不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/24

    奥林洋樹

    H.L.C不動産コンサルティング

    • 50代
    • 北海道
    • 男性
    • 専門家

    ご相談を拝見しました。

    建物構造が記載されていませんが、分譲マンションですからRC造であるとして回答いたします。

    ◯中古マンションの耐用年数をどのように計算すればよいのでしょうか?

    まず、RC造の法定耐用年数は47年(税金の計算上便箋的に決められた利用年数)で償却率は0.022となります。

    減価償却費の計算は、建物の購入価格に償却率を掛けることで算出します。

    「購入価格✕償却率=減価償却費」

    この計算式を相談者様のケースに当てはめると3,200(万円)✕0.022=70.4万円となり、減価償却費は70.4万円/年であることが分かります。

    さらに、相談者様の場合は中古で購入されていますので取得時の耐用年数を求める必要があります。その場合、計算式は以下を用います。

    取得時の耐用年数=(新築時の耐用年数-経過年数)+経過年数✕0.2

    この計算式を相談者様のケースに当てはめると、37年(小数点以下切り捨て)が耐用年数となります。

    (47-12)+12✕0.2=37.4年

    ◯建物と設備の按分はどのようにすべきですか?具体的な比率はありますか?

    設備の耐用年数は国税庁から「主な減価償却資産の耐用年数表」が公開されていますので、そちらを確認してください。工事明細があれば建物と付属設備を減価償却資産の耐用年数表に基づき分けられますが、中古の場合は工事明細を取得できないことが多く、そのため一括して償却するのが一般的です。ただし、この方法は納税者が不利となります。

    しかし、比率に関する具体的な方法は示されていません。

    付属設備の耐用年数を巡って争われた際「建物の取得価格を合理的な方法により建物本体及び建物付属設備に区分する必要がある」と国税不服審査所が述べていることから、売買価格の20~30%を付属設備の額とするような計算方法はふさわしくないことが分かります。工事明細を入手する、もしくは難解な計算方法となりますが「再建築費評点算出表」を用いて計算するのが妥当でしょう。

    尚、「再建築費評点算出表」について解説すると長くなりますので割愛します。

    ◯定額法と定率法、どちらを選択すべきでしょうか?それぞれのメリット・デメリットは?

    定率法は計算が複雑であるため、中古マンションの場合には定額法を採用するのが一般的です。定率法は初年度に多く償却し、以降は年々償却額を減少させる方法ですから短期間で売却する予定の投資物件に適しています。ただし、計算方法は複雑です。採用するなら税理士への相談が不可欠です。

    ◯リフォーム費用(キッチンとバスルームを改装、計250万円)は減価償却にどう影響しますか?

    リフォーム費用は、取得価格に含めて償却することができます。


    ◯確定申告書のどの欄に減価償却費を記入すればよいのでしょうか?

    減価償却費は確定申告書の「不動産所得」の欄に記載します。

    回答は以上ですが、不動産投資に関する税金は複雑なため慣れるまでの間は税理士に相談しながら進めることをお勧めします。

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