不動産お悩み相談室
REAL ESTATE Q&A
- 相続
- 60代
- 女性
-
- エリア
- 東京都世田谷区
-
- 投稿日
- 2026/06/07
-
- 更新日
- 2026/06/08
- [2回答]
56 view
父が節税目的で買ったアパート、来年の税制改正で節税効果がなくなる?
80代の父が3年前、税理士のすすめで「相続税の節税になる」という理由で都内の中古アパートを購入しました。
路線価で評価されるので相続財産が圧縮できる、という話でした。
先日友人と食事していた際「来年から賃貸用の不動産の評価方法が変わるって」と言われました。5年以内に購入した不動産は時価で評価されると。
友人も詳しく把握していないようでしたが、父のアパートも該当するのでは?と言われました。
これは具体的にどう変わったのでしょうか?何か対策はありますか?
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ご相談を拝見しました。
相続(または贈与)前の5年以内に対価を伴う取引で取得・新築された一定の賃貸用不動産については、従来の路線価や固定資産税評価ではなく、取得価格を基に地下の変動率を考慮して計算した価格の80%で評価できるとした、令和8年度の税制改正についてですね。この見直しは、2027年1月1日以降に発生する相続や贈与に適用されるため、相談者様のケースも対象とされます。
これは、従来方式における評価額の乖離を利用して、相続税を意図的に減額する事例が散見されたことにより見直された制度です。そのため、5年を経過するまで特段の対策は存在せず、貸付用不動産の相続税評価方法に基づき申告する必要があります。
とはいえ、購入されたのは3年前とのことですから、あと2年経過すれば路線価や固定資産税評価による評価、つまりは従来通りの評価方法で申告することができます。あくまでも、相続等の発生5年前に限定されている点にご留意ください。
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まず結論から言うと、「5年以内に購入した賃貸不動産は時価評価になる」
という理解は正確ではありません。
この手の話は最近かなり誤解が広がっています。
実際に変わったのは、極端な相続税対策を目的とした不動産購入に対して、
税務署が評価額を補正する考え方が明確になったという部分です。
きっかけは有名な最高裁判決で、相続直前に多額の借入をして高額な収益不動産を購入し、
路線価評価と時価の差を利用して大幅な相続税圧縮を行ったケースでした。
その後、国税庁が新しい評価ルールを導入し、
一定の場合には市場価格との乖離を補正する仕組みになっています。
ただし、「アパートを買ったら全部ダメ」「5年以内なら全部時価評価」という話ではありません。
ご相談のお父様の場合、3年前に購入、賃貸運営中、税理士の提案で購入ということですが、
実際に影響があるかどうかは、購入価格、現在の評価額、借入状況、賃貸状況、建物割合
などを見ないと判断できません。
そのため、今から慌てて売却する、相続対策をやり直すという話ではないと思います。
私が気になるのは別の部分です。
「友人から聞いた話」「ネットの記事」で不安になるお気持ちは分かりますが、
本来はこの手の話こそ税理士が説明すべき内容です。
なぜなら、相続税対策として購入したのであれば、現在の相続税評価額はいくらなのか、
新ルールでどの程度影響があるのか、相続税がどのくらい変わるのか
を把握しているのは担当税理士だからです。
正直なところ、税制改正があった⇒節税効果がなくなるかも⇒どうしようではなく、
まずは税理士に「父のアパートは新しい評価ルールの影響を受けますか?」
と聞くべきだと思います。
数字を持っている専門家に確認するのが一番早いです。
私の感覚では、3年前に購入した都内アパートだからといって、
急に節税効果がゼロになる可能性は高くありません。
ただし、当初想定していた節税額より効果が小さくなる可能性はあります。
不動産も税金もそうですが、制度が変わるたびに「もうダメだ」という話が出ます。
実際には、全く効果がなくなるケースより、
想定より効果が少し減るケースの方が圧倒的に多いです。
ですので今やるべきことは、慌てて対策を考えることではなく、
購入時に提案した税理士へ現在の評価額と相続税試算を出してもらうことです。
数字が出れば不安はかなり減ります。
逆に数字がないまま想像だけで考えると、必要以上に心配してしまいます。
相続税対策は不動産だけで決まるものではありません。
預貯金や他の資産も含めた全体設計です。
まずは現在の状況を数字で把握することから始めるのが一番現実的だと思います。