不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/05/10

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    管理組合の法人化にメリットは多数ありますが、デメリットも存在します。そのため、メリットばかりを強調し、安易に法人化するのはお勧めできません。

    まず、メリットは以下のようなものです。

    ◯理事長の負担軽減:管理組合名義での契約や登記、銀行口座開設、訴訟の当事者になるなどが容易になる。そのため、理事長個人のリスクが減る。

    ◯継続性の担保:理事の交代などで問題が生じても、法人としての契約主体は継続する。

    ◯財産管理の明確化:管理費や修繕積立金などを「法人名義」で管理が可能となる。そのため、透明性が高まる可能性がある。

    ◯信用向上:建設会社、金融機関、行政等とやり取りしやすくなる可能性が高まる。

    これに対し、最大のデメリットは「法人登記事務の手間と経費の増加」が挙げられます。

    具体的には、法人登記費用、法人としての会計処理、決算書類の作成(税理士が必要になる場合も)などが発生する。また、理事長が交代するたびに登記手続きが必要となるので、通常の管理組合に比べて運営コストが増える。

    法人化により、管理組合の活動や収支に対する透明性の確保には期待をもてますが、反面、コストは増加します。それにより、管理費が増加する可能性も高まるため、嫌う購入検討者もいるでしょう。

    理事会主導で法人化を進める場合は、「なぜ法人化が必要か」、「費用対効果はどうか」、「買主・所有者への影響はどうか」といった丁寧な情報開示と議論が不可欠です。その点について、相談者様が声を上げれば良いのではないでしょうか。

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