不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/16

    ご相談を拝見しました。国土交通省の資産によれば、2023年度末時点における築40年超の分譲マンション数は約34万戸ですが、2038年にはその8倍となる約260万戸に達すると見込まれています。

    相談様が懸念される問題は、まさに高経年化したマンションに共通する深刻な課題です。高経年化したマンションほど区分所有者の平均年齢は高く、理事の担い手不足が顕著となっているのです。

    「マンションは管理を買え」との不動産格言があるように、管理組合が機能していなければ適切な管理は実現できません。さらに、管理組合の機能不全により合意形成が難航して適切な修繕が実施されず、現実問題として、共有部分である外壁等の剥離、鉄筋の露出・腐食・給排水管の老朽化といった、居住者や近隣住民の生命・身体に危険性が生じているマンションも散見されるようになっているのです。

    このような問題の発露と管理組合の重要性に関し、私が「不動産会社のミカタ」に寄稿した【老朽化マンションの再生と耐震改修の現実】管理組合が抱えるジレンマ_との記事リンク先を貼り付けておきますので、興味があればご参照ください。

    https://f-mikata.jp/rosette-514/

    さて、現状で考えうる具体的な解決案ですが、「輪番制の徹底」が一つの解決策となります。

    管理規約に輪番制を明記し、原則として拒否できず、かつ、拒否できるのは正当な理由がある場合のみとするのです。併せて、担当の負担を減らすため理事の人数を増やすのも有効です。

    さらに業務のマニュアル化、議事録のテンプレート化、書類の電子化などを採用し、理事の業務軽減や簡素化を実現することで、管理組合が機能する状態を実現できるでしょう。

    外部委託が理想ではありますが、費用面で無理が生じたなら多少強引であっても、機能不全に陥らないよう手段を講じるほかないのです。

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