不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/07/17

    ご相談拝見致しました。

    固定資産税のシミュレーション結果に驚かれたとのこと、非常によくある反応です。特に子育て費用や住宅ローンと並行して、年間15万円近い出費はじわじわと効いてくる負担ですよね。

    まず前提として、4,500万円前後のマンションで、築5年という条件を踏まえると、年間の固定資産税+都市計画税で15万円弱という水準は、正直なところ「少し割高と感じるでしょうが、妥当」です。課税標準額が3,800万円程度というのも珍しい数値ではありません。

    課税標準額は、役所で「固定資産評価証明書」や「課税明細書」を取得すれば正確に知ることができます。売主や仲介担当者が本年度または昨年度分の固定資産税通知書を持っている場合もあるので、確認できれば安心材料になります。

    築5年ということであれば、新築時に適用される「固定資産税の建物部分1/2軽減(3〜5年間)」の優遇措置はすでに終了しており、今後は基本的に通常評価がベースになります。中古購入の場合は、この軽減措置は引き継がれません。

    「何か減免措置や工夫はないか?」という点についてですが、原則として中古マンションに対して個別に固定資産税を減免してもらう制度はほとんどありません。ただし、以下のような他の優遇制度はあります。

    ・住宅ローン控除(※築25年以内で他適用要件を満たせば可能)

    ・火災保険料の見直し(長期契約や耐震・耐火性能によって割引が効く場合あり)

    ・省エネ・低炭素住宅の認定がある場合は、税制上の優遇措置がある可能性も(主に新築時に取得)

    また、築年数が進むにつれて建物の評価額は毎年少しずつ下がるため、10年・15年と経過する頃には、固定資産税額も少しずつ軽減されていく傾向はあります。ただし土地の評価は下がらないことも多いので、全体の税額が劇的に減ることは期待しにくい点も覚えておいてください。

    「固定資産税=家を持った後にずっとかかる“隠れたランニングコスト”」という認識を持ちつつ、総合的に家計に無理がないか、今一度冷静に見直しておくと安心です。気になる点があれば、評価証明書や税額明細を確認してから契約に進んでいただくべきと感じます。

    【同じくランニングコストにおける管理費等について】

    管理費・修繕積立金の目安(築5年・国交省ガイドラインより)

    ・管理費
    共用部の維持・管理にかかる費用。
    → 月額 200〜300円/㎡(70㎡なら14,000〜21,000円程度)

    ・修繕積立金
    将来の大規模修繕に備える積立金。
    → 月額 200〜250円/㎡(70㎡なら14,000〜17,500円程度)

    ・合計の目安
    → 月額 400〜550円/㎡(70㎡なら28,000〜38,500円)

    ※注意点
    ・新築は初期設定が低めなケースが多く、10〜15年で増額することが多い

    ・築5年なら、ちょうど見直しタイミングが近づいている可能性あり

    ・「長期修繕計画」「総会議事録」のチェックが重要です。



    ご参考となれば幸いです。

以下の記事もよく読まれています

無料で不動産の相談をする