不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 相続
- 40代
- 女性
-
- エリア
- 東京都中野区
-
- 投稿日
- 2024/05/21
-
- 更新日
- 2024/12/15
- [2回答]
879 view
父の所有するアパートについて
父が2世帯のアパートを所有しています。
二つの部屋の条件(面積や設備等)は同じなのですが、一部屋は父の古い友人家族に長らく貸している為、家賃を安くしているそうです。
ゆくゆくは娘の私がそのアパートを相続予定なのですが、私は不動産を持ちたくないのですぐオーナーチェンジで売却したいと思っています。
その際に、現在の家賃設定のままで経営をお願いすることは可能なのでしょうか。
新しいオーナーになった時にオーナーと管理会社の判断で家賃が上がってしまうこともあり得るのでしょうか。
私と父の友人には面識はありませんが、なるべく現在の条件のまま管理してほしいと思っています。
-
はじめまして、イエステーション博多店 ㈱コムハウスの角田と申します。
アパートの相続を見据えた将来計画について、売却を希望されているとのことですが、現在の家賃設定を維持するという意向がある場合、いくつかの注意点があります。以下にアドバイスを整理します。
1. 現在の家賃設定の維持とリスク
・家賃設定を引き継ぐことは可能か
新しいオーナーが家賃設定を変えない場合、賃貸契約は原則として、オーナーが変わっても賃貸借契約は引き継がれる(民法上の原則)。つまり、現在の借主(お父様の友人家族)は、これまでの条件で引き続き住む権利があります。ただし、将来的に新オーナーが家賃を変更しない保証はありません。
・家賃値上げの可能性
オーナーチェンジ後、新オーナーが家賃改定を求める場合もあります。ただし、以下の条件を満たさない限り、家賃変更を一方的に行うことはできません。
①経済情勢の変化(物価上昇、管理費の増加など)
②近隣家賃相場との差が大きい場合
これらを主張するには訴訟などが必要となり、現実的には簡単に家賃を上げるのは難しいことが多いです。
2. 現在の家賃設定を維持する方法
現在の家賃設定をなるべく守るために以下の方法が考えられます。
(1) 売却前に家賃契約を固める
賃貸借契約を定期借家契約に変更する方法があります。
この場合、家賃や契約期間を固定することが可能です。ただし、現在の借主が新しい条件に同意する必要があります。現在の条件での継続を望む場合、借主と新オーナーの間で契約条件を明文化することが望ましいです。
(2) 売却条件に「現家賃設定の継続」を含める
不動産売却時、買主との契約条件に「現行の家賃設定を継続する」ことを盛り込む交渉が可能です。ただし、買主がこれを受け入れるかどうかは市場状況や物件条件次第です。特に収益性が重視される投資家にとって、低家賃はネックになる可能性があります。
3. 家族信託の活用について
お父様が高齢の場合や、あなたが相続後すぐに売却を考えている場合、家族信託の仕組みを利用することでスムーズに対応できるケースがあります。
(家族信託の概要)
・目的
家族信託は、財産の管理や運用を信頼できる家族(受託者)に託し、本人(委託者)が元気なうちに資産をどう扱うか計画を立てておく制度です。
・具体的な流れ
お父様が委託者となり、あなた(娘さん)を受託者として信託契約を結びます。
アパートの運用・売却に関する権限を事前にあなたに託す形を取ります。あなたがアパートの所有者として登記されるわけではないため、相続時の手続きが簡略化されます。
(メリット)
・お父様が健在なうちに、アパートの運用方針(家賃設定の維持や売却タイミングなど)を明確にしておける。
・相続手続きがスムーズになる。
・共有名義になるリスクを回避できる。
4. 実務的なアドバイス
(1) 賃貸条件の確認と文書化
