | 0.69 | 0.75 |
| 31~35年 | 0.65 | 0.57 |
| 36年~ | 0.49 | 0.50 |
そのなかでも、「築10年以内」の物件が2014年では1.5倍以上、2024年では1.7倍以上も平均価格を上回っており、「高く売れる」条件といってよいでしょう。
ただし、2024年では2014年と比較して平均価格を上回る築年数帯が広がっており、築年数が経っていても高く売れやすい傾向です。
さらに細かく見てみると、築11〜15年くらいまでは確実に全体平均より高く売れており、築16〜20年では2017年以降は全体平均より高く売れています。
駅徒歩10分以内×築10年以内で平均の2倍高く売れる?!可能性
2024年のデータより、「駅徒歩10分以内」で平均より約10%、「築10年以内」で平均より約18%高く売れるという結果が分かりました。
そこから考えると、2つの条件がそろった「駅徒歩10分以内×築10年以内」の物件は単純計算で「平均の約2倍高く売れる」可能性があるといえます。
もちろんデータのなかには重複した物件も混ざっている上にエリアによっても偏りがあるため、必ずしも2倍で売れるとは限りません。
しかし、いずれ売却することを踏まえたマンション購入を考えるなら、データを参考に物件を検討してみてはどうでしょうか。
また、所有するマンションが高く売れる条件に当てはまる人は、一度査定してみるのがおすすめです。
\ マンション売却の一括査定はこちら /
自分のマンションの売却相場は?気になったら査定してみよう
売却価格の傾向を掴んでも、実際に自分のマンションがどのくらいで売却できるかを知るためには直接査定を行うのが近道です。
しかし、はっきり売却すると決まっていないうちにいきなり一括査定を行うのはハードルが高いかもしれません。
マンションナビでは、2億9,000万件超のマンション事例をもとにすぐに相場がわかる「中古マンションAI査定シミュレーション」が利用できます。


マンション名を入れるだけで、すぐに簡易査定の結果が算出されます。例えば「新宿区、築23年、100平米」のこのマンションでは、21,190〜21,590万円という結果が出てきました。
価格を参考に、気になったら無料査定に進むかどうか選べるため気軽に試してみてはどうでしょうか。
\あなたのマンションの簡易査定シミュレーション結果は?/
大阪府でマンションを高く売るための実践的なコツ
自分が売却を考えている物件が、前述の「早く・高く売れるマンション」に当てはまっている方ばかりとは限りません。また、当てはまっていたとしても、なるべく高額で売却できるに越したことはないでしょう。
そこで次に、マンションを少しでも高く売るためのポイントについて解説します。
売却のベストタイミングを見極める
マンションを売却する際、時期に制約がなければ需要が高い「売れやすい時期」に売却すると「なかなか売れずに値下げする」ことを防ぎやすくなります。
一般的にマンションの需要が高いのは転勤・進学などの環境変化が起こりやすい2月~4月、次いで9月・10月ですが、レインズの成約データから見ると意外にも6月・7月も成約件数が多くなっています。
また、注意したいのが「売却までには平均3か月以上かかる」という点です。
したがって、実際には11月・6月あたりに売り出しを開始できるように動く必要があります。
ただし、ほかの時期が著しく成約件数が少ないというわけではないため、「タイミングを合わせられれば合わせる」くらいで考えておくとよいでしょう。
相場に基づいた売り出し価格を設定する
なるべくマンションを高く売るためには、「高額すぎて内見につながらないことを避けつつも、投げ売りにならない」程度の適正な価格設定をする必要があります。
適切な価格設定の参考になるのは、マンションの近隣エリアの売買価格相場のデータです。相場を基に、自分の物件の条件や売却を目標とする時期によって金額を調整していきましょう。売却期間に余裕があるなら、最初は価格を高めに設定してみるのもよいでしょう。
ただし極端に価格を高くすると内覧数が減り、長期化して逆効果になる可能性もあるため最大1割程度がおすすめです。
複数社査定のメリットを活用する
不動産価格はおおむねその物件の需要や条件に基づいて決まっているものですが、不動産会社によって大きく差が出るケースがあります。
売却相場を正しく知るために有効なのが、複数社にまとめて依頼できる「一括査定」です。
不動産は1つ1つ異なるため、一般の売主が相場を正しく把握するのは難しいでしょう。また、同様に売却に適したタイミングを掴むのも大変です。一括査定を利用することで、大体の相場と時間経過による推移を手軽に知ることが可能です。
実際に「すむかうる」を利用してマンションを購入された方たちも、体験談で一括査定によって「数百万円高く売却できた」「売却に適したタイミングを知れた」と話されています。

大阪府でのマンション売却時に注意するポイント
続いて、マンション売却を決めた場合に注意すべき点についても知っておきましょう。
住宅ローン残債と売却価格の関係
築年数が浅いほど売却価格が高くなりやすいとはいえ、価格以外にも考慮しなければならない点があります。
特に比較的築年数が浅いマンションの場合に注意すべきなのが「ローンの残債」です。売却価格で住宅ローンを完済できる「アンダーローン」ならば問題はありません。
しかし、残債が多く売却価格を上回る「オーバーローン」の場合には、売却代金と残債の差額を自己資金で補填して抵当権を抹消しないと実質売却が難しくなってしまいます。
住宅ローン残債を一括返済できない場合には、「住み替えローン」の利用を検討する必要があるでしょう。


