首都圏だけでなく、関西圏でも中古マンション価格の上昇が続いています。とくに大阪市では、再開発やインフラ整備を背景に、区ごとの価格差や上昇率の違いがより明確になってきました。
本記事では、具体的な数値や比較データを交えながら、大阪市内各区のマンション価格の推移を分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 大阪市24区の中古マンション価格の最新動向と上昇率ランキング
- 価格が大きく伸びた北区3エリア(梅田・中之島・天神橋)の違い
- 大阪市の中古マンション市場の今とこれから
調査期間: 2016年12月~2025年12月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 大阪府大阪市内24区のマンション
データ基準: 調査期間中の大阪府大阪市内24区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
大阪全体から見る大阪市の価格比較(2016年→2025年)
大阪市全体と比較することで、大阪市北区の価格上昇がより明確になります。ここでは、まず大阪全体、そして大阪市内24区全体の価格推移を確認した後、大阪市北区の動向と比較します。
大阪府全体の平均価格推移
大阪府全体の中古マンション価格はこの9年間で着実に上昇しています。
2025年12月時点での大阪府全体の中古マンション平均売買平米単価は52万円で、9年前と比べて20.7万円増加しています。
背景には、都市部への人口集中や新築供給の抑制、そして低金利環境が長く続いたことがあります。とくに大阪市中心部への需要が強まり、その影響が府内全体に波及しました。
よって大阪府全体は需要に支えられた緩やかな上昇が続いている点が特徴です。



大阪市24区全体の平均価格

2025年12月時点での大阪市内24区における中古マンションの平均売買平米単価は 約53万円と、府内平均とほぼ同水準で推移しています。一見すると「市内と府内で大きな差がない」ように見えますが、内訳を詳しく見ると、区ごとの価格水準には明確な違いがあることが分かります。
大阪市内では、梅田・難波・天王寺といった主要拠点へのアクセス性が高い区ほど、価格が安定しやすい傾向にあります。再開発や商業集積の影響を受けやすいエリアでは、需要が底堅く、価格が下がりにくい構造が形成されています。
また、住宅地色の強い区や都心から距離のある区では、価格の動きが比較的緩やかに推移しており、市内全体としては平均値が府内水準に近づいています。
大阪市6区(北・中央・福島・西・天王寺・浪速)の資産価値
大阪市の中でも、いわゆる都心6区は平均平米単価が高く、上昇率も相対的に高水準です。とくに北区と中央区は再開発の進展が著しく、価格の上昇を牽引しています。資産性を重視する層からの関心が高く、価格が下がりにくい構造が形成されている点が特徴です。
| 大阪市6区 | 価格上昇率(%) | 平均売買平米単価(万円) |
|---|---|---|
| 大阪市北区 | 132.4 | 107.0 |
| 大阪市中央区 | 90.7 | 90.0 |
| 大阪市西区 | 77.8 | 79.0 |
| 大阪市天王寺区 | 77.8 | 73.0 |
| 大阪市東成区 | 75.6 | 58.0 |
| 大阪市福島区 | 65.3 | 78.0 |
大阪市内24区中古マンション価格上昇率ランキング(2025年12月時点)
大阪市内24区における9年前との上昇率をランキング形式で紹介します。過去9年間で各エリアがどのように変動してきたのかを可視化しました。
売買の最適なタイミングを見極めるヒントとして、ぜひご活用ください。
| 順位 | 24区 | 上昇率(9年前比) | 平均売買平米単価(万円) |
|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市北区 | 132.4% | 107.0 |
| 2 | 大阪市中央区 | 90.7% | 90.0 |
| 3 | 大阪市西成区 | 84.2% | 40.0 |
| 4 | 大阪市西区 | 77.8% | 79.0 |
| 4 | 大阪市天王寺区 | 77.8% | 73.0 |
| 6 | 大阪市東成区 | 75.6% | 58.0 |
| 7 | 大阪市福島区 | 65.3% | 78.0 |
| 8 | 大阪市港区 | 62.2% | 50.0 |
| 9 | 大阪市阿倍野区 | 59.1% | 60.0 |
| 10 | 大阪市都島区 | 55.4% | 53.0 |
| 11 | 大阪市淀川区 | 50.2% | 44.0 |
| 12 | 大阪市生野区 | 49.2% | 33.0 |
| 13 | 大阪市西淀川区 | 48.7% | 40.0 |
| 14 | 大阪市鶴見区 | 48.5% | 43.0 |
| 15 | 大阪市大正区 | 48.2% | 42.0 |
| 16 | 大阪市城東区 | 46.9% | 45.0 |
| 17 | 大阪市浪速区 | 46.3% | 72.0 |
| 18 | 大阪市東淀川区 | 44.1% | 39.0 |
| 19 | 大阪市此花区 | 41.9% | 41.0 |
| 20 | 大阪市住之江区 | 41.1% | 30.0 |
| 21 | 大阪市東住吉区 | 39.0% | 40.0 |
| 22 | 大阪市住吉区 | 37.7% | 40.0 |
| 23 | 大阪市旭区 | 35.0% | 37.0 |
| 24 | 大阪市平野区 | 29.2% | 32.0 |
1位は価格上昇率132.4%の大阪市北区
大阪市24区の中で、もっとも高い上昇率を記録したのが北区です。平均売買価格は9年前と比べて約2.3倍に近い水準まで価格が伸びており、全国的に見ても非常に高い伸び率です。背景には「うめきた」を中心とした再開発があり、商業・オフィス・住宅が一体となった街づくりが進んだことが挙げられます。


