不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/29

    気にしすぎ、とまでは思いません。
    築30年のマンションを買うのであれば、見えている部分がきれいだからこそ、
    見えない部分がどうなっているのか気になるのは普通だと思います。

    ただ、リノベーション済み物件について、
    「どこまで工事したのかを完璧に記録した資料があるはず」と考えると、
    実際の中古市場では少し厳しいかもしれません。

    私が現場で見てきた感覚では、
    詳細な工事記録がきちんと残っている物件の方がむしろ少ないです。

    特に中古マンションの場合、床や壁を全部解体して躯体や配管まで交換したのか、
    表面の内装・設備を中心に改修したのかは、リノベーションの内容によって大きく違います。

    ですから、
    「配管を全部交換していると思っていたのに、実は一部だけだった」ということもありますし、
    逆に、工事はしっかり行われていても、
    買主に渡せるほど細かな施工記録が残っていないケースもあります。

    ここは宅建業法上も、仲介会社が知らないことまで推測して説明することはできません。

    重要なのは、分からないことを「たぶん大丈夫です」で終わらせないことです。

    今回であれば、担当者に、
    「配管はどこまで交換していますか?」
    「給排水管は専有部分だけですか、それとも床下まで交換していますか?」
    「床下については、既存の状態を残しているのか、何か処理をしていますか?」
    「工事前の写真や施工会社の工事報告書はありますか?」
    「保証書や工事保証はありますか?」
    と、分かることと分からないことを具体的に確認してもらえばいいと思います。

    その回答を聞いたうえで、「配管については交換範囲が確認できない」のであれば、
    それも一つの判断材料です。

    ここで大切なのは、「資料がない=手抜き工事」と決めつけないことです。

    反対に、「リノベーション済みだから中身も全部新品」と思い込むのも危険です。

    リノベーション済みという言葉だけで判断せず、
    何を新しくして、何を残している物件なのかを確認する。これが一番現実的です。

    また、仲介会社には、
    売主側に確認した結果をできればメールなどで残してもらうといいでしょう。

    「配管は○○まで交換済み」「○○については施工記録がなく確認できない」というように、
    確認できた事実を整理してもらう。

    それでも不安が残るのであれば、
    購入前にホームインスペクション等の第三者調査を検討する方法もあります。
    ただし、完成後の内装を壊さずに確認できる範囲には限界があります。

    私は、築30年という年数だけで「やめた方がいい」とは思いません。

    むしろ、きれいになっていることより、
    「何をやって、何をやっていないのか」が分かることの方が大事です。

    今回の物件が気に入っているのであれば、まずは売主業者からの回答を待ってみてください。

    その回答を見て、分からない部分が残るのであれば、
    その部分を含めて価格が納得できるかを考える。

    中古住宅は、新築のようにすべてが新品で、すべての工事履歴が揃っているものではありません。
    「分からないところがあること」自体よりも、
    「分からないところを確認したうえで、それでも買いたいと思えるか」の方が、
    購入判断では大事だと思います。

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