不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/09/26

    今回のケースであれば、
    私は「適合証明書が取れると言われているから、そのまま契約して大丈夫」とは考えません。

    フラット35の中古マンションは、
    原則として住宅金融支援機構の技術基準に適合していることを確認し、
    適合証明書を取得する必要があります。
    築26年だから自動的に取れるというものでもなく、
    実際に物件検査を受けて適合していることを確認する必要があります。

    ですから、不動産会社の「この物件なら適合証明書は取れる」という説明は、
    あくまで現時点での見込みなのか、それともすでに検査機関に確認していて、
    取得に必要な手続きまで進んでいるのかを確認した方がいいです。

    そして今回、もっと重要なのは「もし適合証明書が取れなかったらどうなるのか」です。

    契約した後に「フラット35が使えなかったので、やっぱり契約をやめます」というだけでは、
    必ず無条件で契約を解除できるわけではありません。

    契約書に融資利用特約があり、その対象となる融資や解除期限などがきちんと定められていれば、
    融資が承認されなかった場合に白紙解除できる仕組みを設けることができます。

    ただし、ここで注意したいのは、単に「住宅ローン特約が付いている」というだけではなく、
    今回のように「フラット35を利用すること」と「適合証明書が取得できること」が
    重要な条件になっていることを、契約上きちんと確認しておくことです。

    実際に、フラット35が利用できなかったことを理由に契約解除を求めたものの、
    契約上、フラット35を利用できることが売買契約の内容として合意されていなかったとして、
    解除が認められなかった裁判例もあります。

    ですから、私なら契約前に不動産会社へ、

    「私はフラット35を利用できなければ、この物件を購入できません。
    適合証明書が取得できずフラット35が利用できなかった場合には、
    手付金等の負担なく契約を解除できる内容になっていますか」

    と確認します。

    そして、その回答を口頭だけで済ませず、売買契約書の融資利用特約を実際に確認します。

    特に確認したいのは、

    ・融資申込先がどこになっているか
    ・融資金額はいくらになっているか
    ・融資の承認期限、融資特約による解除期限はいつか
    ・フラット35が対象になっているか
    ・適合証明書が取得できずフラット35が利用できない場合も解除できるのか
    ・その場合、手付金が全額返還される内容になっているか

    このあたりです。

    また、適合証明書が「間に合わない」ということと、
    「取得できない」ということは分けて考える必要があります。

    単純に検査や書類の手続きが契約日までに終わらないだけなら、
    契約日と融資特約の期限、決済日を調整することで対応できる場合があります。

    一方で、検査をした結果、フラット35の技術基準に適合しないことが分かったのであれば、
    話は別です。

    その場合は「証明書の発行が遅れている」のではなく、
    「フラット35を利用できない」ということだからです。

    ですから、私なら契約を急ぐより、まず適合証明を担当する検査機関等に、
    現在どこまで手続きが進んでいるのか、いつ頃発行できる見込みなのかを確認します。
    フラット35の適合証明は、適合証明検査機関または適合証明技術者が物件検査を行い、
    合格すると交付されるものです。

    もし「契約を先にしないと検査を進められない」という事情があるのであれば、
    契約自体を否定する必要はありません。

    その場合は、フラット35の利用が今回の購入の絶対条件であることを明確にしたうえで、
    それが実現しなかった場合に買主が不利益を負わないよう、
    融資利用特約の内容と期限をきちんと整えてから契約することが大切です。

    不動産会社からすると、
    「この物件なら適合証明は取れると思います」という判断はできるでしょう。

    でも、買主からすると「取れると思う」ではなく、
    「取れなかった場合にどうなるのか」まで確認して初めて安心して契約できる話だと思います。

    今回、契約目前なのであれば、私は契約そのものを怖がる必要はないと思いますが、
    適合証明書が未取得のままなら、そこを曖昧にした状態で契約するのは避けます。

    「フラット35が使えなければ購入できない」ということを不動産会社に明確に伝え、
    その場合に白紙解除できる契約内容になっていることを確認してから進める。

    今回なら、そこが一番大事だと思います。

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