不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

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    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2025/06/30

    相談内容を拝見しました。お母様のマンションを贈与されることを検討されており、相続時精算課税では損をするかもしれないことをご心配されているのですね。

    結論から申し上げると、「損をする」リスクが大きいです。理由は、相続時精算課税は、贈与時の価格で固定され、その固定された価格で相続財産に加算されます。通常、不動産は経年劣化するので物件価格が下がっていくと考えられるからです。逆に昨今の東京のマンション価格が上がっていると、低い贈与時の価格で相続財産に加算されるので、「得をする」かもしれません。通常は時価が下がっていくと考えるのが自然です。

    2024年の税制改正で相続時精算課税にも基礎控除が毎年110万円新設されました。毎年、110万円を超過する金額が累計され、2500万円を越えた金額の20%の贈与税がかかります。支払った贈与税は相続税の計算から控除されるしくみになっています。

    従い、現預金は資産評価が変わりませんので、毎年110万円の基礎控除の範囲内で贈与をしていけば相続財産への持ち戻しがないので大きなメリットです。暦年贈与の場合は、3年(今後徐々に7年になります)の相続財産への持ち戻しがされますので注意が必要です。

    不動産のように経年劣化で時価が下落していくような資産の場合、高い価格で相続税の計算がされるので、デメリットになります。従い、登録免許税も高いし、なぜ今、贈与をするのかしっかりと検討されるとよいと思われます。

    以上ご参考まで。

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