現在の賃貸借契約書の内容を確認してください。家賃変更や契約更新の条件がどのように記載されているかが重要です。
(2) 売却時の収益計算
家賃を安くしている部屋がある場合、その影響で物件の収益性が低く見られ、売却価格が下がる可能性があります。そのため、売却前に家賃設定の変更を考慮するか、不動産業者に「現状の家賃での売却可能性」を相談するのが得策です。
(3) 家族信託の具体化
家族信託を活用すれば、お父様の意思を尊重しつつ、あなたが売却後の課題を軽減できます。信託契約には専門家(弁護士、司法書士など)のサポートが必要になるので、早めに相談しましょう。
5. 結論
家賃を現状のまま維持することは法的には可能ですが、オーナーチェンジ後の確約は難しい部分があります。売却条件として設定するか、家賃設定を固定する定期借家契約に変更することで対策が可能です。相続後すぐの売却を考えるなら、家族信託を活用し、あなたが経営権をスムーズに引き継げるよう準備を進めてください。最終的には、信頼できる不動産業者や専門家に相談し、法的な手続きを含めた総合的なプランを立てることが重要です。
以上、参考になれば幸いです。
以下の記事もよく読まれています
-
40代 男性
- 相続
-
- エリア
- 大阪府八尾市
-
- 投稿日
- 2024/04/02
- [1回答]
1948 view
相続マンションのリフォーム費用と税金の扱いについて
祖父から相続したマンションをリフォームしたいと考えています。 リフォームにはかなりの費用がかかる見込みですが、このリフォーム費用は相続税の計算において影響があるのでしょうか? また、リフォーム後のマンション価値の再評価価格が税金の計算に何か影響はあるのでしょうか。効率的なリフォーム計画を立てるためのポイントがあれば教えてください。
1948 view
-
40代 女性
- 相続
-
- エリア
- 千葉県勝浦市
-
- 投稿日
- 2025/01/10
- [3回答]
1290 view
家族信託とは?わかりやすい解説が欲しいです!
40代主婦です。 年配の父の不動産についてどうするか話が出ていて、 家族信託について調べているところです。 調べれば調べるほど、複雑だったり分かりづらかったりで ちゃんと理解できているか不安です。 家族信託も視野に入れているので、詳細の解説と(できれば簡潔にわかりやすくだと幸いです) 家族信託が向いてるのはどんな人なのか、教えていただきたいです。
1290 view
-
50代 女性
- 相続
-
- エリア
- 大阪府大阪市西淀川区
-
- 投稿日
- 2019/09/30
- [2回答]
2588 view
親が亡くなったことにより相続された不動産の売却方法について
親が死去し自分独りでは広いこともあり、今住んでる家を売却したいと思います。相続税のこともあるので、なるべくいい形で売却したいです。 突然のことと、そもそも不動産売却についての知識が無いため、どうすればよいか分かりません。アドバイスをいただけると助かります。
2588 view
-
50代 男性
- 相続
-
- エリア
- 石川県金沢市
-
- 投稿日
- 2020/01/15
- [2回答]
2209 view
建物は私の名義、土地は両親の共有名義の相続について
先日、実家を建て替えました。両親は別の場所に家を建てたので、実際に住んでいるのは私達だけです。 そのため、建物は私の名義ですが、土地に関しては両親の共有名義のままです。生前贈与や相続について考えているのですが、人によって様々な助言をくれます。 結論として、どうするのが一番良いのでしょうか?
2209 view
-
50代 女性
- 相続
-
- エリア
- 石川県金沢市
-
- 投稿日
- 2025/07/27
- [2回答]
661 view
相続登記しないと売れないですか?
