不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/18

    まず結論から言うと、この話は「どちらが得か」を感覚で判断するのではなく、
    本当に計算して比較するしかありません。

    ただ、ご相談内容を見る限り、私はまず3,000万円特別控除を使う方向から検討すると思います。

    なぜなら、今の数字だけを見ると譲渡益がかなり出ている可能性が高いからです。

    例えば、

    購入価格 4,150万円
    売却価格 5,700万円前後

    だとしても、そのまま1,550万円の利益という計算ではありません。

    購入時の諸費用や売却時の仲介手数料なども差し引きますし、建物部分は減価償却もあります。

    それでも9年前購入のマンションが5,600万円~5,850万円で売れるのであれば、
    課税譲渡所得がそれなりに発生する可能性は十分あります。

    もし3,000万円特別控除を使わなければ、
    その利益部分に対して約20%前後の譲渡所得税・住民税がかかる可能性があります。

    一方で住宅ローン控除です。

    ここで勘違いされる方が多いのですが、
    住宅ローン控除は「借りた額全額が戻る制度」ではありません。

    借入額や住宅性能、入居時期などによって上限がありますし、
    所得税や住民税で実際に引ききれる範囲までしか恩恵は受けられません。

    ですから、「住宅ローン控除を10年受けられる」イコール「必ず数百万円得をする」
    という話ではありません。

    ご主人の年収、ご夫婦の所得状況、借入額、
    住宅の要件によって実際の控除額は大きく変わります。

    実務では、

    譲渡税が200万円発生するケース
    住宅ローン控除の恩恵が10年間で150万円程度のケース

    であれば、3,000万円控除を選んだ方が有利になります。

    逆のケースもあります。

    だからこそ、この問題は制度の知識よりも数字の比較が大切です。

    私なら、

    まず売却価格をある程度固める
    次に譲渡所得税がいくらになるか計算する
    その上で住宅ローン控除の総額を試算する

    この順番で判断します。

    不動産の相談を受けていると、「どちらがお得ですか?」という質問は本当に多いのですが、
    このケースは制度論では答えが出ません。

    税理士や不動産会社に数字を出してもらえば、実は30分程度で比較できる話です。

    むしろ気になったのは、査定額が5,600万円~5,850万円という点です。

    売却価格によって譲渡益も変わりますし、最終的な税額も変わります。

    まずは売却戦略を固め、
    その価格帯で実際の譲渡税を計算してから住宅ローン控除と
    比較するのが順番としては正しいと思います。

    税金は「どの制度が有利か」ではなく、「自分の数字で計算するとどうなるか」です。

    今回のケースはまさにその典型だと思います。

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