不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/04/28

    ご質問の本質は「審査が通るか」よりも、二重支払いのリスクをどう見るかだと思います。
    ここを外さなければ判断はシンプルになります。

    ■まず結論(考え方の軸)

    ご提示のA・Bで言えば、考え方としてはBに近い発想です。
    ただ、実務ではもう一歩踏み込んで、“ローン+管理費+修繕積立金+新居の賃料(共益費込)”を全部足した状態で無理がないか

    ここで判断します。

    理由はシンプルで、その期間は完全に二重コストになるからです。

    ■「年収÷36」の考え方について

    よく言われる「家賃=年収の1/36」はあくまで目安ですが、個人的な実務感覚で言うと少し甘めです。

    むしろ現実的には、年収の1/3以内(=月額賃料)に収まるか

    例えば年収360万円なら、月10万円前後。
    このくらいの感覚の方が、生活としては無理が出にくいラインです。

    ■今回のケースで一番大事なポイント

    正直ここです。

    先に引っ越してから売るのはリスクがあるのか?

    答えは、あります。

    具体的には、

    売れるまで→ ローン+管理費+修繕積立金+家賃の二重支払い
    想定より長引いた場合→ 資金がじわじわ削られる
    焦って値下げ→ 売却条件が悪くなる

    この流れは現場でもよく見ます。

    ■賃料と管理費・修繕費の考え方

    ここも整理しておくと、

    賃借人が払うのは→ 賃料+管理費(共益費)
    修繕積立金は→ 所有者負担(借主には直接関係なし)

    ただし、実務上は管理費・修繕費も含めて“回収できる賃料設定”になっているか

    ここを見ます。

    つまり、借りる側としては「総支払額(家賃+管理費)」で判断、貸す側としては「持ち出しが出ないか」で判断、という構造です。

    ■現実的な判断の仕方(ここが一番大事)

    今回のケースでいうと、

    ●安全寄り
    住みながら売却→ 売れてから引っ越し
    → 二重コストなし
    ●攻め(今回の検討)
    先に賃貸へ引越し→ 売却スタート→ 二重コスト期間が発生

    この違いです。

    ■少し現場っぽい話をすると

    「空室の方が売りやすい」というのは事実としてあります。
    ただそれ以上に、“売れるまでの資金耐久力”があるか

    ここを見ないで動くと、途中で苦しくなります。

    ■まとめ
    計算式でいうとBベースで考えるのが妥当
    ただし本質は「二重支払いに耐えられるか」
    年収基準は1/36より1/3以内の方が現実的
    先に引っ越すなら売却期間の見込みと資金余力の確認が必須

    数字の話に見えて、実は戦略の話です。
    ここを整理してから動けば、後で「こんなはずじゃなかった」は避けられます。

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