不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2025/12/03

    はじめまして、イエステーション博多店・箱崎店 ㈱コムハウス 角田です。

    読ませて頂きました。内容整理して、ご説明させて頂きます。

    結論(まず押さえるべきポイント)
    住宅ローンが残っていても賃貸に出すことは可能です。
    → ただし銀行の「転貸(賃貸)許可」が必要で、許可されないケースも多い。

    許可されても、あなたが運用に関わる必要は一切ない。
    → 財産分与・慰謝料とは別次元の話であり、
    「離婚後も夫と共同事業を続ける」ような形になるため、通常は避けるべき。

    あなたが“関係を断ちたい”のであれば、売却が最もシンプルで安全。
    1. 住宅ローンが残っていて賃貸できるのか?
    ■ 原則:勝手に賃貸へ出すのは「契約違反」
    住宅ローンは「自己居住用」が前提。
    勝手に賃貸すると、一括返済を求められる可能性あり(契約違反)。

    ■ 賃貸したい場合
    銀行の承諾が必要
     → 「転貸承諾」「賃貸転用の相談」といった手続きが必要。

    銀行は以下を懸念するため、断るケースも多いです:
    空室リスク
    家賃収入では返済が不安定
    離婚後のトラブル

    ■ 実務上の現実
    離婚直後の名義変更や住まない状況での賃貸化に、銀行は消極的。
    夫名義の物件なので、あなたが許可申請に関わる必要も義務もゼロ。

    2. 「運用して家賃を折半」案の問題点
    あなたがこの案を避けたいのは正しい判断です。
    理由は明確で、専門家としてもあまりオススメしません。

    ■ ① 離婚後も金銭面で“共同経営者”になる → ずっと縁が切れない
    家賃の入金
    修繕費の負担割合
    入居者対応
    空室時の負担
    売却タイミングの協議
    → 離婚後もずっとやり取りが発生します。

    ■ ② トラブル発生時に責任の所在が曖昧
    水漏れ、クレーム、滞納など
    管理業者との契約
    税金処理(申告義務と按分)
    → 全て折半案だと複雑化

    ■ ③ 家賃折半は“財産分与の代わり”にならない
    家賃収入は「共有財産の清算」ではなく「継続的な収入共有」。
    財産分与は原則清算一回で完了すべきもので、
    「将来収入を折半」は分与として法的に成立しません。

    ■ ④ 元夫の一方的な有利案
    名義は夫
    ローン返済義務も夫
    将来価値上昇すれば夫だけが得する
    下落すればあなたに不利になる“再交渉”を求められる可能性
    → あなたはリスクだけ負い、権利が極めて弱い。

    3. あなたが安全に「断る」ための理由(専門的な伝え方)
    相手に感情的と捉えられないように、“法律・金融・実務の観点”で断る理由を使うと確実です。

    ■(1)銀行の承諾が必要で、勝手に賃貸に出すと金融機関への契約違反
    → 「私としては契約違反に関わることはできません。」

    ■(2)離婚後も共同管理になるため、適切な財産分与として認められない
    → 「財産分与は一度きりで完了するべきと弁護士からも指摘されています。」

    ■(3)修繕・空室・滞納など、離婚後にトラブルで連絡を取り続ける必要がある
    → 「離婚後の生活を安定させたいので、継続的な共同運用には関与できません。」

    ■(4)あなたは名義人でもなく、運用権限も責任も負えない
    → 「名義が夫のままの物件を共同で運用するのは適法性にも実務にも問題があります。」

    4. あなたの望み(関係を断ちたい)を実現する解決策
    ■ ① 売却して財産分与
    最もトラブルが少なく、安全で、法律的にも推奨されるルート。

    ■ ② 夫が“住まずに賃貸する”場合でも、あなたが関わらないことを条件にすべき
    あなたは財産分与としての受け取りを確定

    賃貸運用の収支・トラブルは、全て夫の責任
    → 家賃折半ではなく、「売却した場合のあなたの取り分を一括で清算」する方法も可能。

    ■ ③ 名義変更して財産分与後、完全に縁を切る方法もあり
    財産分与として現金を受け取る
    家は夫が持つ、運用も夫のみで行う
    → あなたは完全に関与しない

    5. 法律面で相談すべき専門家

    以下の専門家に早めに相談するのが安全です。

    ■ 不動産 + 離婚 に強い専門家
    弁護士(離婚案件に詳しい)
    司法書士(名義変更・財産分与登記)
    不動産売買に詳しい宅建士(売却価格の査定)

    6. 最終アドバイス(不動産の専門家として)
    “離婚後の共同運用”は、
    赤字になるか黒字になるか以前に、必ず人間関係のトラブルが起きます。
    ビジネスパートナーでも難しいのに、
    関係を断ちたい元配偶者と共同運用は、普通の不動産会社も絶対に勧めません。
    あなたが望む「関係を断ちたい」を実現するには、
    ✔ 売却
    ✔ 現金で財産分与
    ✔ 以後は一切関与しない
    この流れが最も安全で確実です。

    以上、参考になれば幸いです。

  • 私が回答します

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2025/09/01

    離婚が決まり家の売却か賃貸で揉めており、相談者様としては関係を断ちたいのですね。
    離婚手続は精神的にも大変な作業です。心中、お察しいたします。

    まず、居住しない家の住宅ローンの継続は原則NGですが、可能かどうかは銀行に条件を確認してください。無断で賃貸に出すと契約違反で一括返済を求められることもあります。また、仮に売却する場合でもオーバーローン(ローン残債>売却高―手数料)の場合の負担割合も想定する必要があります。

    今後の生活面を考えると賃貸はお勧めできません。関係性が続くことと、賃貸収入の確定申告が発生し家の減価償却などかなり面倒な計算になり避けた方が無難です。

    関係性を断ち切るには、費用は少し発生しますが離婚を得意とする弁護士に相談して今後の夫とのコンタクトも弁護士経由にすることで精神的な苦痛も少しは軽減できます。離婚条件の交渉の中で、財産分与は一つですが家は夫に譲るがその分、お金で精算してほしいなど弁護士を入れて有利に交渉できるような体制をつくります。夫も弁護士をつけてくることも考えられます。双方、納得いくような条件を模索する以外にありません。

    交渉がまとまらなければ家庭裁判所に調停の申し立てをすることも可能です。そこでも解決しないと、次のステップとして審判で裁判所が決める(判決と同じ確定)ことになります。

    以上ご参考まで。

以下の記事もよく読まれています

相談先を選択してください

個人情報保護方針に同意の上、送信ください。

相談テンプレート

住み替えを検討しています。下記物件を売りたいのですが、いくらで売れるでしょうか。
直接◯◯さんに相談したいです。

所在地:品川区〇〇
築年数:15年
間取り:3LDK
専有面積:72㎡
階数/総階数:8階/20階建
管理費・修繕積立金:25,000円/月
現在この物件に住んでいます。

無料で不動産の相談をする