不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/08

    これは、私は担当者の「古い物件ではよくあることですよ」という説明だけで進めるのは、
    かなり危ないと思います。

    境界確認書がないこと自体は、古い戸建てでは珍しいことではありません。
    ですが、
    「境界が確定していないこと」と「境界について何も確認しなくていいこと」は全く別です。
    今回のように、担当者自身がブロック塀が境界なのか「おそらく」としか答えられないなら、
    私は契約を急がない方がいいと考えます。

    結論から言うと、私ならこの状態では、いったん契約を止めて確認します。

    「境界確認書がない」というだけなら、古い戸建てでは実際によくあります。

    ただし、今回気になるのはそこではありません。

    庭の奥にあるブロック塀が本当の境界なのかどうかについて、
    担当者が「おそらく」としか答えられていないことです。

    ここはかなり違います。

    不動産の売買では、境界が明確になっているか、どこが隣地との境なのか、
    越境物がないかなどは、購入後のトラブルにつながりやすいところです。

    しかも今回は土地付き戸建てですから、建物だけ気に入っていればいい話ではありません。

    例えば購入後に、「実はブロック塀が隣地側に入っていた」「庭の一部が隣地だった」
    「隣の家の配管や屋根、庇などがこちら側に越境していた」
    「逆にこちらのブロック塀や建物が隣地へ越境していた」ということが分かれば、
    将来的に売却するときにも問題になる可能性があります。

    特に怖いのは、購入時には何も問題が起きなくても、
    次に売るときに買主から「境界はどうなっていますか」と聞かれることです。

    そのとき自分が売主になって、今度は自分が説明する側になります。

    ですから、私は「古い物件だから仕方ない」で終わらせる話ではないと思います。

    まず確認したいのは、境界確認書があるかないかだけではありません。

    法務局の公図、地積測量図、登記簿上の土地面積、過去の測量資料などを確認して、
    現地のブロック塀やフェンスがどの位置にあるのかを照らし合わせます。

    そして、隣地との境界について売主側がどこまで確認しているのかを聞きます。

    もし地積測量図が古く、現地との関係もはっきりしないのであれば、
    話はさらに慎重にした方がいいです。

    売主に「契約前に境界を確定してほしい」とお願いすること自体は問題ありません。

    ただし、売主には必ず境界を確定させなければならないという話でもありません。

    売主が「現況のままで売ります」とすることもあります。

    そこで大切なのが、
    「境界を確定してくれなければ絶対に買えない」と最初から決めることではなく、
    境界が不明確な状態で購入するなら、そのリスクを自分が理解して受け入れられるかどうかです。

    私なら、担当者に次のことを具体的に確認します。

    「ブロック塀の中心が境界なのか、どちら側が境界なのか」「境界標は現地にあるのか」
    「地積測量図はあるのか」「隣地所有者との境界について過去に話し合った記録があるのか」
    「越境物はないのか」「売主は境界について隣地所有者と確認する意思があるのか」
    「契約書には境界についてどのように記載されるのか」ここまで聞いてみてください。

    そして、回答が全部「たぶん」「おそらく」「古い物件なのでよくあります」なのであれば、
    私はかなり慎重になります。

    逆に、「境界標はここです」「地積測量図と現地はこのように対応しています」
    「ブロック塀は境界上にあります」
    「越境についてはこの部分にあり、売主と隣地所有者との間でこういう確認書があります」
    というところまで具体的に説明できるのであれば、境界確認書そのものがなくても、
    検討できるケースはあります。

    ここは「境界確認書があるかないか」だけで判断しないことです。

    それよりも、実際の境界がどこなのかを、
    資料と現地で確認できる状態なのかが重要です。

    また、購入後に建て替えや増築を考えているのであれば、
    なおさら確認しておいた方がいいです。

    土地の面積や境界が曖昧なままでは、将来的な建築計画にも影響する可能性があります。

    そして、私が一番気になるのは、担当者の対応です。

    「境界確認書がない」ということを説明すること自体は問題ありません。

    でも、買主から「ブロック塀は境界ですか」と聞かれて「おそらく」で終わらせるのは、
    私は営業として良い対応とは思いません。

    分からないなら、「今の資料では確定できません。確認します」でいいんです。

    不動産は、分からないことを分からないまま「たぶん大丈夫」で進めるのが一番危険です。

    ですから、今回については、物件自体を気に入っているのであれば、
    いきなり見送る必要はないと思います。

    まず契約前に、売主側と仲介会社に境界についてきちんと確認してもらう。

    その回答と資料を見て、自分たちが納得できる状態になれば進める。

    それでも「おそらく境界はここです」「現況で買ってください」というだけなら、
    私は見送る選択を強くおすすめします。

    3ヶ月かけてようやく見つけた物件とのことなので、手放したくない気持ちはよく分かります。

    ただ、不動産は「気に入ったから買う」だけではなく、
    「分からない部分を分からないまま買わない」ことも非常に大切です。

    特に境界は、買った後に隣地所有者と揉めてから解決しようとすると、自分が当事者になります。

    契約前なら「確認してほしい」と売主にお願いできます。
    契約後なら「買ってしまった自分の問題」になります。
    この差は大きいです。

    私なら、まず契約を急がず、
    仲介会社に「境界について、資料と現地を確認した上で具体的に説明してください」と伝えます。

    その回答を聞いて、それでも不明確なら、物件を諦めることも含めて考えます。

    3ヶ月探してやっと見つかった家でも、購入後に10年、20年と付き合うのはその家です。

    「古い物件ではよくあること」という理由だけで、
    自分たちがリスクを引き受ける必要はありません。

    気に入った物件だからこそ、契約前に気になるところを全部確認して、
    それでも納得できるなら買う。

    私はそのくらいの慎重さでちょうどいいと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/09

    ご相談を拝見しました。

    不動産業者が言うように、確かに古い物件では境界未確定であるケースく見受けられるものの、「よくある=そのまま引渡を受けても良い」という構図は成り立ちません。はっきりと申しあげれば、子育て世代が長く住む家として、境界未確定・境界非明示のまま購入を進めるのは非常にリスクが高いためおすすめできません。

    本件において、ブロック塀が実は「隣の敷地内」や「境界線上(共有)」にある場合、将来の修繕費用の負担や撤去をめぐって揉めるケースがあります。また、将来建て替えやリフォーム、売却をする際に結局境界確定が必要になり、費用や時間が自分にかかってきます。さらに、金融機関によっては「境界非明示(未確定)」の物件に対して担保評価を下げたり、確定測量図の提出を融資条件にしたりすることもあります。

    これらの懸念により、売主に対して、「契約の条件として確定測量を実施し、境界確認書を取得してもらうこと」を正式に申し入れることをお勧めします。この要望が拒否された場合には、見送りを検討されると良いでしょう。何より、もし隣人と過去にトラブルがあり、隣人が印鑑を押してくれない(拒否している)ために確定できないのであれば、購入後にその近隣トラブルをそのまま引き継ぐことになるからです。

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