不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 相続
- 40代
- 女性
-
- エリア
- 千葉県勝浦市
-
- 投稿日
- 2025/01/10
-
- 更新日
- 2025/01/12
- [3回答]
468 view
家族信託とは?わかりやすい解説が欲しいです!
40代主婦です。
年配の父の不動産についてどうするか話が出ていて、
家族信託について調べているところです。
調べれば調べるほど、複雑だったり分かりづらかったりで
ちゃんと理解できているか不安です。
家族信託も視野に入れているので、詳細の解説と(できれば簡潔にわかりやすくだと幸いです)
家族信託が向いてるのはどんな人なのか、教えていただきたいです。
-
ご質問拝見しました。
お父様の不動産について家族信託を検討しているがなかなか理解が難しいということですね。
家族信託(法的には民事信託という)はおっしゃるように複雑なので本でちょっと調べて理解できるものではありません。一言で言うと、大切な財産(例えば不動産や預貯金、事業承継の株式、最近は動産としてのペットも信託できます)を、信頼できる家族に託し、その管理・運用・処分を任せる仕組みです。法的(信託法)な登場人物は、委託者、受託者、受益者の3者になります。信託法に準拠した家族間の契約ですので、元気な間⇒認知⇒相続⇒連続して受益者を設定するなどかなり柔軟な設計が可能になります。
不動産関係で適用できる典型事例としては、お父様が認知症になって賃貸マンションの管理ができなくなる時に備えて、委託者=受益者をお父様、受託者を例えば長男にして、お父様と長男の間であらかじめ公正証書で家族信託契約を作成しておきます。長男に管理や処分の権限を与えておけば、認知症になっても長男が自分だけで管理処分することが可能になります。認知症になっては法律行為ができなくなります。
信託を設定するときにはいくつかの注意点があります。
・前提として家族間に信頼と理解がないと成り立たない。
・家族信託の設定の目的をしっかりと契約書上定めること。
・受託者は無報酬(契約で報酬を定めてもよい)で、長期間にわたる管理義務を無限責任でおうことになるので責任重大であること。
・信託される不動産は名目上、名義が受託者に移ることになること。(信託登記がされる)
・信託の終了事由と信託財産の帰属先を決めておくこと。通常、信託設定の目的が達成されれば信託は終了する。法律上の終了事由もある。
・委託者と受益者が異なると、信託財産が受益者に贈与されたことになり多額の贈与税がかかる。(他益信託といいます) 贈与税を回避するために通常は、委託者=受益者にした受益信託にしておくこと。
・税務署へ報告が必要なこと。
家族信託を視野にいれているということですので、他制度との比較をして最適な制度の選択や組みあわせをするとよいでしょう。家族信託コーディネーターなどの専門家に相談しながら、遺言書、財産管理委任契約、任意後見、法定後見と比較して、家族信託が最適な解という結論に到達するには、ご家族でやりたいことを明確にして合意する必要があります。全体のスキーム作りは、委託者であるお父様、受託者である長男、そして専門家の3者で綿密に打ち合わせて、契約書は別の専門家に作成を依頼するなど、契約上の瑕疵がないように十分に注意して作成する必要があります。また、遺言書、任意後見契約、家族信託を財産や目的を切り分けて併用することも可能です。
以上参考になれば幸いです -
ご相談を拝見しました。
家族信託について調べると、専門用語を多用した解説などが散見されるので難しいと感じる方が多いですね。
まず、委託者、受託者、受益者という用語を正確に理解する必要があります。
委託者: 自分の財産を託す人(通常は財産の所有者)
受託者: 財産を管理・処分する人(通常は家族)
受益者: 財産から利益を受ける人(通常は委託者本人)
単純に表現すれば、家族信託とは委託者が、自分の財産を信頼できる家族(受託者)に託し、その家族は委託者(受益者)のために財産を管理・処分する制度です。
制度を利用する目的は、主に以下の3つです。
1. 認知症など、判断能力が低下した場合における財産凍結の防止:例えば、認知症になった場合、銀行口座が凍結され、生活費の引き出しができなくなることがあります。家族信託を利用すれば、受託者が代わりに引き出し、受益者の生活費を確保できます。
2. 相続への備え:相続手続きは複雑で、時間がかかることがあります。家族信託を利用すれば、事前に財産の管理方法を決めておくことで、相続手続きをスムーズに進められる可能性が高まります。
3. 財産管理の委託:財産管理は専門的な知識が必要な場合もあります。弁護士や司法書士を受託者にした場合、専門的なアドバイスを受けながら財産を管理できます。
したがって、財産が少なく相続で揉める可能性が低い場合や、被相続人に認知症の傾向がみられず、自ら財産管理できる場合はメリットを享受できません。
それ以外にも、専門家へ委託する場合にはその費用、手続きが煩雑である、家族間のトラブルに発展する可能性があるなどのデメリットもあります。
いずれにしても家族信託を行うには専門的な知識が必要なため、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。
以上、簡単に家族信託の説明をさせていただきました。お悩み解決の一助となれば幸いです。
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登場人物は3名、まずは委託者。財産の所有者で信託することを決定する人です。家族信託の場合は年老いた親が相当します。
次に、受託者です。財産の運用を行う人です。運用といっても家族信託の場合、残された家の管理や預貯金の管理が主でしょう。家族信託の場合、家族のだれかが受託者となって管理運営をします。
最後は受益者です。信託によって利益を得る人です。家族信託の場合、親でしょうから、受益者は委託者と同一人物ということになります。
家族信託がクローズアップされた背景としては、従前からある成年後見人制度が使いにくいからです。後見人は家族ではなく裁判所が指定します。たいていは弁護士・司法書士が選ばれ、家族が選ばれるのは2割以下です。
成年後見人制度では、本人に代わって財産上の利益を確保することなので、家族が本人を施設に入れたいので家を売却したいといってもなかなかOKを出してくれないケースが多いのです。
家族信託では上述のようなケースにも対応できるので、より現実的な選択肢だと言えます。ただし、スタート時点である信託契約の締結時に、すでに判断能力を失っている場合には残念ながら成年後見人制度しか選択肢がなくなってしまいます。