上位区と下位区にみる二極化傾向
ランキングから上位区と下位区では上昇率に2倍以上の差が見られます。
| 上位区 | 上昇率 (9年前比) | 平米単価 (万円) | 下位区 | 上昇率 (9年前比) | 平米単価 (万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 大阪市北区 | 132.4% | 107.0 | 大阪市住之江区 | 41.1% | 30.0 |
| 大阪市中央区 | 90.7% | 90.0 | 大阪市東住吉区 | 39.0% | 40.0 |
| 大阪市西成区 | 84.2% | 40.0 | 大阪市住吉区 | 37.7% | 40.0 |
| 大阪市西区 | 77.8% | 79.0 | 大阪市旭区 | 35.0% | 37.0 |
| 大阪市天王寺区 | 77.8% | 73.0 | 大阪市平野区 | 29.2% | 32.0 |
都心近接で再開発が進む区は大きく伸びる一方、住宅地色の強い区は緩やかな上昇にとどまっています。ただし、下位区が「悪い」というわけではありません。価格が安定しているため、実需層には選ばれやすいという側面もあります。
【比較】東京23区との位置づけ

東京23区では港区が突出した上昇率を示していますが、大阪市北区はそれに迫る勢いです。平米単価自体は東京の方が高いものの、上昇率という観点では大阪市の存在感も無視できません。地方都市というより「第二の都心市場」として評価される理由が、数字からも読み取れます。
| 順位 | 23区 | 上昇率(9年前比) | 平均売買平米単価(万円) |
|---|---|---|---|
| 1 | 港区 | 137.7 | 250.0 |
| 2 | 千代田区 | 114.0 | 210.0 |
| 3 | 中央区 | 108.6 | 176.0 |
| 4 | 渋谷区 | 102.2 | 193.0 |
| 5 | 江東区 | 79.1 | 113.0 |
| 6 | 品川区 | 74.2 | 131.0 |
| 7 | 新宿区 | 72.9 | 133.0 |
| 8 | 文京区 | 68.3 | 126.0 |
| 9 | 目黒区 | 66.5 | 137.0 |
| 10 | 豊島区 | 63.6 | 112.0 |
| 11 | 台東区 | 63.5 | 107.0 |
| 12 | 足立区 | 62.3 | 58.0 |
| 13 | 葛飾区 | 58.5 | 62.0 |
| 14 | 荒川区 | 58.2 | 84.0 |
| 15 | 世田谷区 | 52.8 | 104.0 |
| 16 | 北区 | 51.9 | 88.0 |
| 17 | 中野区 | 50.4 | 97.0 |
| 18 | 江戸川区 | 48.9 | 66.0 |
| 19 | 墨田区 | 48.0 | 92.0 |
| 20 | 板橋区 | 43.0 | 70.0 |
| 21 | 杉並区 | 41.3 | 89.0 |
| 22 | 練馬区 | 39.4 | 74.0 |
| 23 | 大田区 | 36.8 | 83.0 |

