不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/05/01

    率直に言うと、その違和感はもっともです。
    そして結論から整理すると、

    修繕積立金の“残高が少ないこと自体”が必ずしも業法違反になるとは限らない
    ただし、買主の判断に大きく影響する情報である以上、説明の仕方としては不十分と言われても仕方ないレベル

    この2つを分けて考えるのが大事です。

    ■ 法的な整理(ここがベース)

    重要事項説明で義務付けられているのは主に以下です。

    修繕積立金の額
    管理費等の額
    長期修繕計画の有無
    積立金の改定予定の有無

    つまり、「残高がいくらで、将来足りるかどうか」までを断定的に説明する義務まではないというのが法律上の建て付けです。

    ■ ただし実務としてはどうか

    ここが今回の本質です。

    積立残高が明らかに少ない
    将来一時金の可能性が現実的にある
    総会資料等を見れば読み取れる

    この状況で、「長期修繕計画あります」だけで終わらせるのは正直、買主目線ではかなり不親切です

    少なくとも、「資金的に余裕があるとは言いづらい状況です」「将来的に一時金の可能性は否定できません」こういった“判断材料”の一言はあって然るべきです。

    なので今回のケースは違法とまでは言い切れないが、説明不足・配慮不足と言われる余地は十分あるという位置付けになります。

    ■ なぜこういうことが起きるのか(現場のリアル)

    正直に言うと、
    書いてあることは説明したからOKという考え
    深掘りすると契約が止まるリスクを避ける姿勢

    このあたりが背景にあることも多いです。

    ただ、これは買主からすると関係ない話で、「判断に必要な材料が出ていない」時点で不信感が出るのは当然です。

    ■ 今からできる現実的な対応

    まだ引渡し前なので、できることはあります。

    ① 管理資料の精査(ここは必須)
    直近の総会議事録
    長期修繕計画の詳細
    積立金残高と今後の収支予測

    「いつ・いくら不足する想定なのか」を具体的に把握する

    ② 仲介業者へ再確認(ここは遠慮不要)
    一時金徴収の可能性の認識
    過去に議題として上がっているか
    売主側はどこまで把握しているか

    ここで初めて“説明の質”が見えます

    ③ 売主との調整(交渉余地)

    状況によっては、

    価格調整
    一時金リスクを織り込んだ条件交渉も現実的です。

    ④ 最終判断(ここが一番大事)

    ここはシンプルで、不安が許容範囲かどうか

    許容できる → そのまま進める
    許容できない → 解約含め検討(※契約内容次第)
    ■ 大事な視点(少し厳しめに本質)

    マンション購入は、「室内」よりも「管理状態」を買っている側面が強いです

    今回のような積立不足は、すぐ問題にならなくても
    将来的に確実に効いてくる要素です。

    ■ まとめ
    法律上、残高不足の詳細説明義務まではない
    ただし今回のケースは説明としては不十分と言われても仕方ない
    今からでも資料精査と確認でリスクの見える化は可能
    最終的には「納得して引き渡しを受けるか」が判断軸

    この手の話は、契約後に気づくとどうしても後手になります。
    ただ、引渡し前に気づけているのはまだ救いです。

    焦って結論を出さず、「分からないものを分からないまま進めない」ここだけは守った方がいいです。

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