不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/05/30

    老衰による自然死であれば、一般的にはいわゆる「事故物件」とは扱われないケースが多いです。

    ただし、この問題は単純に
    「事故物件か、事故物件ではないか」だけで判断する話でもありません。

    実際には、「買主がその事実を知った場合にどう感じるか」という心理的な部分も関係してきます。

    国土交通省のガイドラインでも、自然死については原則として告知対象外とされています。

    そのため、「3年前にご自宅で老衰により亡くなられた」という事実だけで、
    法律上必ず説明しなければならないとは限りません。

    一方で、

    ・発見まで長期間かかった
    ・特殊清掃が必要だった
    ・近隣で広く知られている
    ・室内に大きな影響が残った

    などの場合は、話が変わってくる可能性があります。

    つまり重要なのは、「亡くなった事実」そのものより、「どのような状況だったのか」です。

    また、実務的な話をすると、
    後から買主が知った時に「聞いていれば判断材料になった」と感じるような内容であれば、
    最初から説明しておいた方が結果的にトラブルになりにくいケースもあります。

    特に今回のように、「伝えるべきかどうか悩んでいる」という状況であれば、
    私なら仲介会社と相談した上で事実を整理し、買主に伝える方向を検討します。

    なぜなら、不動産取引は契約書の話だけではなく、
    最終的には人と人との信頼関係で成り立っているからです。

    実際には、
    「老衰でご自宅で亡くなられたのであれば全く気にしません」という買主もたくさんいます。

    その一方で、「そういうことは先に知っておきたかった」と考える方もいます。

    後者のタイプの方が契約後に知ると、
    事実そのものより「隠された」と感じてしまい、余計なトラブルになることがあります。

    ですので、法律上の告知義務の有無だけで考えるのではなく、
    「後で知った買主がどう受け取るか」という消費者保護の視点も持っておいた方が安心です。

    今回のケースであれば、まずは

    ・亡くなられた場所
    ・発見までの期間
    ・特殊清掃の有無
    ・近隣認知の状況

    を整理したうえで、仲介会社に具体的に確認することをおすすめします。

    そのうえで告知不要という判断になることは十分ありますが、
    少なくとも事実関係だけは仲介会社に正確に伝えておくべきでしょう。

    後から揉める可能性を少しでも減らすという意味では、「言わなくてよかったか」よりも
    「説明しておいたから安心だった」という形で取引を終えられる方が、
    売主にとっても買主にとっても良い結果になりやすいと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/05/31

    ご相談を拝見しました。

    国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、自然死や日常生活での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)は原則として告知が不要とされています。

    したがって、本件の場合は老衰で亡くなられているため、発見が遅れて特殊清掃を実施せざるを得なかったなどの事情がない限り、告知は不要と解されます。

    では、なぜ担当者によって告知に対する見解が異なるのか。これは、死因にかかわらず買主や借主から事案の有無について問われたとき、あるいは把握しておくべき特段の事情があると認識したときには告げる必要があるとの見解が、ガイドラインで示されているからです。

    つまり、購入検討者から質問場合には告知する必要があり、さらには購入検討者が神経質で、告知をしておかないと後々トラブルに発展する可能性が高いと思慮される場合には、念のため説明しておいた方が無難との考えが営業担当者に働くのです。このあたりの判断に個人差が生じると言わざるを得ません。

    ガイドランイは、法律のように直接的な罰則を伴う強制力はない一方で、実質的には行政指導の基準となるため「事実上の必須ルール」として機能します。したがって、先述したように、本件では告知をしなくても問題は生じないケースだと言えるでしょう。

    ですが、個々の不動産取引においては、買主・借主が納得して判断したうえで取引が行われることが重要であり、宅地建物取引業者においては、トラブルの未然防止の観点から、取引に当たって、買主・借主の意向を事前に十分把握し、人の死に関する事案の存在を重要視することを認識した場合には特に慎重に対応することが望ましいとされている点はご理解ください。

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