不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/03

    まず、今回のケースで「妊娠していることを伝えていないから、
    すぐに本審査の内定が取り消される」と考える必要はないと思います。

    ただし、だからといって、このまま何も確認せずに引渡しまで進めることもおすすめしません。

    ポイントは、「妊娠」と「住宅ローンの審査・団信」を分けて考えることです。

    住宅ローンの審査では、収入や勤務状況、借入状況、物件などを総合的に確認します。
    実際に、産休・育休中でも住宅ローンの申込みを受け付けている金融機関がありますので、
    「妊娠=住宅ローンが組めない」ということではありません。

    一方、団体信用生命保険(団信)については、別に考える必要があります。

    団信に加入する住宅ローンの場合、健康状態などについて所定の告知を行い、
    その告知内容をもとに生命保険会社が加入を判断します。
    住宅金融支援機構の団信でも、告知内容に事実と異なる申告があった場合には、
    保険契約が解除されることがあると明記されています。

    ただ、今回の相談で重要なのは、
    「銀行の告知書に妊娠について記載する欄がなかった」という点です。

    告知書に聞かれていないことまで、
    自己判断で何でも申告しなければならない、というものではありません。

    ですから、「妊娠しているのに隠して審査を通した」というように考える必要はないと思います。

    ただし、
    今回は本審査の内定後に、10月に司法書士との面談があり、
    11月に出産予定、12月に融資実行・引渡しという非常に具体的なスケジュールになっています。

    ここまで来ているのであれば、私は担当銀行に一度確認しておくことをおすすめします。

    聞き方も難しくありません。

    「住宅ローンは妻の単独で本審査の内定をいただいています。
    現在妊娠中で、11月出産予定、12月に融資実行・引渡し予定ですが、住宅ローンの手続き上、
    何か追加で必要な手続きや確認事項はありますか」

    これで十分です。

    この確認をしておけば、銀行から「問題ありません」と言われれば、そのまま進められますし、
    もし追加で書類などが必要なら、今のうちに対応できます。

    むしろ避けたいのは、妊娠について何も確認しないまま手続きを進め、
    融資実行直前になって「勤務状況が変わっています」「産休・育休について確認が必要です」
    となってしまうことです。

    今回の場合、出産予定が11月で引渡しが12月ですから、
    出産そのものよりも、産休・育休に入ることで
    「審査時と融資実行時の勤務・収入状況が変わる」
    ことの方を確認しておいた方がいいと思います。

    特に妻の単独ローンということですから、夫がローンを組めない以上、
    奥様の収入や勤務状況が今回の資金計画にどの程度影響するのかは重要です。

    そして、金融面でも一度冷静に考えておいてほしいところがあります。

    「ローンが組めるか」と「そのローンを無理なく返していけるか」は別問題です。

    出産後は、奥様が産休・育休に入り、収入が一時的に変わる可能性があります。
    さらに、現在11か月のお子さんがいて、もう一人のお子さんが生まれる予定ですから、
    住宅ローンだけでなく、保育料、教育費、生活費なども変わってきます。

    銀行が融資できると判断したとしても、
    家計として余裕があるかは別途確認しておいた方がいいでしょう。

    特に今回は奥様単独ローンですから、「今の世帯収入で返せる」ではなく、
    「出産後に奥様の収入が一時的に下がったとしても返済できるか」
    まで見ておくことをおすすめします。

    なお、司法書士との面談については、
    通常は登記や本人確認、融資実行に必要な手続きなどを確認する場ですので、
    妊娠していること自体を司法書士に申告することが住宅ローン審査の告知になる、
    というものではありません。

    私なら今回、まず銀行の担当者に一度だけ確認します。
    「妊娠していることを告知しなかったから大丈夫でしょうか」と聞くより、
    「11月出産予定で、12月融資実行予定ですが、
    融資実行までに勤務状況や収入に関して何か手続きが必要でしょうか」
    と確認する方が、実務的にも話が早いです。

    その結果、銀行から問題ないと言われれば、それで進めればいいと思います。

    逆に、産休・育休による勤務状況の変更について確認が必要と言われた場合は、
    その指示に従えばいいだけです。

    今回については、妊娠していること自体を必要以上に心配するより、
    「融資実行時点で勤務状況がどうなっているか」
    を銀行に確認しておくことが一番大切だと思います。

    そして、
    奥様単独ローンでご主人が借りられないという事情がある以上、審査に通るかだけでなく、
    出産後の家計まで含めて返済計画を確認してから引渡しを迎えることをおすすめします。

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