不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/09

    このケースは、買主側の事情もよく分かりますが、売主にも住み替えの事情があります。
    だからこそ、「引渡し日を決めない」のではなく、
    最初から現実的な期限を契約で決めておくのが一番だと思います。

    売主さんが住み替え先を探している場合、引渡し時期がある程度ずれること自体は、
    実際の売買では珍しいことではありません。

    ただ、買主として「引渡し日が決まらないまま契約する」のは、私はあまりおすすめしません。

    売買契約をするのであれば、引渡し期日はきちんと契約書に明記するべきです。

    例えば「〇月〇日まで」と少し長めに設定して、
    その期間内に売主が住み替え先を見つけて退去する、という形なら現実的です。

    一方で、買主側の賃貸契約の更新が近づいていて、
    更新するかどうかを決めなければならない状況なのであれば、少し話は変わります。

    経験上、売主がまだ住み替え先を探していて、いつ決まるかも分からない状態なのに、
    「買主の賃貸更新までには何とか引き渡せるでしょう」という進め方は、
    あまり現実的ではありません。

    売主にも事情がありますから、そこを無理に詰めるのではなく、
    契約時点で余裕を持った引渡し期限を設定しておく。
    そのうえで、期限までに住み替え先が決まらないのであれば、
    売主側で仮住まいを用意するなどして、契約上の引渡しを守ってもらう。

    このくらいまで最初に整理しておいた方が、後々お互いに困りません。

    もちろん、売主の住み替えが遅れた場合の対応について、契約上の特約を設けることはできます。
    ただ、「売主が引き渡せなかったら仮住まい費用はすべて売主負担」
    といった条件を一方的に入れられるかどうかは、最終的には売主が承諾するかどうかの話です。

    ですから、契約前に「いつまでなら待てるのか」「その期限を超えた場合はどうするのか」を、
    仲介会社を通して売主ときちんと話し合っておくことが大切です。

    私なら、まず買主側の事情として
    「賃貸の更新時期が近いので、〇月頃までには引渡しを受けたい」と明確に伝えます。

    そのうえで売主が「その時期なら大丈夫」と言えるのであれば、
    具体的な引渡し日を契約書に入れて進める。

    逆に、売主自身が「その時期までに住み替え先が決まるか分からない」という状態なら、
    焦って契約しない方がいいと思います。

    不動産の売買は、物件が気に入っているからといって、
    相手の事情まで無期限に待たなければならないものではありません。

    売主には売主の事情、買主には買主の事情があります。

    だからこそ、契約前にお互いの期限を明確にして、
    「この条件なら進められる」というところまで整理してから契約する。

    そこを仲介するのが不動産会社の役割でもあります。

    気に入った物件だからこそ、勢いで契約するより、
    引渡しまで含めて無理のない計画になっているかを確認してから進めることをおすすめします。

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