不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/10

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家

    ご相談内容を拝見しました。
    ご主人がお亡くなりになり、ぺアローンで購入したマンションの相続の方針と手続についてお悩みなのですね。

    いくつか前提を確認する必要があります。
    ・まず、相談者様と義理のお母さま(以下、”義母“)の収入と資産状況
    ・夫の他の収入、団信以外の生命保険の有無、死亡退職金(企業年金)、遺族年金、ローン残債額、他の債務の有無等
    ・相続税はそもそもかかるのか。(3000万円+600万円*2=4200万円以下か)
    ・義母の夫以外のご兄弟の有無
    ・義母の面倒は相談者様がみるのか、夫のご兄弟の誰かがみるのか
    以上を確認した上で最適な選択をしましょう。

    1.義母の老後の世話を相談者様がする場合、条件を確認して扶養家族にして将来的な税金を抑えることも可能です。所得金額が48万円以下、義母と生計同一であること、義母が他のご兄弟の扶養親族となっていないことなど。又、義母の年齢にもよりますが75歳未満ですと要件を満たせば健康保険の被扶養者することも可能です。ご兄弟がいればきちんと話合う必要があります。

    2.今後の相談者様と義母の生活から将来の家計のお金の予測をしてみましょう。1との関係で義母を生計を一つにして将来面倒をみていくのかどうかで大きく変わってきます。その上で、夫のローンと相談者様自身のローン返済が可能か、可能であっても収入状況で銀行が承諾しない可能性もあります。

    3.マンション名義を100%相談者様にするなら、夫のローンを全て引き受ける必要があります。家計的に可能か確認します。

    4.義母が相続放棄をすると夫のローンの返済義務がご兄弟に移りますし、マンションの持ち分の考慮も必要になり、共有になることで管理など将来的な問題も懸念されますので、相続放棄の手続は取らない方がよいように思われます。相続放棄しなくても、資産とローンの返済義務など合意をして遺産分轄協議書を作成します。

    5.相続登記は義務化されましたので、自分で必要書類を用意して法務局に行けば手取足取り教えてくれます。司法書士に依頼もできますが、費用が10万円程度かかりますので、ご自分でした方がよいでしょう。登録免許税が4/1000かかります。

    6.売却して一括で返済してローンを返済して近隣のマンションなど賃貸に引っ越しをする。

    7.売却して一括で返済してローンを返済して、そのままリースバックしてくれる業者から借りる。5,6ともにローンから解放されます。

    いずれにしろ、義母を扶養家族する検討、将来家計のシミュレーションなどファイナンシャル・プランナーには多面的に検討して相続方針をきめる、税理士には相続税申告、行政書士などは決めた方針で遺産分割協議書の作成、登記を依頼するなら司法書士にと、専門家を上手に使うとスムーズに事が運ぶとおもわれます。大変なときですが、少しでもご参考になれば幸いです

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/02/09

    森本 慎也

    株式会社TERASS

    • 40代
    • 北海道
    • 男性
    • 不動産会社

    このたびは、ご主人を亡くされ、ご心痛の中でさまざまな手続きを進められていることと思います。心よりお悔やみ申し上げます。

    現在のお住まいについて、ペアローンの状況や相続の進め方について、できるだけ分かりやすくお伝えいたします。

    ◎ローンの支払いについて

    ご夫婦でペアローンを組んでおり、団信には加入していなかったとのことですので、ご主人の分のローン(2,000万円)は相続人が引き継ぐことになります。

    そのため、基本的には、ご主人の相続人である「ご相談者様」と「義母様」の負担となります。

    今後の対応として考えられる選択肢
    1 単独でローンを引き継ぐ(借換え)
    →収入や金融機関の審査次第ですが、単独名義の住宅ローンに借り換えが可能であれば、支払いを一本化できます、ただし、審査に通るかどうか、金利や返済期間がどうなるか、金融機関に確認が必要です。

    2 マンションを売却し、ローンを完済する
    現在の市場価格によりますが、売却することでローンを清算し、残った金額を相続財産として分けることができます。
    売却価格が4,300万円以上であれば、ローンを完済できる可能性があります。

    3 義母様と協議し、相続放棄・持分譲渡の検討
    義母様の意向によっては、持分の相続放棄や譲渡を受けることで、ご相談者様の単独の名義にすることも可能です。ただし、義母の承諾と正式な手続きが必要です。

    ◎名義変更や相続手続きについて

    現在、ご主人の持分(2,000万円相当分)は、ご相談者様と義母様が相続人となるため、遺産分割の手続きが必要になります。

    名義をご相談者様に変更する場合は、以下の流れで手続きを進めることになります。

    ①相続人全員(ご相談者と義母様)で遺産分割協議を行う
    「マンションの名義をご相談者様に変更する」ことに義母様の合意が必要 になります。
    義母様が持分を放棄する場合や譲渡する場合、贈与税などの影響も考慮する必要があります。
    場合によっては弁護士または司法書士にご相談いただき、正式な遺産分割協議書を作成するとスムーズです。

    ②相続登記を行う(名義変更)
    遺産分割協議書をもとに、法務局で相続登記(名義変更)の手続きを行います。
    必要書類として、戸籍謄本、住民票、登記簿謄本、遺産分割協議書、固定資産評価証明書などが必要 になります。

    ③ローンの名義変更や借換えの手続き
    単独でローンを組み直す場合、金融機関と相談し、借換えの審査を受ける必要があります。

    ◎今後の動き方について

    現在の状況を整理すると、以下のような流れで進めるのが良いかと思います。
    1 金融機関に相談し、ローンの引継ぎや借換えの可能性を確認する
    2 義母様と話し合い、遺産分割協議を行い、名義変更の方針を決める。
    3 マンションの価値を査定し、売却の可能性を検討する(ローンの負担が大きい場合、売却してローンを清算することも選択肢の一つ。)
    4 不動産会社に査定を依頼し、市場価値を把握する。
    5 遺産分割や登記手続きについて司法書士に相談する。
    6 相続税や贈与税などの影響があるか、税理士にも確認する。

    ◎まとめ
    ご主人の分のローン(2,000万円)は、相続人であるご相談者と義母が引き継ぐため、借換えや売却をご検討された方が良いと考えます。
    マンションの名義変更には、義母様の承諾が必要です。遺産分割協議を行い、手続きを進めましょう。ローンの負担が大きい場合は、売却して清算するのも選択肢の一つです。

    今は色々と大変な時期かと思いますが、少しずつ進めていけば終わると思います。
    ご不明な点がありましたら、いつでもご相談ください。

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