不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/09

    この相談は、「古いから配管交換しましょう」と単純に結論を出す話ではないですね。
    実際の売却現場では、工事費をかけること自体が目的ではなく、
    将来のトラブルをどう考えるかで判断が分かれるところだと思います。

    築38年ということだけを理由に、売却前に専有部分の配管をすべて更新した方がいい、
    とは私は考えません。

    まず大事なのは、今、水漏れなどの不具合が出ているのか、過去に修理や交換をしているのか、
    そしてマンション全体として配管をどのように管理しているのかを確認することです。

    給排水管は見た目では分からない部分ですから、
    「室内をきれいにしているから大丈夫」という話ではありません。
    逆に、築年数だけを見て「すぐ交換しないと危険」と決めつけるのも違います。

    実際には、専有部分の配管更新をするとなると、それなりの工事になります。
    床や壁を開ける必要が出る場合もあり、費用も決して小さくありません。

    そこで、私ならいきなり工事をするのではなく、まず現状を確認します。

    過去の修繕履歴が残っているなら確認する。
    管理組合や管理会社に、共用部分と専有部分の配管について修繕計画や交換履歴を確認する。
    必要であれば専門業者に状態を見てもらう。

    そのうえで
    「今の状態なら特に手を入れなくても問題ない」
    「売却前にここだけ対応しておいた方が安心」
    「買主に現状を説明したうえで売却する」といった選択肢を考えればいいと思います。

    特に売却を決めているのであれば、工事費をかけたからといって、
    その費用以上に売却価格が上がるとは限りません。

    例えば100万円かけて配管を更新したからといって、
    買主が必ず100万円以上高く評価してくれるわけではありません。
    そこは内装リフォームとは少し違うところです。

    一方で、配管の状態について何も確認しないまま売却して、
    引渡し後に水漏れなどのトラブルになれば、売主としても買主としても嫌な話になります。

    ですから、私は「交換するか、しないか」よりも、
    まず「今どういう状態なのか」を把握することの方が大切だと思います。

    実際の売却では、物件ごとに判断しています。

    配管の状態、これまでの修繕履歴、マンション全体の管理状況、売却価格、工事費用、
    想定する買主などを見ながら、あえて工事をせず現状をきちんと説明して売ることもありますし、
    トラブルを避けるために売却前に対応した方がいいケースもあります。

    ここは「築38年ならこうする」という正解がある話ではありません。

    売るためにきれいにする工事なのか、将来のトラブルを防ぐための工事なのか。
    この目的を分けて考えると判断しやすいと思います。

    私なら、まず調査と確認をして、その結果を見てから工事をするか決めます。
    売ると決めた家だからこそ、必要以上にお金をかけるのではなく、
    買主にも安心してもらえる状態と、
    売主が余計な負担をしないことのバランスを取ることが大切です。

    こういう部分は物件を実際に見ないと判断できないことも多いので、
    築年数だけで工事を勧めるのではなく、
    現状を確認したうえで具体的な対応策を出してくれる不動産会社に相談するのが一番だと思います。

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