不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    小川佳宏

    小川FP・行政書士事務所

    • 60代
    • 愛知県
    • 男性
    • 専門家
    投稿日
    2026/10/18

    離婚協議で独身時代に購入したマンションの財産分与で配偶者様と意見が分かれているのですね。

    独身時代に購入し、名義が相談者様単独であっても、結婚後に夫婦の生活費(法律上は夫婦共有の財産)から住宅ローンを返済していた場合、その返済によって形成・維持された資産価値は「実質的な夫婦の共有財産」とみなされます。そのため、「独身時代に購入したから全額が対象外」とはならず、結婚前の出資部分(特有財産)を除いた、結婚後の返済に相当する価値部分が財産分与の対象となります。

    計算方法はいくつかあるかと思いますが、例えば、独身時代に支払ったローンをその後の時価上昇分と離婚予定時のローン残高を時価から控除して2分の1にすることも考えられます。特有財産として、独身時代のご自分の給与や親からの相続など婚姻期間中のお金から返済していないことを相手に示して交渉になります。

    話し合いなので、売却する場合は、特有財産部分とローン残債返済後の利益を2分の1にするとか、逆にオーバーローン(売却額<ローン残高)の場合、2分の1ずつ負担とすることもありえます。

    いずれにしろ他の要素と合わせて今後の双方の生活を鑑み、協議して合意できればよいですが、できない場合は家庭裁判所での調停という手段もあります。離婚協議書を自分たちで作成する場合は、公正証書にしておくことをお勧めします。

    以上ご参考まで。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/10/18

    ご相談ありがとうございます。

    今回のケースは、独身時代に購入したマンションだから財産分与の対象にならない、
    という考え方は基本的には間違っていません。

    ただし、結婚後の住宅ローンの返済状況によっては、
    財産分与の対象となる部分が生じる可能性があります。

    まず、法律上、結婚する前から所有していた財産は、
    原則として本人の「特有財産」となり、離婚時の財産分与の対象にはなりません。

    今回のマンションは、独身時代に購入し、名義もずっとご自身のままとのことですので、
    マンション全体が当然に夫婦の共有財産になるわけではありません。

    一方で、結婚した時点で住宅ローンが1,800万円残っており、
    その後の返済を夫婦の生活費から行ってきたという点は、別に考える必要があります。

    結婚後の住宅ローン返済によって、
    独身時代から所有していたマンションの資産価値が維持され、ローン残高も減っているためです。

    このような場合、婚姻中の返済によって形成・維持された部分が、
    財産分与において考慮される可能性があります。

    では、今回のケースで考えてみましょう。

    購入価格は2,600万円、結婚時のローン残高は1,800万円、
    現在の査定価格は4,000万円とのことです。

    購入時の価格と現在の査定価格を比較すると、1,400万円上昇していますが、
    この値上がり分がそのまま夫婦の共有財産になるわけではありません。

    また、結婚後にローンを返済したからといって、
    マンションの現在価値の半分を当然に妻へ渡さなければならない、ということでもありません。

    実務上は、購入時の自己資金や住宅ローンの状況、婚姻時と現在のローン残高、
    現在の不動産評価額などを確認し、
    婚姻前からの財産と婚姻中に形成・維持された部分を区別して考えることになります。

    ただし、具体的な計算方法や評価の仕方は、
    購入資金の内訳や返済経緯などによって変わることがあります。

    税金についても注意が必要です。

    例えば、離婚に伴ってマンションの所有権を妻へ移転する場合、
    財産分与であっても、渡す側に譲渡所得税が発生する可能性があります。
    一方、財産分与として受け取る側については、通常、贈与税はかかりませんが、
    分与額が過大である場合などは例外です。

    つまり、財産分与の金額だけでなく、マンションを売却して現金で分けるのか、
    どちらかが住み続けて所有権を移すのかによっても、
    税金や手続きの負担が変わる可能性があります。

    今回のご相談では、まず現在の住宅ローン残高を確認し、
    婚姻中にどれだけ返済したのかを整理することが大切です。

    そのうえで、マンションの評価額と購入時からの資産形成の経緯を踏まえ、
    どこまでが財産分与の対象になるのかを判断することになります。

    最終的には、具体的な財産分与の計算について弁護士に、
    所有権を移転する場合などの税務について税理士に確認することをおすすめします。

    独身時代に購入したマンションだから一切対象にならないとも、
    結婚後に値上がりしてローンを返済したから半分渡さなければならないとも、
    一概にはいえません。

    大切なのは、名義や現在の価格だけで判断するのではなく、
    購入から現在までの資産形成の経緯を整理し、法律と税務の両面から判断することです。

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