不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2025/08/20

    元本を減らさずに価値を守る方法ですね。
    価値を守るということをインフレ率と同等の収益性を得られる方法、と解釈すれば、安全かつインフレ率程度の収益性を持つ運用方法は何か、というご質問だと思います。

    結論から申し上げますと、インフレ率を超える収益性を持つ投資先はいくらでもありますが、元本を減らさずにそれを実現するのは基本的に無理があります。

    今でも公金の運用も「確実かつ効率的に運用」などという文言が恥ずかしげもなく記載されている(地方自治法)ぐらいですから、「安全かつ有利な方法」が存在すると思われても仕方ありません。
    しかし、リスクフリーレート(個人の場合は銀行預金)以上の収益性を望む場合、何らかのリスクを取る必要があります。単純な話、そんなうまい話は無いのです。

    証券会社や銀行では投資信託が販売されています。そのパンフレットを見ると、リスクとリターン(≒投資収益率)の関係図が掲載されています。リスクが小さければリターンも小さく、リスクが大きければリターンも大きい、という関係です。
    流動性が高く、情報がほぼ一瞬に伝わる有価証券の世界では、このリターンとリスクのトレードオフ関係がほぼ成立しています。

    ところが不動産の場合、リターンとリスクのトレードオフ関係が成立しているかというと、必ずしも成立していない、という見方が一般的です。流動性が低く(売ろうと思ってもすぐ売れない)、情報の伝達が遅い(あの物件の近くに駅ができるらしいよなど)ので、成立していないわけです。

    よって、安全かつ有利といった矛盾する要件を満たす運用が、不動産投資には存在しえます。その代わり、安全でもなく有利でもないということも往々にして起こりえます。その場合、失敗を吸収するのは自己資本つまり預金しかありません。
    つまり、せっかく貯めた資金の減少を甘受する覚悟が必要です。
    その覚悟ができないのなら、裁定取引型の投資信託ぐらいしか選択肢がありません。

    ある程度リスクを負う覚悟があるのなら、不動産投資では8%以上の収益性を実現することも不可能ではありません。そのためには勉強が必要です。勉強せずに失敗した事例が、過去の相談例にもたくさん掲載されています。

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