不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/05/21

    まず、築42年の建物になると、「とりあえず直した方が良い」とは一概に言えなくなってきます。

    今回のケースで大事なのは、“屋根を直すべきか”ではなく、「この建物に、どこまで費用をかける価値がある状態なのか」を冷静に整理することだと思います。

    実際、屋根工事は、材料代よりも、“足場代”の割合がかなり大きいです。

    なので、
    ・今後も保有する予定
    ・他の外装修繕も近いうちに必要
    ・賃貸活用も視野
    こういう場合なら、まとめて工事する考え方もあります。

    ただ、今回のように「売却前提」で、しかも築42年となると、話は少し変わります。

    例えば、180万円かけたとして、「その分高く売れるか?」と言われると、実際はそこまで単純ではありません。

    むしろ、買主側からすると、「どうせ全部リフォームするから現状で良い」という考えの方もかなりいます。

    特に最近は、中古購入+リノベ前提の層も多いので、“雨漏りがある=絶対売れない”というわけではありません。

    ただし、ここで重要なのは、“雨漏りのレベル”です。

    例えば、
    ・過去の軽微な染み跡程度なのか、
    ・現在進行形で漏れているのか。

    さらに、
    ・構造体まで傷んでいる
    ・シロアリ
    ・腐食
    ・カビ
    この辺まで進行しているなら、話は変わります。

    つまり、判断は、「築年数」だけではなく、“建物状態”と“雨漏り状態”で変わります。

    なので、まずやるべきなのは、「直す・直さない」を先に決めることではなく、“どの程度の不具合なのか”を整理することだと思います。

    あと、売却では、正直に伝えることも大事です。

    例えば、「雨漏りがあるので、その分価格調整しています」という売り方も普通にあります。

    これは、決して雑な売却ではありません。

    むしろ、中途半端に直して、後から別の不具合が出る方が、トラブルになるケースもあります。

    お母様が大切にされていた家だからこそ、きちんと考えたいお気持ち、すごく自然だと思います。

    ただ、大切にしていた家だからこそ、“必要以上に費用を入れてしまう”ケースも実際あります。

    個人的には、築42年の建物に、売却前提で大きな修繕費をかける判断は、かなり慎重に考えた方が良いと思っています。

    だからこそ今回は、
    ・現状の建物価値
    ・土地としての価値
    ・雨漏りの進行度
    ・買主ターゲット
    ・修繕後に本当に価格へ反映されるのか
    ここを整理してから、判断するのが一番後悔が少ないと思います。

    売却は、「直すか直さないか」ではなく、“どう売るか”で結果がかなり変わります。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/05/22

    ご相談を拝見しました。

    御母堂が大切にしていた実家を雑に販売したくないとのお気持ちは十分に理解できます。ですが、築42年であれば雨漏りだけでなく躯体や外壁、基礎など構造上主要な部分が相応程度に老朽化している可能性が高いと思われます。そのような状態であると仮定すれば、屋根を補修して、投下費用を回収できるほど高値で販売できるかは疑問です。

    それよりも、建物の劣化状態を正確に把握したうえで、適正価格で販売する方が合理的かもしれません。つまり、雨漏りそのものよりも、それを含め全体としてどこまで劣化しているかを明確に提示し、購入検討者を探すのです。

    ご自身で建物の劣化状態を確認されるのも一つの方法ですが、それよりも専門家にインスペクション(住宅診断)を依頼して報告書を入手し、雨漏りは応急処置程度に留めて販売する方が、本件については最善策だと思います。ちなみに、建物のインスペクション費用は規模や場所にもよりますが10万円以下が一つの目安となります。

  • 私が回答します

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/02

    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。


    お母様が大切にされてきたご実家だからこそ、丁寧に次の引き手へバトンタッチしたいというご相談者様のお気持ち、とても素敵ですし深く共感いたします。一方で、180万円という大金を生じる修繕に慎重になる弟様のお気持ちも合理的で、板挟みになってしまうお姿にお察しいたします。


    結論から申し上げますと、180万円をかけて屋根を直してから売る必要はありません。現在の建築費高騰を考えると、直さずに「現状有姿(そのまま)」で売り出し、雨漏り補修分を価格交渉の引き代(値引き枠)として残しておく方が、結果的にご相談者様の手残りが多くなり、売却もスムーズに進みます。
    皆様で納得して進めるためのポイントを整理しました。


    1. リフォーム前提の買主から見た「雨漏り」
    築42年の物件を購入する方は、基本的に「全面リフォーム・リノベーション」か「解体して更地にする」ことを前提としています。
    ◼︎買主の心理: 買主様からすれば、雨漏り自体は「大したことない」わけではありませんが、「どうせ自分好みに直すのだから、その分安く買えれば問題ない」と捉えます。
    ◼︎売主が直すリスク: 180万円かけて屋根を直しても、売却価格が180万円高くなるわけではありません。現在の相場では、投資したリフォーム費用を回収するのは極めて困難です。

    2. 「直さずに売る」具体的な戦略
    雑に手放すのではなく、「雨漏りがあることを正直に開示して、誠実に売る」というスタンスを取れば、お母様の家を大切に扱うことにつながります。
    「公認の値引き枠」にする: 例えば、相場が1,000万円の物件であれば、「雨漏り補修費用を考慮して820万円(180万円引き)」として売り出します。買主様は「自分で業者を選んで安く直せる」ため、むしろ歓迎されやすいです。
    契約不適合責任の免責: 契約書に「雨漏りあり、売主は修繕義務を負わない」と明記して売却します。これにより、引渡し後のトラブルを完全に防ぐことができます。

    3. 静岡の実家特有の「遠距離管理」のリスク
    東京から月1回の管理では、これからの梅雨や台風の時期に雨漏りが悪化し、室内の柱や土台まで腐食が進むリスクがあります。直さないと決めたら、価格を下げてでも「早期に現状のまま買ってくれる人」を見つけるスピード感が重要です。


    【まとめ】
    お母様の大切な家だからこそ、無駄になるかもしれない180万円をかけるより、「雨漏り分を安くするから、素敵にリノベーションして住んでください」と次の世代に予算を譲る形で手放すのが、今の時代に最も適した賢い選択と思います。
    これなら弟様も納得しやすいはずです。まずは仲介会社に「補修費分を差し引いた、現状渡しでの売り出し価格」のシミュレーションを作ってもらい、ごきょうだいで目線を合わせてみませんか。


    ご実家が素晴らしい形で次のオーナー様へ引き継がれるよう、応援しております!
    参考になりますと幸いです。

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