不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/07

    お気持ちはよく分かります。

    ここ1〜2年で住宅ローンの相談を受けると、本当に多くの方が
    「変動がいいですか?」「固定がいいですか?」「今後どちらが得ですか?」と聞かれます。

    ただ、私はこの質問に対して、最初に金利の話をすることはあまりありません。

    なぜなら、本当に大事なのは金利ではなくライフプランだからです。

    例えば、借入3,800万円、35年返済という条件でも、年収や家族構成、教育費の予定、
    退職時期、貯蓄額、老後資金の考え方によって正解は全く変わります。

    よくあるのが、「変動の方が安いから変動」という選び方です。

    もちろんそれも間違いではありません。

    ただ、本来は「金利が上がっても払えるのか」から考えるべきです。

    例えば今の返済額なら余裕だけど、将来毎月2万円上がったら厳しい。

    そういうご家庭であれば、固定を選ぶ価値は十分あります。

    逆に、仮に金利が上がっても家計に大きな影響がない。

    繰上返済できる資金もある。
    という方なら変動が合うこともあります。

    つまり、変動が正しい、固定が正しいではなく、その家庭に合うかどうかなのです。

    実際のところ、現在も利用者数だけで見れば変動金利を選ぶ方が多いと思います。

    ただ、それは「変動が得だから」ではなく、
    「変動でも返済計画が成り立つから」選んでいる方が多いのです。

    私がお客様とお話しするときは、金利予想を一緒に考えることはほとんどありません。

    なぜなら未来は誰にも分からないからです。

    金利が上がるかもしれません。

    思ったほど上がらないかもしれません。

    誰にも断言できません。

    だからこそ、「変動が何%まで上がっても大丈夫か」
    「固定にした場合の返済額は無理がないか」を先に確認します。

    不動産も住宅ローンも同じですが、外的要因で判断し始めると答えがなくなります。

    相場も分からない。
    金利も分からない。
    景気も分からない。

    だから最後は、ご自身の家計と人生設計という内的要因で決めるしかありません。

    私なら、「変動と固定どちらが得か」ではなく、
    「どちらなら安心して35年間暮らせるか」を基準に考えます。

    住宅ローンは投資商品ではなく、生活を支えるための道具です。

    得したか損したかよりも、途中で苦しくならないこと。老後に困らないこと。
    ご家族が安心して暮らせること。こちらの方がずっと大切だと思います。

  • 私が回答します

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/08

    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。


    かつて「0.3〜0.4%台」が当たり前だった変動金利が、日銀の相次ぐ利上げを受けて主要行でついに「1%台」に乗り始めました。ここ15年ほど経験したことのない「金利のある世界」への大転換を目の当たりにすれば、驚きと同時に「今から借りて大丈夫か」と不安になるのも当然です。


    結論から申し上げますと、今からローンを組む人の「約8割以上」は、依然として変動金利を選んでいます。固定金利との「金利差」がまだ大きく開いているためです。
    ただし、3,800万円を35年で組む場合、これまでのような「低金利の恩恵を無条件で受ける変動」ではなく、「金利上昇への防衛策をセットにした変動」の選び方が不可欠になります。

    今の市場環境を踏まえた、どちらを選ぶべきかの判断基準を整理しました。


    1. なぜみんな「それでも変動」を選ぶのか?
    ご相談者様が直感されている通り、固定金利(2.5%〜3%超)との差が大きすぎるためです。
    ◼︎返済額の差: 3,800万円の借入時、変動(1.0%)と固定(2.8%)では、毎月の返済額が約3.3万円、35年間の総返済額では約1,400万円もの差が最初から生まれます。「元金の減り」のスピード: 金利が低い変動の方が、毎月の返済額のうち「元金」に充てられる割合が多いため、ローン残高を早く減らせるという圧倒的なアドバンテージがあります。

    2. 金利はどこまで上がる?「逆転」のリスク
    多くの専門家は、今後1〜2年で緩やかに利上げが進み、変動金利のベースとなる政策金利は1.5%程度(住宅ローンの適用金利で1.5〜2.0%前後)まで上がる可能性を視野に入れています。
    固定金利(2.8%等)を追い抜くには、ここからさらに数回の利上げが必要ですが、急激に経済がパニックになるような上がり方は考えにくいです。

    3. 今から「変動」で組むための2つの絶対条件
    もし変動金利を選ぶのであれば、以下の「防衛体力」があるかを確認してください。
    ① 5年ルール・125%ルールの有無を確認する: 金利が急上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらず、増額時も前の1.25倍までという「キャップ」がある銀行(多くの主要行)を選ぶと、家計の急なパンクを防げます。
    ② 「固定で借りたつもり貯金」をする: 毎月、固定金利との差額である「約3.3万円」をないものとして貯蓄に回してください。これが将来の金利上昇時の繰り上げ返済資金、あるいは強力な家計のバッファになります。


    【まとめ】 今の金利差を考えると、「変動金利(1.0%前後)でスタートし、固定との差額分をしっかり貯蓄に回してリスクに備える」のが最も実利的な選択です。
    ただし、「毎日のように金利のニュースを見て一喜一憂したくない」という精神的な安心を最優先したい場合は、少し総返済額が増えても最初から全額固定にする価値は十分にあります。


    まずは候補の銀行で「変動」と「固定」の実際の返済額の差を並べて出し、その差額をご自身でコントロールできそうか、ご家族で話し合ってみることから始めてみてください。
    参考になりますと幸いです。

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