税金(譲渡所得税・住民税)の確認
マンション売却で、忘れてはならないのが売却益に対してかかる税金です。
売却益に対してかかる譲渡所得税は所有期間によって異なり、所有5年超なら「長期譲渡所得」として税率約20%、5年以下は「短期譲渡所得」として約39%が課税されます。
実際には売却金額から購入時の取得費と譲渡に要した費用を引いて、さらに居住用物件なら3,000万円特別控除などの特例も利用できるため、売却益すべてに対して課税されるわけではありません。
しかし、売却金額が高額になりやすいマンションの売却は、翌年の税金への備えも考慮しておく必要があります。

媒介契約の選び方(専任媒介 vs 一般媒介)
マンションを売却する際には不動産会社に依頼しますが、契約形態には大きく分けて「一般」と「専任」の2種類があります。
専任媒介はその名の通り依頼できるのは1社のみですが、一般媒介では複数の不動産会社に依頼が可能です。
一般媒介の場合、多くの会社に営業活動を行ってもらえる反面、自社で成約できるとは限らないため専任と比較して注力の度合いが下がりやすくなります。
その点専任媒介は自社で決まる可能性が高いため営業に力を入れてもらえる可能性が高くなりますが、その会社や担当者の営業力に大きく左右されます。
それぞれメリット・デメリットがありますが、一般媒介の場合には売れやすい物件に力を入れやすいため、マイナス条件があるような物件は専任媒介にするのも一つの方法です。

大阪府のマンション売却に関するよくある質問(FAQ)
最後に、大阪府のマンション売却で気になる質問について簡単にまとめました。
大阪府のマンション売却価格の相場は今後どうなる?
上昇傾向が続く大阪府のマンション売却価格ですが、建設コストの上昇や大阪都心部への集中傾向から、今後も大阪市内を中心に上昇が続くと予想されます。
また、億超えが当たり前となり、すでに暴騰レベルに達している首都圏から、投資需要がこれまで以上に移動し、価格相場を押し上げることも考えられます。
ただし、すでに市内都心部を中心にかなり高騰しているため、上昇幅は高止まりする可能性もあるでしょう。
また、府内エリア間での格差が大きくなっており、価格高騰が周辺地域の穴場エリアに拡大すると考えられます。
大阪市内上位区(北区・中央区・福島区・西区・天王寺区・浪速区)のマンション価格が高い理由は?
大阪24区のうち、北区・中央区・福島区・西区・天王寺区・浪速区の6区は再開発や商業施設の集積により人口や交通のハブの役割を果たす「都心6区」として位置づけられ、マンション価格上位を独占しています。
なかでも天王寺区などは「住みたい」「住み続けたい」街ランキングでも上位に入る高い人気があるほか、本町や梅田周辺などでは、立地そのものの「ブランド価値」も上昇しています。
参考:SUUMO|関西の住み続けたい街、1位は天王寺区 大阪府と兵庫県の街が厚い支持
大東建託株式会社|街の住みここち&住みたい街ランキング2025<大阪府版>ランキング発表
大阪府でマンションを売却するなら早い方が良い?
築年数が経つほど価格の低下が起こりやすいため、一般的に売却するなら早い方が良いと言われます。
前述のレインズのデータからも、築10年・25年を境として、それぞれ価格の下落幅が大きくなっているのが分かります。
しかし、大阪府のマンション価格は上昇が続くと考えられているのに加え、築30年前後から下落幅も緩やかになってきます。
そのため、下落幅の大きい築25年程度までの物件は早めの売却を検討するとよいでしょう。
大阪府で築30年以上の古いマンションは売れない?
新築マンションの価格高騰が続いていることもあり、築30年以上のいわゆる「築古」マンションの成約数は上昇傾向です。
前述のレインズデータによると、2024年に成約したマンションのうち、築30年を超える物件は38.5%と4割近くの割合を占めています。

類似物件の売却価格の相場を知る方法は?
売り出し価格は不動産情報ポータルサイトでも知ることができますが、以下のサイトでは実際に成約した物件の情報を調べられます。
レインズマーケットインフォメーション

国土交通省 不動産情報ライブラリ

まとめ
大阪府のマンション売却相場は全域で上昇傾向にあり、最も高いエリアではわずか3年間で50%を超える上昇率を示しています。
マンションの売却相場は上昇を続けると今後も予想されますが、所有するマンションのエリアだけでなく周辺エリアの動向や経済状況にも影響を受けます。
また、一般的に築年数が経過するにつれてマンションの売却価格は下がっていくため、売却を遅らせたほうが高く売れるとは限りません。
そのため、市況や周辺エリアの動向とあわせて定期的に自分のマンションの売却相場をチェックし、高く売却できるタイミングを見つけることが重要です。
マンションナビのAI査定、一括査定を相場の把握に役立て、満足いくマンション売却を実現しましょう。
-300x173.png)
メディアの皆様へ
本記事の転載・引用は出典明記(必須:メディア名・対象記事URL)の上、ご利用をお願いいたします。
記事の執筆依頼、その他お問い合わせはこちらまで→media@mansionresearch.co.jp










