不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/16

    ご相談を拝見しました。

    大変心苦しいのですが、本件は律トラブルおよび裁判手続に関わる領域となるため、不動産業者が安易に回答できる内容ではありません。

    あくまで一般論としてお伝えしますと、原則として意思能力がない状態で行われた贈与契約は、民法上無効となります。ただし、「要介護2」「認知症の診断」があったことだけで直ちに無効になるわけではなく、「契約時点でその契約の意味や影響を理解する能力(意思能力)があったか」 が個別に判断されます。

    長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R) や MMSE のスコアや主治医の診断書が存在すればその証明も比較的容易となるかもしれませんが、カルテや看護記録などから当時の発言、日時・場所の誤認、状態の変動などを類推せざるを得ない場合、その立証には困難を伴うと勘案されます。

    ポイントは、評価額2,800万円の不動産贈与という「重要かつ複雑な取引」を、贈与契約を締結する段階で正確に理解できていたか否かです。

    贈与無効の申立は弁護士業務ですし、現在の判断能力に問題がある状態であれば、財産保護の観点から成年後見制度の活用が必要でしょう。いずれにしても信頼における弁護士へ相談されることをお勧めします。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/16

    「認知症だったから、贈与は無効になる」とは一概には言えません。
    ただ、今回のケースは、贈与の時期と当時のお父様の判断能力を確認する価値はあると思います。

    ポイントになるのは、
    贈与をした当時、お父様にその贈与の意味を理解して判断する能力があったのかどうかです。

    認知症の診断を受けていたことだけで、直ちに贈与が無効になるわけではありません。
    逆に、認知症の症状があったとしても、その時点では財産の内容や贈与する相手、
    贈与によって自分の財産がどうなるのかを理解していたのであれば、
    有効と判断される可能性もあります。

    今回の場合、贈与契約書があり、
    さらに主治医の記録にも認知症の兆候が残っているとのことですから、
    最初から諦める必要もないと思います。

    ただし、ここで重要なのは「認知症だった」という話ではなく、
    贈与をした日を基準に、どこまで具体的な証拠があるかです。

    例えば、贈与契約をした時期の診療記録やカルテ、当時の認知機能の状態、
    介護記録などから分かる当時の生活状況、誰が贈与の話を持ち出したのか、
    契約書を誰が準備したのか、お父様が贈与について周囲にどのように話していたのか、
    前妻のお子さんが当時のお父様の状態を知っていたかなどが判断材料になります。

    特に2,800万円のマンションとなると、争う意味が全くない話ではありません。

    一方で、証拠がほとんどなく、「当時すでに認知症の症状があった」という程度であれば、
    個人的にはかなり慎重に考えます。
    裁判をすれば必ず取り戻せる、というような話ではないからです。

    ですので、今すぐ成年後見の申立てをすることや、
    相手に「贈与は無効だ」と伝えることを急ぐより、
    まずは贈与当時の資料を集めることをおすすめします。

    主治医へのカルテ開示を進めているのであれば、それは良いと思います。
    その資料を含めて、贈与契約書や登記関係の書類などを一度整理してください。

    そのうえで、相続案件を扱っている弁護士に、
    「この資料で、贈与当時の意思能力がなかったことを主張できそうか」
    を見てもらうのが現実的です。

    2,800万円という金額ですから、証拠がある程度揃うのであれば、
    専門家に判断してもらう価値はあると思います。

    ただ、証拠が弱いのであれば、費用や時間をかけて争うことが得策とは限りません。

    まずは「取り戻せるか」ではなく、
    「取り戻せる可能性を裏付ける証拠があるか」を確認するところから始めるのがいいと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/17

    お父様が契約を締結できるだけの判断能力を失っている状態契約をしてしまったことを立証できるのであれば、契約を無効化できる可能性はあります。
     この場合、お父様がご存命の間は、後見人を立てて、後見人に無効の手続をしてもらうという流れになります。

     もっとも、「軽度認知症」ということであれば、判断能力が失われていたと評価されない場合がありますので、そもそも、現時点で後見人が就任するとも限りません。
     また、後見人が就任したとしても、就任した後見人が、過去に遡って無効を主張してくれるかどうかも確証がありません。

     さらに、保佐人・補助人選任のレベルにとどまるのであれば、なおさら、過去の行為を無効化するハードルは高く、就任した保佐人・補助人が対応してくれない可能性が高まります。

     このように、今回の問題は、相談者様がどのような対応を取るかに応じて、相談者様にとってデメリットになるような状況も多々ございます。
     そこで、お住まいの地域で相続問題や後見の問題に詳しい弁護士による正式な法律相談を受けることを強くお勧めいたします。

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