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REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/11/10

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    賃貸がよいか購入がよいかの論争は良く行われますが、どちらの言い分も相応の理由があり決着はつきません。よって、自ら判断するしかないのです。

    ただし、決断には情報が必要です。

    まず構造はRC造でしょうか? 正しく維持管理されている物件であれば、25年はそれほど気にする築年数ではありません。ただし、詳細を確認して見なければ判断できませんが時期的には2回めの大規模修繕が行われた、もしくは行う予定をしている時期でしょうか。築年数が経過するほど大規模修繕時の補修箇所が増加して、それに伴い費用が増加する傾向があります。さらに資材高騰の煽りもありますから、不足した積立金を補う目的で引き上げられる可能性はあります。

    しかし、国土交通省が令和6年6月に、適切な修繕積立金の確保を目的とした「段階増額積立方式における適切な引上げの考え方」について、「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の中で、段階増額積立方式における月あたりの徴収金額を、均等積立方式とした場合の月あたりの金額を基準額とした場合に、計画の初期額は基準額の0.6倍以上、計画の最終額は基準額の1.1倍以内とするとしたこともあり、無分別に上昇する可能性は低いでしょう、

    一般的な管理規約では、修繕積立金の値上げは、委任状や議決権行使書を含めた総会出席者の1/2以上の賛成で可決される「普通決議」とされていますので、実際の値上げは難しいものではありません。したがって、相談者様が危惧されているように、今後増額される可能性は十分にあるでしょう。

    しかし、適切な修繕計画がマンションの価値を維持する要であることは理解しておく必要があります。

    賃貸の場合、初期費用を抑えられることや、修繕費用がかからないことなどがメリットとして挙げられます。しかし、家賃は常に発生し、自分のものにならないというデメリットもあるのです。管理組合の運営状況や、過去の修繕履歴などを確認することで、建物の将来的な維持管理状況をある程度把握できますし、月5万円の管理費と修繕積立金に加え、住宅ローンの返済額も考慮し、経済状況がどの程度許容できるのかをシミュレーションできます。

    そのうえで家族にとって、賃貸がよいか購入がよいかを検討されると良いでしょう。

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