不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/01/05

    迷えるひつじ

    • 30代
    • 千葉県
    • 女性
    • 一般ユーザー

    株式会社サワキタ不動産
    佐脇 孝明様 
    H.L.C不動産コンサルティング
    奥林 洋樹様

    「定借マンションって買っても大丈夫ですか?」とご相談させていただいた者です。お礼をお伝えしたく、回答フォームに送らせていただきました。この度は、詳しくそしてわかりやすく教えてくださりありがとうございました。今まで定借マンションは検討していませんでしたが、選択肢のひとつとして今後チェックしていこうと思います!

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/27

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    定借マンションにおけるメリットには以下のようなものがあります。

    ◯初期費用を抑えられる:土地を購入しないので登録免許税などの経費が安くなります。

    ◯固定資産税の負担が小さい:土地の固定資産税は地主が負担するため、購入者側の固定資産税は建物のみとなります。

    ◯選択肢が広がる:土地の売却を伴わないので好立地に存在していることも多く、かつ購入しやすい価格で提供されているなど選択肢が広がる。

    これに対して以下のようなデメリットがあります。

    ◯地代の支払い:一概に言えませんが、少なくとも土地の固定資産税相当となる地代の支払いが必要となります。

    ◯売却が難しい:定期借地権の契約期間は50年以上とされていますが、残期間が短くなるほど再販が困難になります。また、建物が利用可能であっても原則として定期借地権は更新されず(新たに契約を締結することは可能です)更地にしたうえで返却が必要な点にも注意が必要です。

    もっとも、一般の分譲マンションであっても、土地全体に対して専有面積で按分された持ち分を有しているだけです。したがって、単独で土地を所有している戸建てとは違い、自由に利用できません。

    そのように考えれば、好立地で購入しやすい価格の定借マンションが売り出されている場合、定期借地権の残期間などに注意したうえで選択肢の一つとするのもありでしょう。

    相談者様は賃貸と変わらないと指摘されていましたが、賃貸と定借マンションの大きな違いは建物を所有しているから否かです。賃貸の場合は室内を、自分好みにリフォームすることはできませんが、定借マンションであれば可能です。

    一般分譲、定借、賃貸いずれもメリットとデメリットが存在します。それらを総合的に勘案し、ご自身のライフスタイルや経済状況に合わせて選択されると良いでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/26

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    マンションは大抵の場合、鉄筋コンクリート造(RC造)なので、耐用年数が47年と決められています。これは税法務上の数字でしかなく、実際に住めなくなるような期間ではありません。現在の技術では100年もつコンクリートも開発されていますので、耐用年数を10年20年超えても適切なメンテナンスさえされていれば、十分住めます。
    定期借地契約は、50年以上とされています。物件によりこの期間は長かったり短かったりしますので、一概に定期借地権付きマンションがだめだとかいいとか言えません。
    というのも、定期借地契約はその設定した期間の終了時には更地で返還する契約になりますので、せっかく建物が100年もつ技術で作られてしても、契約年数が60年であった場合には60年未満(更地にしなければなりませんので)しか住めません。
    また、その間の地代も発生します。それを考えると、果たして、とお悩みになることもわかります。
    ですが、仮に購入した場合であっても、固定資産税、都市計画税はかかってきます。この税金、国から土地を借りている地代に相当すると考えると、どうでしょうか。支払う先が違うだけです。借地権の場合、マンション購入者は建物部分だけの税負担で済みます。

    割高・割安よりももっと大きな問題を見過ごされています。
    不動産は土地部分と建物部分に分かれます。建物は時間経過で劣化しますので、価格は下落していきます。いわゆる減価償却です。一方、土地は減価しません。つまり、時間が経過すると、マンションの価値は土地値に向かい低下していくという傾向が見られます。言い方を変えると土地値以下には下がりにくいのです。これが自動車の場合、土地値のような下支えがありませんので、最終的にはゼロ、もしくは廃車費用を請求されるという状態になります。
    定借マンションはこの自動車の場合と似たような動きをします。つまり最終的には資産として残りません。建物もなく土地も返さなくてはいけませんので、ゼロになります。買取型のマンションや戸建て住宅はそのようなことはありません。ですから、定借マンションは、賃貸と買取型不動産の中間的な位置づけとなります。
    では、定借マンションが買取型のマンションと比べて有利になるのはどういう場合でしょうか。上物はほぼ同じですから違いは土地の扱いですね。しかも、定借期間が終わる何十年も先です。例えば定借期間が70年であった場合、そのマンションが建つ土地はどうなっているでしょうか。発展しているのか、さびれてしまっているのか、確定的なことは誰にも言えません。地方のさびれてしまった町のようになってしまうのでしたら、土地の資産価値はほぼなくなっているでしょうから、定借マンションの方が有利ですね。逆に東京23区内のしかも駅前であれば、そのような状況は70年先でも考えにくい、という判断であれば定借マンションではなく、買取型の普通のマンションを買われた方が有利でしょう。
    ですから、その町が今後どうなるのか、行政は町の発展をどうとらえているのか、などマンションの周辺を調べてみる必要があります。道路一本できるだけで様子はだいぶ変わります。都市計画は数十年単位の仕事ですので、時間軸も同じぐらいです。一度調べてみることをお勧めします。

以下の記事もよく読まれています

無料で不動産の相談をする