不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/05/24

    お気持ちはすごく分かります。

    相続不動産って、単純に「資産」ではなく、“思い出”が強く残るので、
    数字だけでは割り切れない方が本当に多いです。

    特に、お母様と暮らしていたお部屋であれば、
    すぐに「売ろう」と気持ちを切り替えられないのは自然なことだと思います。

    その上で、現実的なお話をすると、
    使わない不動産を保有していると、

    ・管理費
    ・修繕積立金
    ・固定資産税
    ・将来的な修繕費

    など、どうしても維持コストはかかり続けます。

    さらに、築年数が進むと、

    ・設備故障
    ・空室劣化
    ・配管問題

    なども出やすくなります。

    なので、「使わないけど何となく持っている」状態は、
    実は一番負担が大きくなりやすいです。

    ただ、だからといって、「すぐ売らなきゃダメ」という話でもありません。

    今回のように、

    ・まだ気持ちの整理がついていない
    ・彼との将来も含めて迷っている

    のであれば、一度立ち止まって考える時間を作るのも大事です。

    選択肢としては、

    ・ご自身で住む
    ・賃貸に出す
    ・売却する

    の3つが基本になります。

    もし、「今は売る決断ができない」のであれば、
    賃貸として保有するのも一つの考え方です。

    家賃収入で、管理費や固定資産税をある程度カバーできる可能性もあります。

    一方で、築古マンションは、

    ・今後の修繕積立金増額
    ・資産価値変動
    ・空室リスク

    もあるため、長期保有が必ず正解とも限りません。

    だからこそ、感情だけでも、数字だけでもなく、
    “今後の生活設計”と合わせて考えることが大切です。

    税金面については、相続した不動産を売却する場合、一定条件を満たせば、
    「取得費加算の特例」や、被相続人居住用財産の「3,000万円特別控除」
    などが使える可能性があります。

    ただ、この3,000万円控除は、

    ・亡くなられた方が1人暮らしだったか
    ・昭和56年5月31日以前建築か
    ・耐震要件
    ・区分所有建物か

    など、細かな条件で使える・使えないが変わります。

    マンションの場合は、戸建てより適用条件が少し難しいケースもあるため、
    個別確認がかなり重要です。

    また、空き家期間についてですが、極端に長期間放置すると、

    ・室内劣化
    ・管理状態悪化
    ・印象低下

    で不利になることはあります。

    ただ、数ヶ月〜1年程度で急激に価値が落ちる、という単純な話ではありません。

    むしろ、「感情整理ができないまま勢いで売る」方が、後悔につながるケースもあります。

    なので今回、まず大事なのは、
    「今後その不動産をどう使いたいのか」を整理することだと思います。

    ・住む可能性はあるのか
    ・彼との将来設計はどうなのか
    ・賃貸として持つのか
    ・現金化して別の人生設計に使うのか

    ここを整理すると、自然と答えが見えてくることも多いです。

    相続不動産は、単純な査定額だけではなく、

    “税金”
    “維持費”
    “感情”
    “将来設計”

    全部が絡みます。

    だからこそ、売る・持つだけでなく、
    全体を整理しながら考えてくれる人に相談することが大切だと思います。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/05/25

    ご相談を拝見しました。

    御母堂との思い出がある自宅ですから、急いで売るという判断はお勧めできません。気持ちの整理がつかないまま売却した場合、後悔する可能性が高くなるからです。

    一方で、自己居住や賃貸転用も含め、利用する予定がないと確信できるなら早期に、売却した方が負担は少なくなるのは事実です。

    税金面での特例としては「3000万円特別控除(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)」が考えられます。しかし、これを利用するには被相続人(お母様)が居住していた旨の証明や、耐震基準適合証明の提出が要件とされています。

    築古マンションの場合、耐震基準適合証明書の提出がネックとなる可能性は高いでしょう。そもそも、この制度は主に一定の一戸建て空き家を対象とした制度であるため、適用が難しい可能性があるのです。

    3000万円特別控除が利用できない場合、下記の計算式に基づき得られた利益に対して5年以下の所有期間(短期譲渡所得)で39.63%、5年以上所有した場合の長期譲渡所得で20.315%が課税されます。御母堂が居住されていたのですから長期譲渡所得が適用される可能性は高いと思慮されるものの、念のため確認されておくと良いでしょう。

    売却益=売却価格-(購入時の所得費+譲渡費用)

    なお、売買契約書等により購入時の取得費の証明ができなければ、売却価格の5%が概算取得費とみなされますので、購入時の契約書や領収書等の資料収集は非常に重要です。

    まずは簡易査定ではなく正式査定を取り、実際にどの程度で売却できそうか確認した上で、適用できる税制や必要書類について税理士・不動産会社へ相談されることをお勧めします。

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