不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/15

    結論から言うと、通常の仲介であれば、売主が広告費を負担するケースはほとんどありません。

    宅地建物取引業法上も、仲介会社は成功報酬として仲介手数料を受け取ることが前提です。
    一般的な広告活動費用は、その仲介手数料の中で賄うのが通常です。

    そのため、「仲介手数料以外はかかりません」という説明を受けていたのであれば、
    まずは「媒介契約時の説明では仲介手数料以外は不要と認識していましたが、
    今回の費用はどのような位置付けでしょうか」と確認してみるのが良いと思います。

    もちろん例外はあります。

    例えば、

    ○売主が特別な広告を希望した
    ○新聞全面広告を出したい
    ○特定エリアへ大量のチラシ配布をしたい
    ○海外向け広告を出したい

    など、売主の特別な依頼による広告費については、別途協議の上で負担することもあります。

    ただ、今回のお話を見る限り、「ポータルサイトの優先掲載」「チラシ印刷費」とのことですので、通常の販売活動の範囲に見えます。

    個人的には、ここで重要なのは3万円の金額ではありません。

    本当に必要な広告なのか。

    なぜ今その費用が必要なのか。

    そして最初の説明と話が変わっていないか。

    この部分です。

    私自身、長年売却の現場にいますが、
    売主様に広告費負担の話をする時点でかなり慎重になります。

    なぜなら、売却活動は仲介会社の仕事だからです。

    仮に広告費を断ったことで広告活動が弱くなるのであれば、それはそれで本末転倒です。

    専任媒介を受けた以上、仲介会社には販売活動を行う責任があります。

    「広告費を払わないなら積極的に宣伝しません」という考え方なら、
    むしろ信頼関係の方が心配になります。

    売却は数万円の話より、どんな戦略で売るのか、問い合わせは来ているのか、
    価格設定は適正なのか、内見数はどうなのか、競合物件はどうなのか、
    こういった部分の方がはるかに重要です。

    ですので、私ならまず「広告費を出すかどうか」ではなく、「なぜ必要なのか」
    「その広告によって何が変わるのか」を説明してもらいます。

    その説明に納得できるなら検討すればいいですし、納得できないなら断って問題ありません。

    売却活動は売主と仲介会社の共同作業です。

    だからこそ、お金の話以上に「この担当者を信頼できるか」の方が大切です。

    もし今回の件でモヤモヤが残るのであれば、広告費の是非だけでなく、
    今後数か月間その担当者と一緒に売却を進めていけるかという視点でも、
    一度冷静に話をしてみることをおすすめします。
    信頼関係が崩れたまま進める売却は、思っている以上にストレスが大きいものです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/06/16

    ご相談を拝見しました。

    結論から申し上げれば、そのような費用は負担する必要がありませんし、それ以前に宅地建物取引業法(以下、宅建業法)違反を問われかねない内容です。

    確かに、宅建業法には特別依頼に関する規定が設けられており、これは、依頼者から特別に依頼された広告費については、媒介報酬とは別に請求できるという趣旨の内容です。

    しかし、広告が依頼者からの要求であること、依頼者からの承諾を得ていること、請求は実費であるなどの基準が示されてます。

    つまり、通常の営業経費(一般的なポータルサイト掲載など)を超える広告で、依頼者の強い要望に基づいて実施した多額の広告費に限り、事前に具体的な広告費や掲載内容を提示して合意を得た場合に限り請求が認められるということです。

    本件では相談者様ではなく、媒介業者からの提案で、かつ広い範囲への広告という非常に曖昧な説明しかなされていません。そのような費用を相談者様が負担する必要はありません。

    断ると同時に、上席、もしくは媒介業者が加盟している保証協会へ相談しても良いケースです。

  • 私が回答します

    金澤 寿一郎

    株式会社tento

    • 30代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/16

    株式会社tentoの金澤と申します。
    ご相談内容拝見しました。


    最初の説明と異なり、後から「別途3万円の広告費」を求められると、不信感やモヤモヤを抱いてしまうのは当然です。今後の付き合いを考えると、断って売却活動の手を抜かれたらどうしようと不安になってしまうお気持ちも本当によく分かります。


    結論から申し上げますと、このような広告費の追加請求は、不動産取引の原則として「普通ではありません」。法律上、一般的なポータルサイトの掲載やチラシの費用はすべて「仲介手数料」に含まれており、売主が別途支払う必要はないからです。ただし、この請求をきっぱり断っても、不動産会社が売却活動をサボることは法的に許されませんので、過度に恐れる必要はありません。

    売主様が損をせず、担当者とも角を立てずにこの局面を切り抜けるためのポイントを整理しました。

    1. 法律が定める「仲介手数料」のルール
    宅地建物取引業法において、不動産会社が受け取れる報酬(仲介手数料)の法定上限は厳格に決まっています。そして、通常の売却活動に伴う広告費(SUUMO等のポータルサイト掲載、一般的なチラシ作成・配布など)は、すべてその仲介手数料の中に含まれるのが大原則です。
    ◼︎売主が負担すべき「特例」とは: 例外的に売主が払わなければならないのは、「売主様から『どうしても新聞の全面広告を出してくれ』と特別に個別依頼したケース」や、「遠方の買主と交渉するための特別な出張旅費」など、通常枠を超えた特別な実費のみです。会社側が「もっと広く出したいから」という理由で提案してきたものは、通常業務の範囲内であり、売主に請求するのはルール違反(手数料の二重取り)に近い行為と言えます。

    2. 断ったら宣伝してもらえなくなる?
    「断ると干されるのでは」と心配になりますが、その心配は不要です。
    ご相談者様は「専任媒介契約」を結んでいます。不動産会社は法律上、指定された期日(専任なら2週間に1回以上)までに売却活動の状況を売主様へ「業務報告」する義務があります。また、指定のネットワーク(レインズ)への物件登録も義務付けられているため、断られたからといって勝手にネット広告を消したり、活動をやめたりすれば、明確な契約違反(処分対象)になります。

    3. 担当者と関係を壊さない「大人の断り方」
    これからも一緒にやっていく担当者だからこそ、感情的に責めるのではなく、「仕組みを盾にして優しく断る」のがベストです。

    「ご提案ありがとうございます。より広く宣伝していただけるのはありがたいのですが、当初『仲介手数料以外はかからない』というお話で予算を組んでおりました。
    また、一般的なポータルサイトへの掲載やチラシ費用は仲介手数料に含まれているものと認識しておりますので、大変恐縮ですが、今回は追加費用なしの『通常枠の範囲内』で最大限の営業活動をお願いできますでしょうか」

    このように伝えれば、相手も「この売主は知識があるな」と察し、無理な請求を引っ込めるはずです。


    【まとめ】
    今回の3万円は、支払う必要は一切ありません。
    不動産会社の営業マンが、社内の広告予算枠をケチるために売主様へ甘えているだけの可能性が高いです。毅然と、かつ丁寧に「当初の契約通りで」とお断りし、プロとして通常の売却活動をしっかり全うしてもらいましょう。


    このようなスタイルの違いで売却活動会社を切り替えていただくことは多くございます。売却活動にはそれ相応の費用がかかりますので割引を前面に出している会社様はどこかで歪みが出てくるのではないでしょうか。


    不当な出費を防ぎ、大切な戸建てが最高の条件で売却できるよう心から応援しております!
    参考になりますと幸いです。

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