不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/07/05

    相続した土地に法定外公共物の水路が関係していると言われると驚かれると思いますが、
    この話だけで「売れない土地」と判断する必要はありません。

    まず確認したいのは、本当にどのような権利関係になっているのかです。
    法定外公共物の水路なのか、水路をまたぐ橋や通路部分に占用許可が必要なのか、
    あるいは払い下げや是正手続きが必要なのかによって対応は変わります。
    そのため、市役所などで調査を行い、
    現状を正確に把握したうえで売却方法を考えることが大切です。

    売却価格についても、「水路があるから大幅に安くなる」と決まっているわけではありません。
    買主が住宅を建てられる状況なのか、車の出入りに問題はないのか、
    占用許可が継続できるのかなど、実際の利用状況によって評価は大きく変わります。

    むしろ今回の内容で少し気になるのは、
    不動産会社が調査段階で売却を断るような姿勢を見せている点です。

    仲介会社の役割は、問題点を調査し、どうすれば安全に取引できるかを整理することです。
    もちろん、権利関係が複雑で調査に時間がかかるケースはありますが、
    それだけで「売れません」という結論になることは一般的ではありません。

    現場では、このような法定外公共物や水路、里道が絡む土地の売買は珍しい話ではなく、
    調査を行ったうえで通常どおり取引されている事例も数多くあります。

    もし現在の不動産会社が調査や提案に消極的であれば、
    別の不動産会社にも相談してみることをおすすめします。
    経験のある担当者であれば、市役所との確認や必要な手続きを整理しながら、
    現実的な売却方法を提案してくれる可能性があります。

    お兄様がおっしゃるように買取業者へ売却する方法も一つの選択肢ですが、
    一般的には仲介より価格が低くなる傾向があります。調査も十分行わないまま、
    最初から買取だけを選ぶのは少しもったいない印象です。

    まずは権利関係を整理し、通常の仲介で売却できる可能性を確認してみてください。
    その結果、「手続きに時間がかかる」「一般の買主では難しい」という結論になった時点で、
    買取も含めて比較検討すれば十分間に合います。

    焦って安く手放すよりも、調査をしっかり行い、
    納得できる形で売却を進めることが結果的には後悔の少ない選択になると思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/07/06

    ご相談を拝見しました。

    不動産業者が説明した法定外公共物とは、道路や河川などの公共物のうち、道路法や河川法といった法令の適用や準用を受けないものの総称です 。代表的なものとして「里道」や「水路」などがこれにあたり、公図上で赤色や青色に着色されていることから、一般的には「赤線・青線」などと呼ばれています。

    これらの多くは明治時代の地租改正で国有地とされた財産ですが、平成12年の地方分権一括法に伴い、現在ではその多くが市町村へ譲与され、各自治体が管理しています。そのため、敷地の一部として占用していたりする場合には、あらかじめ市町村などの管理者から許可を得る必要があるのです。

    とはいえ、昔の古い宅地で所有者自身がその存在を自覚しておらず、代替わりの測量や売却査定で初めて発覚するケースが非常によくあります。お父様が隠していたわけでも、相談者様が確認を怠っていたわけでもありませんので、まずはご安心ください

    機能を喪失した法定外公共物であれば、その境界を確定し用途を廃止した後に購入をすることができます。また、新たに里道や水路を設置してこれを市に寄付をすることで、機能を有している法定外公共物と機能交換を行い、その法定外公共物を譲り受けられる場合もあります。

    しかし、いずれにしても境界確定、用途廃止及び機能交換などについては管理担当課(本件では内水整備課など)に相談したうえで所定の手続きを完了しなければ、一般の買主へ通常価格で売却するのは極めて困難です。

    占用使用であれば3週間程度が一つの目安となりますが、本件では詳細が不明であり、かつどのように決着を付けたいのかが不明なため、手続完了までどのくらいの時間を要するかについては言及できません。

    お兄様の仰るように、買取業者への売却は時間を最優先し、手離れを良くしたいとの目的であれば、間違いなく最も楽な選択肢となり得るでしょう。しかし、買取価格は実勢価格の5~7割程度がせいぜいと思われ、状況次第ではそれすら下回る可能性もあります。

    お勧めとしては、地元の信頼における不動産会社に、「時間がかかってもいいので、市への確認や占用許可の手続きを主導してほしい。その上で一般向けに売り出したい」と明確に伝え、役所への事前相談を行ってもらうことですが、相応の手間がかかるため、引き受けてくれるかどうかは微妙なところです。しかし、相談者様が直接交渉されるよりは労力も軽減されるため、まずは打診されてはいかがでしょうか。

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