不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/08/28

    これは、「法人からお金を出してもらうこと」と「法人が不動産を買うこと」は別の話なので、
    そこを分けて考えれば、それほど心配する必要はないと思います。

    今回、売買契約の買主が個人で、親御さんの会社からその個人にお金を貸してもらい、
    そのお金で売買代金を支払うのであれば、基本的には個人が買主の個人間売買です。

    民法上も、債務の弁済は第三者が行うことが認められていますので、
    資金の出所と振込名義が買主本人ではないことだけで、
    売買契約そのものが法人との取引になるわけではありません。

    ただし、
    実務上は「法人名義から振り込まれることを、売主側が勝手に判断して進めない」
    ことが大切です。

    私なら、まず仲介会社に、
    「買主さん本人が買主で、
    親御さんの会社から借りた資金で購入するという理解で合っていますか?
    決済時の振込名義が法人になる場合、売買契約上問題ないか、
    司法書士さんや決済担当の金融機関にも確認しておいてください」と伝えます。

    特に確認しておきたいのは、
    売買契約の買主はあくまで個人なのか
    親の会社は買主ではなく、単に資金を貸すだけなのか
    売買代金は誰の口座から、誰の口座へ振り込むのか
    決済時に法人名義で振り込むことについて、仲介会社・司法書士が問題ないと確認しているか
    手付金と残代金で振込名義が変わる場合は、その点も整理されているか
    です。

    ここは意外と大事で、売買契約書の買主と、実際にお金を出す人が違うのであれば、
    その関係を決済前に明確にしておくのが安全です。

    また、売買代金の振込先についても、一般的には売主本人名義の口座へ振り込む形が安全です。
    売買代金の決済では、売主側の登記書類等を確認したうえで振込を行い、
    着金を確認して引渡し・登記手続きへ進むという流れが実務上の基本です。

    ですから、
    相談者さんが心配されている「法人名義から振り込まれたら、個人間取引ではなくなるのでは?」
    という点については、そこまで心配する必要はありません。

    むしろ問題になるとすれば、法人から資金が出ること自体ではなく、
    「誰が買主なのか」「なぜ法人が支払うのか」が仲介会社や司法書士に共有されないまま、
    決済直前になって法人名義の振込になってしまうことです。

    例えば決済当日に突然、「買主本人ではなく、親の会社から5,000万円振り込みます」となれば、
    仲介会社や司法書士としても「ちょっと待ってください」となる可能性があります。

    逆に、契約段階から、
    「買主個人が購入し、購入資金は親の会社から借り入れる。
    そのため決済資金は法人名義口座から振り込まれる予定」
    と伝えて、関係者が確認したうえで進めていれば、実務上はかなり話が整理されています。

    なお、親御さんの会社から買主本人への「貸付」については、
    これは売主との不動産売買とは別の問題です。
    会社側で本当に貸付として処理するのか、契約書を作るのか、利息をどうするのかなどは、
    会社側の税務・会計の問題になります。

    売主としてそこまで踏み込んで確認する必要はありません。
    売主側として重要なのは、売買契約の買主が誰なのか、売買代金が確実に支払われるのか、
    そして仲介会社・司法書士がその決済方法を事前に確認しているかです。

    私なら、今回のケースでは不安だからといって契約を断るような話ではなく、
    「法人から振り込まれる予定であることを、契約・決済担当者に先に伝えて確認してもらう」、
    これで十分だと思います。

    むしろ、そこをきちんと整理してくれるのが仲介会社の仕事です。
    決済方法について曖昧なまま進めず、契約前に担当者へ確認しておけばいいでしょう。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/08/30

    特約や条項として「売買代金の振込は買主個人名義で行うものとする」と明記しておくのは、非常に賢明で、実務上も強力なトラブル予防策になります。

    条項を明記するメリット
    ◆税務署や銀行への説明コストがゼロになる
    約束通り個人名義で振り込まれれば、銀行から着金を止められたり、税務署から「なぜ法人から入金があるのか」と疑われたりするリスクそのものを排除できます。

    ◆買主の「勘違い」を防ぐ抑止力になる
    買主が「親の会社から直接振り込んだ方が手数料が浮くし楽だな」と安易に考えている場合、契約書に明記されることで「一度、自分の個人口座にお金を移してから振り込まなければいけない」と正しく認識させることができます。

    ◆違反時の大義名分ができる
    万が一、買主がこの約束を破って法人名義で振り込んできた場合、「契約違反」として振込のやり直しを求めたり、トラブル時の責任を買主側に帰属させたりすることが容易になります。

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