不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2025/09/15

    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。
    財産分与のことで意見が食い違っているとのこと、とてもお辛いですね。

    ■財産分与はどう考える?
    まず、法律的な財産分与の基本は「半分ずつ」です。
    これは、夫婦が協力して築き上げた財産は、たとえ片方が専業主婦(主夫)でも、家事や育児で貢献したと考えるからです。
    ですが、今回のケースのように、頭金やローン返済のほとんどをご相談者様が負担していたのであれば一概にそうとは言えません。そのような判例もございます。

    ■どうやって分けるのがベストか
    奥様が「共有名義だから折半」と主張される気持ちもわかりますが、
    それまでの貢献度を無視することはできません。可視化しましょう。
    頭金やローンをいくら負担したか、具体的な金額を冷静に伝えてみましょう。
    数字が一番の根拠になります。
    感情的にならず、客観的に話すことが大事です。

    ■専門家に頼る
    もし話し合いがこじれるようなら、弁護士など法律の専門家に相談するのが一番です。
    今までのお金の流れを証明する通帳の履歴や明細などを見せれば、
    より説得力のある分割案を提示してくれます。

    頑張って築いた財産を、正当に評価してもらうことは当然の権利です。
    一人で抱え込まず、プロの助けを借りることも考えてみてください。
    参考になりますと幸いです。

  • 私が回答します

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2025/09/14

    離婚の財産分与で住宅を売却されて、頭金やローン支払は全部相談者様負担だが、元妻が折半を主張しておられ、相談者様としては頭金とローン負担を考慮してほしい、というお悩みですね。

    基本的な考え方は、民法第768条に基づき、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産は、原則として夫婦の共有財産と考えられ、財産分与は基本、2分の1ずつになります。ここから個別事情を考慮していきます。
    ① 婚姻期間の長さ
    ② 各配偶者の収入・稼働状況
    ③ 財産形成への貢献度(経済的・家事労働的)
    ④ 住宅ローンの支払い名義と実際の負担者
    ⑤ 資産の取得時期と資金源
    ⑥ 慰謝料や養育費の総合的な検討

    特に相談者様の場合、②、③、④、⑤の内容を整理して元妻と話し合い、又は、話しがまとまらなければ、家庭裁判所の調停、それでも解決できなければ審判、訴訟になります。
    ②は実際の負担がすべて相談者さまであり、それと均衡するような元妻の③があるか、頭金負担は婚姻期間前の相談者様の貯金から支払っている場合、その分は財産分与の対象にはなりませんので、そのあたりが論点になると思われます。

    過去の判例でも必ずしも2分の1ではない判例がいくつかあります。
    **東京高裁平成26年5月28日判決**
    - 事案: 夫が住宅ローンを全額負担していたケース
    - 判断: 不動産の評価額から残債務を控除した金額の70%を夫、30%を妻への分与と判断
    - 相談者への示唆: ローン負担者に有利な分与割合の判断例

    **大阪高裁平成28年9月16日判決**
    - 事案: 夫が頭金とローンを負担、妻は家事労働に専念していたケース
    - 判断: 売却益について夫65%、妻35%の分与割合と判断
    - 相談者への示唆: 全額負担でも妻の家事労働などの貢献を一定程度考慮

    元妻の財産も婚姻期間中に築いた財産は財産分与の対象ですし、妻の寄与度を冷静に話し合い、調停になっても説明できるような資料、証拠を集めておくとよいうでしょう。

    以上ご参考まで。

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