不動産のお悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/11/11

    佐脇孝明

    株式会社サワキタ不動産

    • 60代
    • 千葉県
    • 男性
    • 不動産会社

    コンパクトシティ構想は少子高齢化と相まって、20世紀末から各自治体によって実験的に進められてきました。しかし、自治体が主体となって構想しているので、従来型の発想(箱もの行政)から抜け出せていない印象が強いです。現に2001年青森市では図書館などの公共施設と商業施設を内包した施設、アウガを開設しましたが失敗しています。他にも秋田市や佐賀市でも失敗に終わっています。
    しかし、成功事例がないわけではありません。富山市、熊本市、花巻市が成功と言われています。

    コンパクトシティが成功するには、移動の問題が大きいと感じています。富山市・熊本市ではLRTの整備やバス路線の効率化により郊外からの移動を楽なものにしています。
    ところが、LRTの整備にはお金がかかりますし、バスは運転手の確保がむつかしくなってきています。コンパクトシティが実現する前に、現在の公共サービスの維持がもう持たなくなってきているのです。

    そこに救世主となる存在が現れてきました。自動運転技術です。つい先日自動運転バスの実験が始まりました。また、タクシーの自動運転化も見えてきています。移動の問題が解決されれば、既存の施設であっても十分問題なく利用できる可能性が出てきました。わざわざ各種施設をコンパクトシティとして再配置しなくても公共サービスが低下せず提供されるようになるかもしれません。

    ただ、上下水道の整備、ゴミ収集等などは、コンパクトシティの方が効率的なのは間違いないので、コンパクトシティ構想自体が無くなるとは考えにくいです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/09/22

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談拝見しました。心配されるのは当然の内容ですので、以下のように回答いたします。

    国土交通省によれば、2050年には日本の人口が9,515万人(約25.5%)まで減少すると予想されています。さらに2100年には6,415万人まで人口が減少し、高高齢化率(人口に占める65歳以上人口の割合)も現在の28.4%から41.5%まで上がるとされています。

    少子高齢化が、より顕著に現れる状態です。

    このような状況では、これまで以上に地方圏から大都市圏の流出は増加し、人口減少に歯止めがかからない地域では、住まいや交通、公共サービス、商業施設などの生活機能を集約して生活水準を維持するコンパクトシティ化は避けられないでしょう。

    コンパクトシティ化のメリットは次のようなものです。
    ◯駅や商業施設へのアクセスが快適になる。
    ◯交通機関の充実により、自家用車が不要になる。
    ◯人口密度の増加により、コミュニティの活性化に期待される。
    ◯エネルギー効率化により環境負荷が低減される。
    ◯防災対策が効率的に実施され、災害時の被害を軽減できる。

    これに対し、デメリットは次のようなものです。
    ◯住環境が変化する。
    ◯生活コストが上昇する可能性が高い。
    ◯プライバシーの侵害が懸念される。
    ◯生活圏やライフスタイルの変化が、高齢者の負担になる。

    相談者様の居住されている地域がコンパクトシティ化の対象となるかどうかは、地域の都市計画や人口動態など、様々な要因によって決定されます。現時点では、具体的な情報がないため、何とも回答することはできませんが、地域の住民向け説明会や自治体への問い合わせなどを通じて、情報収集を進めることをおすすめします。

    コンパクトシティ化は、都市の持続可能な発展のためには不可欠な取り組みです。ですがそれにより、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があるもの事実です。メリットとデメリットを比較検討し、かつ積極的に情報収集を行いながら、これからの生活を考えていくことが大切です。

    以上、参考になれば幸いです。

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