不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 売却
- 60代
- 女性
-
- エリア
- 東京都国立市
-
- 投稿日
- 2026/05/13
-
- 更新日
- 2026/05/14
- [3回答]
155 view
売れる家として扱われるのが少し寂しいです。
夫婦で40年住んだ戸建てを売却予定です。
子ども達は独立し、夫も昨年亡くなりました。
今の家は広すぎるため、駅近のマンションへ住み替える予定です。
最近、不動産会社の方と売却の話を進めています。
その時に、「更地の方が売りやすい」「古家としては価値が乗りづらい」等と言われました。
合理的な話なのは分かっています。
でも、自分達が長年住んだ家を、壊した方が売りやすいものとして説明されると、少しつらくなります。
庭の木も、子どもの成長に合わせて植えたものでした。
最近は、売却準備をしているというより、生活の痕跡を消している感覚があります。
家を売る時って、皆こんな気持ちになるものなのでしょうか。
前向きな決断のつもりでしたが、少し迷いが出てきています。
-
とても自然な感情だと思います。
むしろ、40年住まれた家を「ただの不動産」と割り切れる方の方が少ないです。
ご主人との生活、子育て、季節ごとの思い出。
庭の木一本にも記憶がありますよね。
なので、売却準備をしている中で、「更地の方が売りやすい」「古家は価値が乗りづらい」という説明を受けた時に、寂しさや抵抗感が出るのは当然だと思います。
ただ一方で、不動産会社が言っていること自体は、あくまで“市場としての話”でもあります。
今の不動産市場では、
・建物の築年数
・耐震性
・間取り
・修繕履歴
などで評価されるため、古家は「建物そのものの価値」より、「土地としてどう使うか」で見られるケースが多いです。
ただ、ここで大事なのは、「売りづらい」と「売れない」は全く別ということです。
古家付きでも、その家を気に入って購入される方はいます。
実際、「この庭が好き」「建物の雰囲気を活かしたい」「壊すのはもったいない」と感じる買主様もいます。
なので、最初から感情を全部切り離して、更地一択で考える必要はないと思います。
特に急いでいないのであれば、
・まずは古家付きで販売してみる
・市場の反応を見る
・必要なら途中で更地に切り替える
という進め方も十分現実的です。
売却って、価格だけの話ではなく、“気持ちの整理”でもあるんですよね。
だから本来は、担当者も単に合理性だけを話すのではなく、「どういう形なら納得して手放せるか」
まで一緒に考えるべきだと思います。
あと、これはすごく大事なことですが、家の価値と、思い出の価値は別です。
市場価格がどうであっても、その家がご家族にとって大切だった事実は変わりません。
なので、「価値がないから壊す」ではなく、「次に繋ぐために、どういう形が良いかを考える」くらいで良いと思います。
迷いが出るのも当然ですし、無理に気持ちを切り替えなくても大丈夫です。
むしろ、そういう気持ちをちゃんと受け止めながら進めてくれる担当者かどうかは、住み替えではかなり大事だと思います。 -
専門家として3つのポイントでまとめました。
1. 「更地」を勧められる理由と、隠れた選択肢
不動産会社が更地を勧めるのは、建売業者などへの「効率的で確実な売却」を優先しているからです。 しかしこれは一つの側面に過ぎません。
◆業者の視点: 古家は「解体費用がかかる障害物」と見なされがち。
◆個人の視点: リノベーション素材や、育った庭木に価値を感じる「古家の趣を愛する層」も確実に存在します。
2. 売却は「消去」ではなく「バトンタッチ」
長年大切に住んできた「生活の痕跡」は、家を丁寧に育てた証です。売却を過去を消す作業ではなく、「次の世代へ想いを繋ぐ儀式」と捉え直すことで、心の負担を軽くできるかもしれません。
3. 納得感のある売却のための具体的なアクション
「壊したくない」という気持ちを無視せず、以下の方法で納得のいく道を探ることを勧めています。
◆共感してくれるパートナー選び: 効率だけでなく、売主の想いに寄り添い、家の魅力をポジティブに伝えてくれる不動産会社を探す。
◆現状渡しでの売却(販売活動): 解体せず、今の姿のまま住み継いでくれる人を探してみる。
◆思い出を繋ぐ工夫: 庭木の一部を移植するなど、物理的に思い出を残す。
もし今の担当者に違和感があるなら話を無理に進めず、価値観を共有できる専門家に「セカンドオピニオン」を求めるのが最善のステップといえそうです。
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独りで暮らすには広すぎて、今後管理も困難になるため売却して転居するとの判断は、確かに合理的な決断です。また、不動産業者がより販売を有利にするために解体を推奨するのも、一定の整合性があると言えるでしょう。
ですが、40年家族と暮らした我が家は、そこで子育てをし、季節を感じ、ご主人と二人三脚で日々を積み重ねられたかけがえのない思い出が詰まっているでしょう。その我が家を有利に売却するためとはいえ解体するのは、人生の幕を閉じる感覚を受けて当然です。手放すのは仕方がないにしても、できるならそのまま住み続けてくれないかと願うのは、誰しもが抱く感情です。
私も同様のケースを手掛けたことはありますが、解体に立ち会われた方が涙を拭われていた姿が印象に残っています。想像に過ぎませんが、言葉にできない数々の思い出や寂しさが去来したのでしょう。
建物は、経年劣化によっていずれ役目を終えますが、その家で築いた家族の歴史までが失われるわけではありません。庭の木も、日々の暮らしもその家が存在したから生まれた人生として、相談者様やお子様の記憶に残り続けます。
慰めにしかならないかも知れませんが、家や庭の写真を数多く残されると同時に、ゆっくりと家を見て回るだけでも多少は気持ちは安らいでいくでしょう。前向きな住替えと寂しさは、常に同時に存在しているのです。