大阪市の中古マンション市場は、ここ数年で大きな変化を見せています。再開発やインフラ整備が進む都心部を中心に価格は上昇傾向が続いており、区ごとの差も徐々に広がっています。
本記事では、大阪市24区の価格推移を整理したうえで、上昇率2位となった中央区に注目し、エリア特性や今後の見通しを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 大阪市24区の中古マンション価格の最新動向と上昇率ランキング
- 上昇率2位となった大阪市中央区が9年間で伸びてきた背景
- 心斎橋・なんば・本町といったエリア特性から見る大阪市中央区の今とこれから
調査期間: 2017年1月~2026年1月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 大阪府大阪市内24区のマンション
データ基準: 調査期間中の大阪府大阪市内24区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
大阪全体から見る大阪市の価格比較(2017年→2026年)
大阪市全体と比較することで、大阪市北区の価格上昇がより明確になります。ここでは、まず大阪全体、そして大阪市内24区全体の価格推移を確認した後、大阪市中央区の動向と比較します。
大阪府全体で9年前比66.3%上昇!堅調な右肩上がり
大阪府全体の中古マンション価格は、9年前と比べて66.3%上昇しています。2026年1月時点での大阪府全体の中古マンション平均売買平米単価は52万円で、9年前と比べて20.9万円増加しています。
都市部への人口集中や新築供給の抑制、低金利環境が長く続いたことなどが挙げられ、長期的な需要の積み重ねによる結果といえます。
大阪府全体としては、投機的な動きよりも、実需を中心とした堅実な市場構造が特徴です。



大阪市24区の平均価格と「都心6区」の資産価値

大阪市24区全体の平均売買平米単価は、2026年1月時点で約53万円と、府内平均とほぼ同水準にあります。ただし、これはあくまで平均値であり、内訳を見ると区ごとの価格差は明確です。
とくに北区・中央区・西区・天王寺区・浪速区・福島区といった「都心6区」では、交通利便性や再開発の影響を受けやすく、価格が下がりにくい傾向が見られます。
また、住宅地色の強い区では価格の動きが比較的緩やかで、市内全体としては平均が均されている状態です。

価格上昇率2位は中央区!9年間で90.9%増の成長力
大阪市24区の価格上昇率ランキングで2位となったのが中央区です。9年前と比べて価格は90.9%上昇しており、ほぼ倍近い水準まで伸びています。北区ほどの急伸ではないものの、安定した上昇が続いてきた点が中央区の特徴です。


商業・業務・居住機能が集積するエリアであることに加え、心斎橋やなんばといった大阪を代表する街を抱えている点が、価格を下支えしています。
中央区のエリア深掘り~なんば・心斎橋・本町の特性~
心斎橋|洗練された街並とブランド力が描き出す華やかな商業エリア
心斎橋エリアは、大阪有数の商業集積地でありながら、居住用マンションも混在するエリアです。商店街や百貨店が集まり、日常の利便性が高いことが特徴です。
価格帯は中央区内でも比較的高めですが、需要が途切れにくく、価格が安定しやすい点が強みです。
一方で、観光客が多いエリアでもあるため、静かな住環境を求める場合は立地選びに注意が必要です。


なんば|ミナミの繁華街・インバウンド需要が牽引する市場
なんばは、ミナミの中心地として国内外から人が集まるエリアです。商業施設や交通網が集中しており、利便性は非常に高い水準にあります。


インバウンド需要の回復により注目度は高まっていますが、価格変動は景気や観光動向の影響を受けやすい側面もあります。
売買を検討する際は、短期的な話題性だけでなく、長期的な居住需要も見極めることが重要です。
本町・北浜|ビジネス街に聳えるタワーマンションエリア
本町・北浜エリアは、ビジネス街としての歴史が長く、近年はタワーマンションの供給が進んでいます。職住近接を重視する層からの需要が厚く、価格帯も高水準です。