両親から相続した家の名義が未登記のままです。 このままでは売却できないと言われたのですが、不動産会社の言われるまま手続きするのが不安な為相談させていただきます。 司法書士を通して登記手続き後に売却、という流れであっていますか?司法書士は、自分で探しても問題ありませんか。
661 view
-
50代 女性
- 相続
-
- エリア
- 群馬県高崎市
-
- 投稿日
- 2024/02/06
- [4回答]
1889 view
実家マンションの売却
父が昨年亡くなり、実家のマンションを売ることになりました。 購入価格より高く売れると思うんですが、税金ってどうなるんでしょう? 購入価格は当時2,500万円ほどです。ネットで調べたら確定申告の話が出てきたけど、正直よくわからないです。 購入価格と売却価格が同じなら税金はかからないって聞いたことあるけど、この場合ってどれくらいの税金が来るんでしょうか? 誰か教えてください、お願いします。
1889 view
-
60代 男性
- 相続
-
- エリア
- 熊本県人吉市
-
- 投稿日
- 2025/02/05
- [4回答]
713 view
ずっと空き家のマンションはどうしたらいいでしょうか
3年前、姉が亡くなりました。 姉には旦那も子供もおらず、私が相続することになりましたが 私は6年前に購入したマンションに住んでいます。 姉のマンションは3000万(購入時) 私のマンションは2500万(購入時、リフォーム込み) 姉はここに住めばいいと、話していましたが 私にはこのマンションがあります。 なので住みかえるつもりはなく、ずっと放置してきてしまいました。 掃除もできず、中は汚いです。 とりあえず売ったほうがいいかなと思っていて 不動産会社に任せようと思っているのですがなにから始めたらいいですか。 売るならリフォームした方がいいですか
713 view
-
50代 男性
- 相続
-
- エリア
- 秋田県秋田市
-
- 投稿日
- 2025/12/22
- [1回答]
336 view
相続した実家、この地域だと売れないですよね…
父の死後、実家を相続しました。 正直、この辺りは空き家だらけで、不動産会社にも「時間がかかる」と言われています。 兄弟は県外で、管理はすべて私任せです。 固定資産税と草刈りだけが続いています。 都市部ならまだしも、この地域で持ち続ける意味があるのか分かりません。 相続した不動産が“負債”になる感覚を、誰に相談すればいいのでしょうか。
336 view
-
30代 女性
- 相続
-
- エリア
- 京都府京都市西京区
-
- 投稿日
- 2025/08/25
- [2回答]
732 view
おんぼろアパート相続と修繕費負担
京都市内で築50年の木造アパートを相続しましたが、空室が多く家賃収入より修繕費の方が高い状態です。耐震性にも不安があり、大規模改修か売却かで迷っています。というか超ぼろぼろです・・・ 相続税の納税期限も迫っており、間違った判断をして後悔したくありません。助けてください。
732 view
-
60代 女性
- 相続
-
- エリア
- 長野県北佐久郡軽井沢町
-
- 投稿日
- 2025/12/23
- [1回答]
392 view
別荘として相続した家を、兄が勝手に貸しています
両親が残した軽井沢の家を、兄と私で相続しました。 私は思い出として残したかったのですが、兄は勝手に貸別荘として使っています。 収入の話も曖昧で、経費や税金の説明もありません。 観光地だからこそ価値があると言われますが、揉め事ばかり増えています。 この場所で相続したこと自体が、間違いだったのでしょうか。
392 view

相談先を選択してください

ご相談拝見しました。ご尊父と友人の信頼関係に起因する難しい問題ですね。
結論としてオーナーチェンジ物件の購入者が応諾すれば、現行の家賃設定のまま継続していくことは可能でしょう。しかし口約約束では反故にされる可能性が高いため、売買契約書にその趣旨を盛り込んでおくか、覚書等で書面を取り交わしておく必要があります。
もっとも、その条件を承諾してもらうには、物件価格の調整が必要な可能性があります。
オーナーチェンジ物件の購入者は、利回りが得られるかを重視して購入を検討します。近傍同種の建物賃料と比較して明らかに安い状態であれば、物件価格をを低く希望するのはと合理的だからです。
現行の借地借家法は借主に優しく、貸主に厳しい側面を持っています。生活の基盤である住居に関し、貸主の横暴は認めないとの趣旨があるからです。
とはいえ家賃の増額が認められない理由ではありません。現在の借主様とどのような賃貸借契約を締結されているかは伺い知れませんが、借地借家法11条1項本文、32条1項本文では以下のような要件が具備されている場合、賃料増減を請求できると例示しています。
1.土地もしくは建物に対する租税その他の負担の軽減
2.土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下
3.その他の経済的事情の変動
4.近傍同種の建物賃料との比較
合意書等が存在していなければ上記内容に基づく賃料増減請求に抗う術がなくなりますから、先述した書面等の写しをご尊父の友人に渡すと同時に、内容についても説明しておくと良いでしょう。
また覚書等には、オーナーチェンジ物件の購入者がさらに転売した場合に備え、「新たな購入者は覚書の約定内容を継承する」旨の条項を盛り込んでおくと良いでしょう。
これらにより家賃増額を完全に防止できるとまで断言できませんが、少なくても一方的な増額請求に対抗するための証拠になります。