北区内3エリアで見る価格帯と住環境
大阪市北区は、同じ区内でもエリアによって価格帯や住環境、需要の性質が大きく異なります。梅田・中之島・天神橋/南森町という3つの主要エリアを見ていくことで、北区がなぜ高い上昇率を維持しているのか、そしてどの層に向いた街なのかが明確になります。
ここではエリアごとの特徴を整理しながら、価格と住みやすさの違いを確認していきます。
梅田|再開発「うめきた」が牽引する市内最高値のプレミアム市場
梅田エリアは、大阪市内でもっとも価格水準が高いエリアのひとつです。「うめきた」を中心とした大規模再開発により、商業・オフィス・住宅が一体となった都市機能が集積しているからです。交通利便性も非常に高く、JR・私鉄・地下鉄が集中することで、通勤・通学だけでなく都市間移動の拠点としても評価されています。
価格上昇に対して「下がりにくさ」という点で依然として強いエリアといえるでしょう。


中之島|景観とブランド性が支えるタワーマンション集積地
中之島エリアは、水辺の景観とオフィス街としての歴史的ブランドを背景に、タワーマンションが集積するエリアです。文化施設や公園が多く、都心でありながら落ち着いた住環境が確保されている点が特徴です。
価格帯は梅田に続く水準ですが、居住目的と資産保有の両方を意識した需要が多い傾向があります。ただし、タワーマンション特有の管理費・修繕費の負担は考慮が必要で、長期保有を前提とする場合は維持コストも含めた検討が欠かせません。




天神橋/南森町|日本一の商店街と生活利便性が支える実需中心の街
天神橋・南森町周辺は、日本一長い商店街を擁し、日常生活の利便性が高いエリアです。梅田や中之島に比べると価格帯は抑えめですが、交通アクセスは良好で、実需層からの支持が厚いのが特徴です。
このエリアでは、安定した価格が続いており、住み替えや長期居住を前提とした購入が多く見られます。再開発による大きな話題は少ないものの、生活のしやすさが価格の下支えとなっており、堅実な選択肢といえるでしょう。




【比較】中央区・西区と比べた北区の強みと注意点
北区は中央区や西区と並ぶ都心エリアですが、上昇率という点では北区が頭ひとつ抜けています。再開発の集中度やエリア内の多様性が、価格上昇を後押ししてきました。
一方で、梅田・中之島のような高価格帯と、天神橋周辺の実需エリアが混在しているため、物件ごとの価格差は大きくなりやすい点には注意が必要です。
北区を検討する際は、「どのエリアで、どの目的で購入するのか」を明確にすることが、納得感のある判断につながります。
再開発・インフラが決める今後の注目点
大阪市内では、再開発やインフラ整備がマンション価格に与える影響が年々大きくなっています。「グラングリーン大阪(うめきた2期)」の開業や「なにわ筋線」の新設、さらに大阪・関西万博やIR構想といった大型プロジェクトは、短期的な話題性にとどまらず、中長期的な都市価値の底上げにつながる動きといえるでしょう。
とくに北区周辺は、これらのプロジェクトの影響を複合的に受けやすいエリアです。再開発による商業・業務機能の集積だけでなく、交通利便性の向上によって居住エリアとしての評価も高まりやすく、結果として中古マンション価格の下支え要因となっています。
もっとも、すべてのエリアや物件が同じ恩恵を受けるわけではなく、立地や築年数、周辺環境によって影響の度合いが異なる点には注意が必要です。
なかでも中之島エリアは、再開発とインフラ整備の両面から注目度が高まっている地域のひとつです。オフィス・文化施設・住宅が共存する街づくりが進められており、今後の大阪都心の変化を読み解くうえで欠かせないエリアといえるでしょう。

よくある質問
まとめ|大阪市マンション価格の今とこれから
大阪市の中古マンション市場は、北区を中心に大きな成長を遂げています。しかし、区ごとに価格帯や上昇率の差があり、目的に応じたエリア選びが重要です。資産性を重視するのか、住みやすさを重視するのか。その視点を明確にすることで、より納得感のある選択ができるでしょう。
データ提供/マンションナビ
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