不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/28

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家

    ご相談拝見しました。築30年の不動産にリバースモーゲージを利用して借り入れをして生活費に充当したいとお考えですね。

    まず、リバースモーゲージとは「家を担保に毎月の生活費を借りれる」ことはご理解の通りですが、いくつか契約前に知っておくべきことがあります。

    1. 一括借入か、毎月定額の借り入れか。毎月借り入れですと当初設定する借入月数を経過すると借入がストップします。毎月の返済は利息のみで元本は減りません。借入可能額は評価額の50-70%程度が相場です。

    2. 契約される場合は相談者様に相続が発生した場合、契約内容によりますが奥様が生存している間は居住を継続できる特約が付いているかどうか必ず確認してください。

    3. 奥様に将来介護が必要になり施設に入る場合、通常は売却をして借入額を返済します。期間猶予など何か特約があれば確認します。

    4. 売却しても残債が残る場合、相続人(お子様)に返済義務のない「ノンリコース型」をすればよいです。その分、金利が高く設定されます。お子様に負担がいかない配慮は必要でしょう。

    いずれにしろ、生活費が回るかどうかはご家計のキャッシュフローを見て、確認されることをお勧めします。就労、貯蓄の取り崩し、年金、固定費の見直し(特に、携帯プランの見直しや、お子様が会社勤めの場合、被扶養者になれれば国民健康保険料が不要なるかもしれません。)の中でしっかりと検証して目途が立ててから利用するとよいでしょう。しかし、先の見通しを立てずに契約内容を理解ずに契約するのは好ましいとは言えませんので、銀行比較をして、さらにFPなどの専門家に相談されるとよいでしょう。

    ご参考になれば幸いです

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/27

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    端的に言えばリバースモーゲージとは、住宅を担保に借金して、月々の返済は利息のみ、元本は契約者の死亡時に住宅を売却して返済する制度(逆抵当融資方式)です。

    契約者が長生きするほど融資限度額に達する可能性が高まり、また、市場の動静により融資限度額が見直されるデメリットもあります(借入額が融資限度に達すれば、それ以降融資されません)。

    想定よりも長生きした場合には契約者が存命していても売却を迫られます。さらに、契約者の死亡により住宅が売却される契約のため、残された相続人は住宅に住み続けることはできません。

    リバースモーゲージは銀行以外にも、社会福祉協議会といった公的機関からも提供されていますが、その本質は変わりません。制度自体は1981年に武蔵野市で導入が始まったとされていますが、それから40年以上を経過しても諸外国ほどには普及してません。理由としては、普及を促進するために必要なカウンセリング制度の不足のほか、不動産の評価制度自体の問題が指摘されています。

    慣れた自宅に住み続けながら資金を手にできる点ではリースバックも同様ですが、どちらも手放しでお勧めできる制度ではありません。期間をかけてでも可能な限り高値で売却し、その資金で割安な不動産を新たに購入する、あるいは賃貸へ転居するなどの方法を選択したほうがメリットも大きいでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/26

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    リバースモーゲージは、家を担保に契約者に対して融資をするシステムです。契約者の死亡をトリガーにして売却・返済する仕組みです。契約者ではない奥様が一人家もなく残ってしまう可能性は、男女の平均寿命からいっても高いでしょう。

    将来介護になって家を売却したいという場合、売却代金で完済できれば問題はありませんが、完済できない場合借金だけが残ります。

    また、融資額も売却した場合に比べてかなり低くなるうえ、資金使途も制限が加わります。よくリバースモーゲージは罠と言われるゆえんです。
    あまり、お勧めできる商品ではありません。

    似たような仕組みに、リースバックがあります。こちらはご自宅をリスバック会社に買い取ってもらい、毎月賃料を支払って住み続けるという商品です。ただ、こちらも賃料水準が周辺物件と比べて高かったり、買取価格が低かったりとあまりいい商品とは思えません。

    この両者に共通するのは、お金を出す側が1社であることです。つまり競争原理が働かず言い値になってしまっていることです。そのサービスを提供する会社とユーザーでは利益相反の関係になってしまい、相手の言い値ではユーザーが一方的に損をするという構造になります。

    単純に家を売却し資金化すれば、市場原理が働きますので、極端に低い価格にはならない可能性があります(不動産の流動性は低いので、買い手次第ではありますが)。その資金を運用しつつ賃貸に移り住むという暮らし方の方が、破綻になる可能性は小さくなると思います。

    リバースモーゲージのメリットとしては、早く現金が手に入る、ぐらいしか思いつきません。リースバックはリバースモーゲージより入手できる資金が大きくなることと、所有権が移転するので、固定資産税等を支払わずに済むこと、家が壊れた場合等は大家であるリースバック会社に直させることができること、ぐらいでしょうか。

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