ただし、タワーマンション特有の管理費や修繕費がかかる点には注意が必要で、購入時にはランニングコストも含めた検討が欠かせません。

エリアで異なる「商業地」と「ビジネス街」のマンション需要
中央区内では、商業地とビジネス街でマンション需要の性質が異なります。商業地では利便性重視の需要が、ビジネス街では職住近接を求める需要が中心です。
どのエリアを選ぶかによって、価格帯や住み心地が変わる点を理解しておくことが重要です。
大阪市24区上昇率ランキングと中央区の立ち位置
大阪市内24区における9年前との上昇率をランキング形式で紹介します。過去9年間で各エリアがどのように変動してきたのかを可視化しました。
売買の最適なタイミングを見極めるヒントとして、ぜひご活用ください。
大阪市内24区中古マンション価格上昇率ランキング(2026年1月時点)
| 順位 | 24区 | 上昇率(9年前比) | 平米単価(万円) |
|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市北区 | 133.2 | 108.0 |
| 2 | 大阪市中央区 | 90.9 | 90.0 |
| 3 | 大阪市西成区 | 84.7 | 40.0 |
| 4 | 大阪市天王寺区 | 79.1 | 73.0 |
| 5 | 大阪市西区 | 78.5 | 80.0 |
| 6 | 大阪市東成区 | 75.4 | 58.0 |
| 7 | 大阪市福島区 | 65.7 | 79.0 |
| 8 | 大阪市港区 | 62.5 | 50.0 |
| 9 | 大阪市阿倍野区 | 60.2 | 61.0 |
| 10 | 大阪市都島区 | 56.1 | 53.0 |
| 11 | 大阪市西淀川区 | 50.0 | 33.0 |
| 12 | 大阪市淀川区 | 49.3 | 45.0 |
| 13 | 大阪市生野区 | 48.4 | 43.0 |
| 14 | 大阪市浪速区 | 48.0 | 73.0 |
| 15 | 大阪市鶴見区 | 47.9 | 40.0 |
| 16 | 大阪市大正区 | 47.3 | 42.0 |
| 17 | 大阪市城東区 | 46.0 | 45.0 |
| 18 | 大阪市東淀川区 | 43.4 | 39.0 |
| 19 | 大阪市此花区 | 41.8 | 41.0 |
| 20 | 大阪市住之江区 | 41.8 | 30.0 |
| 21 | 大阪市住吉区 | 38.9 | 40.0 |
| 22 | 大阪市東住吉区 | 36.9 | 40.0 |
| 23 | 大阪市旭区 | 35.2 | 36.0 |
| 24 | 大阪市平野区 | 29.5 | 32.0 |
【比較】東京23区TOP5に匹敵!大阪市中央区の価格上昇率90.9%の上昇力
中央区の上昇率90.9%は、東京23区の上位区と比べても遜色ない水準です。平米単価そのものは東京の方が高いものの、伸び率という観点では大阪市中央区の存在感は大きくなっています。
| 順位 | 東京23区 | 9年前比上昇率(%) | 平米単価 (万円) | 大阪市24区 | 9年前比上昇率(%) | 平米単価 (万円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 港区 | 139.8 | 253.0 | 大阪市北区 | 133.2 | 108.0 |
| 2 | 千代田区 | 115.9 | 213.0 | 大阪市中央区 | 90.9 | 90.0 |
| 3 | 中央区 | 109.4 | 178.0 | 大阪市西成区 | 84.7 | 40.0 |
| 4 | 渋谷区 | 103.8 | 195.0 | 大阪市天王寺区 | 79.1 | 73.0 |
| 5 | 江東区 | 80.4 | 114.0 | 大阪市西区 | 78.5 | 80.0 |
6位以降はこちら
| 順位 | 東京23区 | 9年前比上昇率(%) | 平米単価(万円) |
|---|---|---|---|
| 6 | 品川区 | 75.8 | 133.0 |
| 7 | 新宿区 | 73.7 | 134.0 |
| 8 | 文京区 | 68.8 | 127.0 |
| 9 | 目黒区 | 67.4 | 139.0 |
| 10 | 豊島区 | 64.5 | 113.0 |
| 11 | 台東区 | 64.3 | 108.0 |
| 12 | 足立区 | 62.0 | 59.0 |
| 13 | 葛飾区 | 58.6 | 62.0 |
| 14 | 荒川区 | 58.5 | 85.0 |
| 15 | 世田谷区 | 53.8 | 104.0 |
| 16 | 中野区 | 52.0 | 98.0 |
| 17 | 北区 | 51.7 | 88.0 |
| 18 | 江戸川区 | 49.6 | 66.0 |
| 19 | 墨田区 | 48.9 | 93.0 |
| 20 | 板橋区 | 42.9 | 70.0 |
| 21 | 杉並区 | 41.8 | 89.0 |
| 22 | 練馬区 | 39.9 | 74.0 |
| 23 | 大田区 | 37.5 | 83.0 |
資産価値を維持しやすい「都心6区」の安定性とは
都心6区は、再開発や交通利便性を背景に、価格が下がりにくい傾向があります。中央区もその一角として、長期的に安定した市場を形成しています。


