不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/01

    査定額が3社で1,200万円も違うと、正直何を信じていいかわからなくなりますよね。

    ただ、不動産の査定で一番大事なのは「いくらで売り出せるか」ではなく、
    「最終的にいくらで成約できそうか」です。

    実際のところ、今回のケースであれば、

    ・6,800万円
    ・5,600万円

    この2つは意味が違います。

    私ならまず「5,600万円という査定額の根拠」を見ます。

    なぜなら査定は本来、近隣の成約事例や現在の競合物件、
    市場動向から積み上げて出すものだからです。

    もちろん6,800万円で売れる可能性がゼロとは言いません。

    ただし、「6,800万円で売れる」と「6,800万円で売り出す」は全く別の話です。

    私自身なら、仮に5,600万円が成約予想価格として妥当だと判断した場合、
    売り出しは6,200万円前後からスタートする提案をすると思います。

    反響や内見状況を見ながら価格調整していく考え方です。

    一方で6,800万円という金額は、売出価格としては理解できますが、
    査定額としてはかなり強気な印象を受けます。

    高額査定を出す会社にぜひ聞いてみてください。
    「もし査定額で売れなかった場合はどう考えていますか?」
    「責任を持って成約できると考える価格はいくらですか?」
    この質問に明確な根拠を持って答えられる担当者なら信頼できます。

    逆に、「まずは高く出してみましょう」だけだと少し注意が必要です。

    売主様は高く売りたいのが当然ですから、高い査定額は魅力的に見えます。

    ただ、高く出しすぎて数ヶ月動かず、結果的に大きく値下げしていくケースも少なくありません。

    その場合、「最初から適正価格で出していた方が結果的に高く売れた」
    ということも実際によくあります。

    私は練馬区で不動産会社を経営していますが、
    査定の際は「いくらで売れると思うか」だけではなく、
    「いくらから売り出して、どのような戦略で進めるか」を重視しています。

    査定額と販売開始価格は一緒に考えない方が良いです。

    査定額はあくまで成約予想価格。

    販売価格は戦略です。

    だからこそ、査定書の数字だけではなく、
    「なぜその価格なのか」
    「売れなかった場合はどうするのか」
    「どのタイミングで価格調整するのか」
    まで具体的に説明してくれる担当者を選ぶことをおすすめします。

    不動産は同じマンションでも部屋によって条件が違い、一物一価です。

    数字だけを見るよりも、
    その数字の根拠と売却戦略をしっかり説明してくれる人かどうかを見た方が、
    結果的に後悔の少ない売却につながると思います。

  • 私が回答します

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/01

    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。


    3社に査定を依頼されて、まさかの「1,200万円差」……これだけ金額が大きく離れていると、驚きを通り越して「一体どの数字が本当なの?」と不信感や混乱を抱いてしまうのは当然です。
    一生を左右する大きな資産だからこそ、一歩を慎重に進めたいですよね。


    結論から申し上げますと、この1,200万円の差は「物件の価値の差」ではなく、不動産会社の「売りたい戦略(本音)」と「顧客(あなた)を獲得したい下心」の差から生まれています。基準にすべきなのは「一番低い会社(5,600万円)の成約事例」をベースに、少し強気なチャレンジ価格を上乗せしたラインです。
    なぜこれほどの差が出るのか、そのリスクについてポイントを整理しました。


    1. なぜ「1,200万円」もの差が生まれるのか?
    不動産の査定額は、車やブランド品のような「買い取り額」ではなく、あくまで「これくらいで売れるだろうという予想価格」です。そのため、会社の立場によって数字が意図的に操作されます。

    高い会社(6,800万円)の狙い:「ご相談者様と媒介契約(売却の任せを受ける契約)を結びたい」という下心が働いている可能性が極めて高いです。他社より高い数字を出せば選んでもらいやすいため、相場を無視した「希望的観測」を乗せています。

    低い会社(5,600万円)の狙い: 過去のデータに基づき、「確実に3ヶ月以内で売れる安全圏の数字」を提示しています。手堅いですが、売主様にとっては「もっと高く売れたかもしれない」という機会損失になることもあります。


    2. 高い数字(6,800万円)にそのまま飛びつくリスク
    「この立地なら出る」という根拠の薄い言葉を信じて高値で売り出すと、以下のような「高預かり(たかあずかり)の罠」にはまるリスクがあります。
    市場での「売れ残り」化:ネットに掲載しても、相場より高すぎる物件には内見すら入りません。

    ずるずると値下げ: 2〜3ヶ月経って反響がないと、担当者から「市況が変わったので、一気に500万円下げましょう」などと提案され、最終的には一番低い査定額(5,600万円)か、それ以下でしか売れなくなるケースが多々あります。売り出し直後の「一番注目される時期」を捨てることになってしまいます。


    3. どの金額を基準に考えるべきか?
    混乱を紐解くために、以下のステップで基準を決めてみてください。
    5,600万円の「事例」を疑う: 低い数値を捉えた会社が提示した「最近の成約事例」の書類を見せてもらってください。「同じマンションの〇階が〇万円で売れた」「隣の似た条件の物件が〇万円だった」という事実は嘘をつけません。ここが「最低限の防衛ライン(相場)」になります。

    「間」の会社をチェックする: 今回、もう1社(中間の会社)の金額がいくらだったかも重要です。もし中間の会社が5,800万〜6,000万円であれば、やはり実勢相場はそのあたりだと確信が持てます。


    【まとめ】
    今の段階で「6,800万円で売れる」と言い切る会社にそのまま任せるのは非常に危険です。

    どうしても高値に挑戦したいのであれば、「一番論理的なデータ(成約事例)を出してきた信頼できる会社」と契約し、その上で「最初の1ヶ月だけ、ダメモトで6,300万円くらいから強気に売り出してみる」という戦略を組むのが最も賢い方法です。


    査定額の「数字の高さ」ではなく、ご相談者様の話を真摯に聞いて「売れなかった時のリカバリー案」まで誠実に話してくれる担当者を選んでくださいね。


    納得のいく、最高のパートナーが見つかるよう心から応援しております!
    参考になりますと幸いです。

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