不動産お悩み相談室

REAL ESTATE Q&A

  • 私が回答します

    投稿日
    2026/06/22

    ご相談を拝見しました。

    「債権者の同意が得れれば問題がない」との担当者による説明は確かにその通りですが、それだけでは買主側が負うリスクが見えづらく不安になるのも当然です。

    任意売却(任売)は、外形的には所有者が売主ですが、実際には売却価格をはじめとする取引の権限については、その大半を「債権者(金融機関やサービサー)」が握っています。悪く表現すれば、売主はお飾り的な存在に過ぎないのです。

    さらに、債権者が1社であればまだ良いのですが、複数存在する場合はその調整だけで相応の時間を要します。

    そのため、競売までの期間が短い場合は、債権者と交渉している間にタイムリミット(競売の開札)が到来して取引が強制終了してしまうケースもあるのです。つまり、申込みをしてもキャンセルとなる可能性は十分にあるのです。

    そもそも、契約の締結や抵当権の抹消には債権者の同意が絶対条件であり、関係者全員の同意・調整に数ヶ月を要することも珍しくありません。

    また、実務においては契約の締結を優先するケースもありますが、その場合は「〇月〇日までに債権者の抹消同意が得られない場合、本契約は無条件で白紙解除とする」との内容で特約を設けるのが一般的です。

    取扱業者がよほど任売の実務に長けていればこれらのリスクは最低限に抑えられますが、それでも「確実」とは言い切れないのが任意売却だと言えるのです。

    このような説明をせず、担当者が「同意が得られれば問題ない」と楽観的な説明しかしない場合は、少し慎重になった方がよいかもしれません。まずは、次の質問に明確に答えてくれるか確認されると良いでしょう。

    「債権者は何社いますか?すでに大まかな売却価格の合意(目処)は取れていますか?」

    「税金の滞納による差し押さえは入っていませんか?」

    「もし債権者の同意が得られず白紙になった場合、手付金はいつ、どのように返金されますか?」

    「競売の開始決定はすでに出ていますか?タイムリミット(入札期日)はいつですか?」

    結局のところ、任意売却物件は「買えたらラッキー」くらいの割り切った気持ちで臨むのが精神衛生上もっとも安全だと言えるのです。

  • 私が回答します

    金子徳公

    株式会社ハウジングサクセス

    • 50代
    • 東京都
    • 男性
    • 不動産会社
    投稿日
    2026/06/22

    任意売却だから特別にキャンセルになるというより、
    不動産取引そのものにキャンセルや条件変更の可能性はあります。

    ただし、任意売却は通常の売買よりも関係者が多いため、
    その可能性が少し高くなることはあります。

    まず任意売却とは、住宅ローンなどの借入金を完済できない状態で、
    債権者である金融機関等の同意を得ながら売却を進める方法です。

    そのため、売主だけの判断で進められる通常の売買とは違い、
    金融機関や保証会社などの承認が必要になります。

    担当者から説明された「債権者の同意が得られれば問題ありません」
    という言葉は間違いではありません。

    逆に言うと、その同意が得られなければ話が進まないこともあります。

    例えば購入希望価格で金融機関が納得しなかった場合や、
    他により良い条件の購入希望者が現れた場合などは、当初の話が変わることもあります。

    ただ、必要以上に怖がる必要もありません。

    実際には多くの任意売却物件が通常通り成約し、引渡しまで進んでいます。

    購入する側として大切なのは、
    今どの段階まで債権者との協議が進んでいるのかを仲介会社へ確認することです。

    既に価格について債権者の了解が取れているのか。これから承認を取る段階なのか。
    複数の債権者が関わっているのか。そのあたりでリスクの大きさは変わってきます。

    また、契約から引渡しまでの期間が長くなることもあります。

    通常の売買であれば契約から1か月から2か月程度で進むこともありますが、
    任意売却では金融機関との調整や売主の引越し準備などで時間がかかるケースもあります。

    購入を検討する際は、引渡し希望時期を担当者に伝えたうえで、
    現実的に実行可能か確認しておいた方が安心です。

    そして、相場より800万円安いという点については、
    その価格差だけに目を向けないことも大切です。

    なぜ安いのか。建物の状態はどうか。契約不適合責任はどうなるのか。設備の不具合はないのか。
    引渡し条件はどうなっているのか。任意売却だから安いのか、それとも別の理由があるのか。
    そこを整理して判断するべきです。

    良い仲介担当者であれば、「任意売却だから安いんです」だけではなく、
    「どこまで債権者の了承が取れていて、どの部分が未確定なのか」まで説明してくれるはずです。

    購入を急ぐよりも、まずはその状況確認をしっかり行うことが大切だと思います。

    任意売却物件は確かに一般の売買より注意点はありますが、内容を理解したうえで進めれば、
    良い条件で購入できることも少なくありません。

    大切なのは「安いから買う」ではなく、「なぜ安いのかを理解して買う」ことです。

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