中央区周辺エリアの動向
天王寺区
文教地区の根強い人気で9年前比79.1%上昇
天王寺区は、文教地区としての評価が高く、教育環境を重視する層から安定した需要を集めています。中古マンション価格は9年間で79.1%上昇しており、派手な再開発が少ない一方で、堅実な値動きが続いてきました。


近年は、天王寺駅周辺の再整備や商業施設の充実により、生活利便性がさらに高まっています。中央区ほど商業色は強くありませんが、その分、居住目的で長く住み続ける世帯が多く、価格が下がりにくい構造が形成されています。
売買を検討する際は、「住環境重視」のエリアである点を理解しておくことが重要です。
西区
堀江・新町エリアのブランド力と9年前比78.5%上昇
西区は、堀江・新町といった人気エリアを中心に、中古マンション価格が9年間で78.5%上昇しています。
背景にあるのは、都心近接でありながら落ち着いた住環境を備えた街としての評価が定着してきた点です。近年は、飲食店や生活利便施設の入れ替わりも活発で、街全体のイメージが更新され続けています。




また、中央区に隣接している立地から、心斎橋・本町方面へのアクセス性も高く、「中央区は価格が高いが、西区なら検討できる」という層の受け皿にもなっています。
ただし、エリアによっては供給が限られるため、物件ごとの価格差が出やすい点には注意が必要です。
浪速区
難波隣接エリアの利便性と9年前比48.0%上昇の推移
浪速区は、難波に隣接する立地から交通利便性が高く、9年間で48.0%の価格上昇を記録しています。上昇率は他の都心区と比べると控えめですが、その分、価格水準は比較的抑えられています。


近年は、ホテル開発や観光需要の影響もあり、街の雰囲気が徐々に変化しています。ただし、エリアによって住環境に差が出やすく、将来的な価格の伸び方も一様ではありません。利便性と価格のバランスを重視する層に向いたエリアといえるでしょう。
【比較】天王寺区・西区・浪速区と比べた中央区の強みと注意点

中央区の強みは、商業・業務・居住機能が高度に集積している点にあります。心斎橋・なんば・本町といった主要エリアを抱え、平米単価は高水準で推移しやすく、価格が下がりにくい傾向が見られます。西区や天王寺区と比べても需要の幅が広く、居住用から投資目的まで多様な売買履歴が確認できる点が特徴です。
一方で、中央区は価格水準が高いため、購入時の資金計画や将来の売却条件を慎重に見極める必要があります。浪速区と比べると価格の安定性では優位ですが、上昇余地は相対的に限定的になる可能性もあります。
今後の売買を考える際は、価格の安定性を重視するのか、価格帯の選択肢を広く持ちたいのかという視点で、エリアごとの特性を比較すると判断しやすくなるでしょう。
よくある質問
まとめ|大阪市中央区のエリア特性と今後の市場予測
大阪市中央区は、都心ならではの利便性と安定した需要を背景に、堅調な価格推移を続けています。重要なのは、区全体の数字だけで判断せず、エリア特性や物件条件を踏まえて検討することです。
売買を検討する際は、「どこで」「どのような目的で」購入・売却するのかを明確にし、自分に合った判断を行うことが、納得感のある結果につながるでしょう。
データ提供/マンションナビ
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