不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2024/12/09

    角田浩崇

    イエステーション博多店 (株)コムハウス

    • 30代
    • 福岡県
    • 男性
    • 不動産会社

    はじめまして、イエステーション ㈱コムハウスの角田と申します。

    借地権を地主に返却する(返還する)場合、慎重に進める必要があります。以下に、具体的な流れと注意点をまとめました。

    1. 借地権の確認
    まず、借地契約の内容を確認してください。
    ・契約書の確認:借地契約書を確認し、契約期間や更新条件、解約の条項などを把握します。
    ・借地権の形態:借地権(建物所有目的)であるか、地上権や賃借権のどちらかを確認します。

    2. 借地権の相続と返却の手順
    借地権は通常、財産として相続人に引き継がれます。ただし、使用予定がない場合は地主と話し合い、契約を終了させることができます。
    ① 地主との相談
    ・意向を確認:地主に連絡を取り、借地権を返却する意向を伝えます。
    ・合意を形成:借地権の返還について地主と合意する必要があります。返還時には、建物の扱いや敷地の現状回復についても話し合います。

    ② 建物の取り壊し
    借地契約では、「建物がなくなった時点で借地契約が終了する」ケースが多いです。
    建物の解体費用は借地権者(あなた)側で負担することが一般的です。
    地主が建物を引き取る場合もあるため、事前に相談してください。

    ③ 借地権の扱い
    地主に返却する場合、以下の形で解決する場合があります。
    ・借地権の買い取り:地主が借地権を買い取る場合、金銭の交渉が発生することがあります。
    ・無償返却:地主との関係や状況により、無償で返却するケースもあります。

    ④ 契約解除の手続き
    借地契約を正式に解除するための手続きを行います。
    契約解除の合意書や覚書を作成し、内容を明確にしておくことが重要です。

    3. 法的な注意点
    ・借地権の相続放棄について
    相続時に借地権を放棄する場合でも、事前に地主と交渉しておかないとトラブルになる可能性があります。

    ・原状回復義務
    借地返却時には、土地を原状回復する義務があります。建物を解体して更地に戻す必要があるか確認してください。

    ・地主の意向に注意
    地主が借地権返却を拒む場合や条件を提示してくる場合もあるため、交渉を慎重に進めましょう。

    4. 専門家に相談する
    借地権の返却には法律的な問題や地主との交渉が絡むため、専門家に相談するとスムーズです。
    ・弁護士:借地権の返却交渉やトラブル防止のため。

    ・司法書士:相続手続きや契約解除の書類作成でサポート。

    ・不動産会社:借地権の買い取りや返却交渉の仲介。

    5. トラブルを防ぐポイント
    ・地主との書面による合意:口頭での約束だけでなく、書面を残しましょう。

    ・建物の解体費用の明確化:解体業者の見積もりを取り、費用を明確にする。

    ・早めの行動:相続発生後に返却交渉を開始するよりも、事前に話を進めておくほうが負担を軽減できます。

    (まとめ)
    借地権を返却する際には、地主としっかり話し合い、書面で合意を取り交わすことが重要です。建物の解体や契約解除の手続きが必要になる場合もあるため、専門家の力を借りて進めると安心です。不安な点があれば弁護士や不動産会社に相談し、スムーズな解決を目指してください。

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    投稿日
    2019/06/05

    脇保雄麻

    株式会社ユー不動産コンサルタント

    • 40代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社

    借地権契約書はありますか?特約事項に記載されている項目があるかもしれません。

    ただ、借地権の原則は建物所有目的とした土地賃貸借権利です。借地権自体は借地借家法という法律に基づいております。地主に借地権を返還する場合、借地者下方第十三条に建物買取請求権があります。

    (建物買取請求権)
    第十三条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

    2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。

    3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
    借地契約が期間満了により終了しようと、借地契約期間が残っていようと建物買取請求権は借地権者にあるという事です。

    ここで建物買取請求権があるといっても「建物が古くて建物の値段なんてつかないよ」と思いがちですが、借地権の建物買取請求権は場所的利用価値も含めてのことです。路線価図を見ると借地権割合が記載されていると思います。借地権割合とは更地評価額の借地権価格の割合のことです。

    ですので、建物がどんなに古くても借地権割合の価格は含まれるべきなのです。ちなみに、地主が借地権者から借地権を無料で返還知った場合は、地主に対して税務署から贈与税が課されます。借地権という価値ある権利を借地権者から贈与を受けたと解釈されるからではないでしょうか?

    また、借地借家法第13条の建物買取請求権を排除する特約事項が借地契約書に記載があったとしても、その特約自体が無効となってしまいます。借地権自体は第三者へ売却することも可能ですし、ご質問者様がご自身で利用することが無いという事であれば建替えて賃貸等有効活用する事だった可能です。しかし、その際は地主の承諾が必要になります。

    いずれにせよ、一度専門家にご相談されてみることをお勧めします。

以下の記事もよく読まれています

無料で不動産の相談をする