不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/04

    角田浩崇

    イエステーション博多店 (株)コムハウス

    • 30代
    • 福岡県
    • 男性
    • 不動産会社

    はじめまして、イエステーション博多店 ㈱コムハウスの角田と申します。

    離婚後に妻の持分をどう扱うかについては、以下の2つの選択肢が考えられます。どちらを選ぶかによって手続きやリスクが変わりますので、それぞれ詳しく解説します。

    1. 妻の持分を移転(買い取る)する場合
    妻の1/4の持分をあなたに移すことで、不動産を完全に単独名義にすることができます。この場合、以下の手続きを行います。

    (1) 持分の買い取り
    価格の決定
    不動産会社に査定を依頼して価値を把握しましょう。

    代金の支払い
    妻の持分を買い取る際に、現金で一括払いするか、分割払いで合意することが一般的です。

    (2) 所有権移転登記
    妻の持分をあなたに移すため、不動産登記を変更します。
    必要な書類:
    ・登記申請書(法務局で入手)
    ・離婚協議書(持分移転の理由を記載)
    ・登記原因証明情報(譲渡契約書や贈与契約書など)
    ・妻の印鑑証明書と署名捺印
    ・登録免許税がかかります。
    税額は以下の通り:
    売買の場合:持分評価額の2%
    贈与の場合:持分評価額の2%
    自分で行うのが難しい場合は、司法書士に依頼するとスムーズです。

    2. 妻の持分をそのままにする場合
    妻が1/4の持分を持ち続けたまま離婚後もあなたが住み続けることは可能ですが、以下のリスクと注意点があります。

    (1) 共有名義の問題
    将来的な売却の制約
    持分が共有されていると、将来その不動産を売却する際、妻の同意が必要になります。特に離婚後、妻と関係が希薄になった場合、協力を得るのが難しくなる可能性があります。

    使用料の請求リスク
    妻が持分を所有している限り、その権利に基づいて「不動産の使用料」を請求することが可能です。現状請求がなくても、将来的に主張される可能性を考慮する必要があります。

    (2) トラブルの回避が難しい
    妻が持分を第三者に売却することも法的には可能です。知らない第三者が共有者として登記される可能性があり、それによりトラブルが発生することがあります。

    3. 税金や費用についての考慮
    贈与税の発生
    妻が持分を無償で譲渡した場合、贈与税が発生する可能性があります。

    無償譲渡の場合、妻から夫への贈与とみなされ、贈与税の非課税枠(年間110万円)を超える部分に税金がかかります。売買形式で譲渡すれば贈与税の発生を避けられますが、適正な売買価格を設定する必要があります。

    登録免許税
    所有権移転登記にかかる登録免許税が必要です。これは持分評価額の2%(売買や贈与の場合)です。

    譲渡所得税
    妻が持分をあなたに売却した場合、妻には譲渡所得税が課税される可能性があります。ただし、居住用財産の場合、一定の条件下で3,000万円の特別控除を受けられる場合があります。

    4. どちらを選ぶべきか
    妻の持分をそのままにすることも法的には可能ですが、以下の理由で「買い取る」選択肢を検討する方が安全です:
    ・将来的なトラブルを防ぐため
    ・売却や再利用の自由度を確保するため
    ・財産の所有と権利を明確にするため

    5. 次のステップ
    妻と話し合い、合意を得る
    持分の買い取りについて、価格や条件を協議します。

    不動産会社に査定を依頼
    妻の持分の適正価格を把握します。

    司法書士や税理士に相談
    所有権移転手続きや税務リスクについて専門家に確認します。

    所有権移転登記を行う
    必要な書類を準備し、登記変更を行います。

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2019/06/03

    脇保雄麻

    株式会社ユー不動産コンサルタント

    • 40代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    まず慰謝料だったり子供の養育費だったり財産分与だったり揉めていなくて夫婦で話し合いがついているという前提での話になりますが、持分を移す手続きに関してと持分をそのままにしておく事に関しての話をします。

    <持分を移す手続きに関して>

    銀行との交渉が必要です。住宅ローンを組んだ際に収入合算で購入していたのであれば、担保が不足して銀行に対して内入れが必要になったり、債務者も共有になっていたら抹消の同意を得なければなりません。また、登記記載事項の変更が必要になりますので登記費用が必要になってきます。登記上共有で所有されているという事は、銀行との金消契約の
    際に連帯債務としての契約、または担保提供としての同意等なんらかの形で共有者が銀行で記名押印をしている書類を提出しております。

    <持分をそのままにしておく事に関して>

    まずは毎年かかる固定資産税等に関してですが、仮に離婚後に世帯が別になったとしても納税通知書は今まで通りに送られてくると思います。しかしながら、固定資産税等の納税義務者は共有者全員に納税義務が課せられております。万が一、固定資産税の滞納があった場合は、共有者にも支払督促が行く可能性があるという事です。

    次に持分をそのままにしておく事の問題点としては、仮に売却することになった場合は共有者の同意が無ければ売却することが出来ないのが不動産売買の原則です。不動産を共有で所有されているという事は、その分の登記識別情報も存在しております。共有者全員分の登記識別情報や印鑑証明また身分証明書も確認が必要です。万が一、離婚後に売却とい
    う話になって登記記載上の共有者と連絡が取れないとなった場合は、売ることが出来ない不動産になってしまうという事です。
    また、持分をそのままにしておいて、相手方が亡くなられた場合は、相続が発生してきます。登記上持分だけが残っていると相手方の相続人に説明するにも根拠となるものが必要になってくるはずです。

    いずれにせよ、共有持分をそのままにしておくには問題は出てきます。登記費用が掛かってくる話ですが持分を移しておくことがよろしいかと思います。

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